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君たちの母ですけど、なにか。

昨夜、次男とのLINEのやりとりで
歯に衣着せぬメッセージを連投していたら
「そんなに煽ってこないで。オレはそんなに強くないから」
というメッセージが返ってきました。

次男はただいま休職中で
次のステージに向かうため模索中なんです。

昨夜のLINEのメッセージは、そんな不安な心に容赦なく刺さった、母親からの言葉のナイフだったみたい。
こっちはそんなに鋭利なものを投げたつもりはないよ。
君のハートがお豆腐だったってことじゃないかな。

これまで私は二人の息子達に
常にあなたの味方だし、けっしてあなたを否定しないよ
というスタンスでいたのだけれど
最近けっこう、つきはなすような物言いをしちゃう傾向があって
面食らってしまうのかもね。

私が成人した彼らにとって「理解のある母」でいたい、と思ってたのは
普通の家庭環境を作ってあげられなかったことへの
罪ほろぼしだったかもしれない。
子供たちの記憶から、だめな親だった自分を書き換える作業でもあったな、と思いました。
でもそれって全て保身なのではないかな、本当に息子を思っての対応ではないよな、と最近思ってきて、これが「子離れ」ってことなのかなと感じている今日この頃です。

去年の秋に、長男がガールフレンドを連れてきたので、
幼い頃の息子の、思い出の写真を見せました。
彼女は一枚一枚眺めながら
「話してたのと違うじゃない、あなたはこんなに愛されて育ったのね」
と言っていました。
いったい君はどんな風に育ったと、彼女に語っていたのだろう。
自分を、みなしごハッチみたいに言ってないよねぇ。

君達はほんとに、みんなに愛されて
大事に大事に育ったんだよ。
自分の命を投げ出しても守っていきたい大事な君達。
それは今でも、これからも変わらないこと。

ひとつ残念に思うのは
君達が結婚も子育てもする予定がないこと。
もしも君達が結婚したら、私達夫婦がうまくいかなかったことも
少しだけわかってくれるんじゃないかと思うの。
結婚っていったいなんなんだろう、なんて思う瞬間もきっとあるよ。

奥さんのおなかに命が宿れば
自分の子供ってこんなに大事なものなんだってわかるでしょ。
学校さぼってた自分を執拗に追いかけたお母さんの気持ちも
わかってくれるよね。
あの時「くそばばぁ」とつぶやいたこと、ごめんねと思うかもしれないよ。

このまま歳をとっていく限り
そういうことには気づくこともなく、君達はずっと、「勝手な親の犠牲になった子供」という設定から逃れられないのかな。

最近、子供さんたちが、仕事が続かなかったり、心を病んでしまう話をけっこう耳にすることがあって、次男を育ててくれた元職場の上司は
「こういうのって、ウェブや、漫画や、ゲームの世界のせいなんじゃないかと思う」
と言っていました。
どんな意味なのか、その世界を深く知らないからよくわかりませんが、現実の真の厳しさを体感していないってことなのかなと思いました。
堕ちてもまた簡単にリセットできる世界。
みんな幼稚園の頃からそんな世界の中で遊んでいたんだもんね。もしかしたら、それもあるかもしれないね。

お母さんの言葉のナイフは
胸に刺さってもすぐに溶けるはず。
気持ち悪いというかもしれないが
そのナイフ、素材は「愛」なので。

次は、ライオンのお母さんのようにそこから突き落とすかもしれないよ。
現実の世界は想像以上に厳しいけれど
愛に溢れているってことをわからせるために。




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