メンヘラのひとりごと 228

人生で初めて、推しがこの世を去った。

推しの名前はムンビン。まだ25歳だった。死因は公表されていないので、わたしは何も言わない。

わたしと彼はSEVENTEENのスングァンちゃんという別のグループの推しと仲がいいことがきっかけでファンになった。でもめちゃくちゃ熱意があったわけでもなくて、ゆる推しだった。でも彼のことはきちんと好きだった。

でも色んな話を聞くうちに、彼が悪いわけではないのに熱意が冷めてしまって。画像を集めなくなった。曲を聞かなくなった。

そんな最中に、起きてTwitterを見たら訃報が飛び込んできた。呆然として、理解が追いつかなくて。

なんで、どうして、生きていてほしかった。

生きていてほしい、という言葉がどれだけ残酷な言葉かわかっている。

でもそれでも、彼の手を掴みたかった。一度会ってみたかった。キラキラ輝く彼の姿を近くで見て、その眩さに目を細めてみたかった。

少ししか泣けなかったわたしのことを彼は許してくれるだろうか。ゆる推しなんて言っていたわたしが貴方の死を悼んでもいいだろうか。

元気なふりをしているけど、本当はつらくて、潰れてしまいそうで。

彼がいなくなったって、わたしはそんなこと関係なく生きていかなければならない。

彼のような人が死ぬなら、代わりにわたしが死んだのになぁ。

苦しい。つらい。でもこの気持ちをどうすればいいのかわからない。

わたしよりもっとつらい思いをしているちゃんと応援していたムンビンくんのファンがたくさんいるから、わたしなんかが死にたいなんて言ってたらいけないのはわかってる。

でも今夜は泣かせてほしい。一人の優しい光を放つアイドルの手を離してしまったと、後悔させてほしい。

ビニちゃん、ごめんね。天国でどうか安らかに。

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