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【どれに当てはまる?】事業再構築指針の類型解説

こんにちは!中小企業診断士の横田優斗と申します!


普段はTwitterにて中小企業・フリーランス・会社員でも使えるような補助金などの支援策について図解をしています。おかげ様で、昨年の12月から本格運用を始めたましたが、現在970名もの皆様にフォローをいただいております。


そしてnoteではTwitterの図解を補足するような内容を投稿しています!



前回は公募が開始して、4/15~申請が始まる「事業再構築補助金」について、解説をしてみました!



今回は前回解説しきれなかった「事業再構築指針」について解説をしたいと思います!これは中々転がっていない情報なので、ぜひご覧ください!


自己紹介

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内容に入る前に自己紹介をさせてください。



✅早稲田大学法学部卒業
✅お笑い芸人の道へ
✅夢破れてフリーターに
✅バイト先を3日連続放火される
✅一念発起して公務員試験を受けるが落ちる
✅ひょんなことから今の会社に採用される
✅中小企業診断士へ


おおまかに言うと以上のような流れです!
「再構築」を体現しているような人生です…笑


気になってくださった方は、別途「自己紹介」のnoteにてご覧いただければと思います。




さてそんな私は中小企業の福利厚生をサポー
トする会社に勤めています。


中小企業の皆様が会員となっていて、その会
員に対し様々なサービスを提供しています。


そのため、様々な中小企業の方と出会います。
もちろん良い業績の中小企業もあれば、悪い
業績のところもある。


さらには業績が良くても、後継者がいないた
めに廃業してしまうような会社もたくさん見
てきました。


右も左もわからず入った会社ではありましたが、
「中小企業を救いたい!」という思いが強くな
りました。


中小企業を救うためにはどうするか?
そして、経営コンサルタントの国家資格であ
る、中小企業診断士の資格を取得したのです。


中小企業の経営者、個人事業主の方は今苦し
い状況だとは思いますが1歩踏み出す、変化
を起こすことはとても勇気がいることでしょ
う。


そんな中小企業の1歩踏み出す助けになるの
が、「補助金」であると考えました。


補助金とは、新たな試みをする中小企業の皆
様のサポートをするもの。


補助金を活用することで、資金的に負担が少
なくなるだけでなく、補助金申請の際の事業
計画により、適切な経営ができる。


そして私はそんな挑戦する中小企業の皆様と
補助金との懸け橋となるべく、日々発信を続
けています。


事業再構築指針とは?

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それでは今回の内容に入っていきたいと思います!
今回は事業再構築指針


前回のnoteでも軽く解説しましたが、事業再構築補助金申請のための3つの要件のうちの一つ!!


✅売上が減少
✅認定支援機関と事業計画を作成


この2つの要件はわかりやすいのですが、最後の要件がわかりづらいのです!
それがこちら!


✅事業再構築に取り組む


事業再構築に取り組むってどういうこと!?となってしまうと思います。
ただし、それをご丁寧に5つの類型にまとめ、示しているのが事業再構築指針!


それが以下の通り!


①新分野展開
②事業転換
③業種転換
④業態転換
⑤事業再編


類型示されたとて!
これでも中々わかりづらいですね!



あなたのやろうと思っている事業が「事業再構築」に当たるのか?
どの類型が良いのか?


1つずつ説明をしていきますね!

①新分野展開

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まずは1つめの新分野展開から説明させていただきます!


新分野展開とは、新たな製品等で新たな市場に進出することをいいます!


???ですね!
1つずつ紐解いていきます。


■新製品等の要件■

簡単にいうと、新商品(新サービス)を開発して販売していくことをいいます。
ただし「事業再構築補助金」における「新製品等」と認められるには3つの条件があります!


それが以下の3つです!


✅過去に製造等した実績がない
✅製造等に用いる主要な設備を変更する
✅定量的に性能又は効能が異なる


●過去に製造等した実績が無い

「新製品」なので、過去に製造したことがない商品や提供したことのないサービスであることが求められます。


ただ、現時点では、実績についての証明をどうするかがわかってないので今後の情報に注目ですね!


●製造等に用いる主要な設備を変更する


今回の事業再構築補助金は大型の補助金なので、設備投資をすることがキーポイントになってきます!


既存の設備でも製造可能な製品ではだめなのです!新しい設備を導入しないと作れない新製品であることを示す必要があります。


●定量的に性能又は効能が異なる


既存製品と比べ、新製品の強度、耐久性、軽さ、加工性、精度、速度、容量等が、〇%向上する等・・・・新製品の性能が具体的に数値としてどれくらい違うのかを示す必要があります。


ただし、「製品等の性能や効能が定量的に計測できる場合に限る。」とされています。計測出来なそうな場合にも、出来るだけ数値で示すことが出来ないかを考えてみましょう。


以上の3つを満たした新製品・新サービスであることが必要になります。


■新市場要件■


続きまして新市場と認められるための要件です!


それは「既存製品等と新製品等の代替性が低いこと」です!


どういうことなのかと言いますと、新製品を出した結果、既存の製品の売上が下がってしまうような場合はダメなんです!
同じ市場でお互いを食い合ってしまっている状態です。


例えば、アイスクリーム屋が新商品としてかき氷を出した場合、かき氷の売上が上がったけれど、アイスクリームの売上が下がってしまった、といったような場合です。


その場合には、既存商品の需要が単純に置き換わっただけとして、認められないのです。


むしろ、既存商品の売上が相乗効果で上がっていくようなものが良いとされています!
公式には以下のような例が示されています。


日本料理店が、新たにオンラインの料理教室を始める場合、オンライン料理教室を始めたことにより、日本料理店の売上は変わらない(むしろ宣伝による相乗効果により上がる)と考えられることから、市場の新規性要件を満たすと考えられる。


■売上UP要件


最後にあるのが売上UP要件です!
3~5年間の事業計画期間終了後、新たな製品の売上高が総売上高の10%以上となる計画を策定することが必要です。


新市場の要件のところでも示した通り、既存の売上が下がってはいけないので既存の売上も上がりつつ、その中で新製品の売上の割合が10%以上となるような事業計画を作りましょう!!


これで1つ目の類型「新分野展開」の説明は終了です!


②事業転換

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続きまして、事業転換の説明です!!準備はいいですか!?


「事業転換」とは新たな製品等を製造等することにより、主たる業種を変更することなく、主たる事業を変更することを指します!

この説明は後回しにして、まずは要件をみていきましょう!


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そう思ったあなた!朗報です!


「事業転換」の要件は先ほどの「新分野展開」のものとほとんど一緒です!


違うのは、売上の要件だけ!
その違いが「新分野展開」と「事業転換」との違いになってくるのです!


なので、まずは売上の要件を見てみましょう!


3~5年間の事業計画期間終了後、新たな製品等の属する事業が、売上高構成比の最も高い事業となる計画を策定することが必要です!


売上構成比??


先程の売上10%要件と何が違うのか?
図を活用しながら説明してみましょう!


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図をご覧になるとイメージがしやすいかもしれません。
売上10%要件の場合には、最大でなくてもいい。
1事業として売り上げのUPに貢献しているイメージですね。


一方で、売上構成比要件の場合には、何%でも良いが売上のうち最大の構成比になっている必要があります!


つまり、新しく始めた事業が一番の主力になるということ、それが「事業転換」をしたということになるんですね!


これが事業転換の要件でした!


③業種転換

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続きまして、業種転換です!


なんとこの「業種転換」の様々な要件は、先ほど説明しました「事業転換」のものと全く同じなんです!!


新たに覚える必要はございません!


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待ってください!
この2つの違いは「事業」と「業種」にあるんです!


ではその違いって何?
ここで活用するのが日本産業分類です!



日本標準産業では様々な仕事を、大分類・中分類・小分類と分けています。


例えば、大分類なら「農業」「建設業」「飲食店」など。


さらにそこから中分類へと。飲食店の場合だと、「一般飲食店」・「遊興飲食店(バー・キャバクラ)」など分かれます。


そしてそこからさらに小分類へ。飲食店の場合だと、「寿司屋」「そばうどん店」「ハンバーガー屋」など細かく分かれていきます。


それが「事業転換」と「業種転換」にどうかかわってくるのでしょうか?


以下の図をご覧ください!


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つまり、大分類に関わる部分を変更したら「業種転換」
中分類・小分類に関わる部分を変更したら「事業転換」


なのですね!


例えば、飲食店が運輸業を始めたら「業種転換」。
飲食店の中でも、寿司屋がハンバーガー屋を始めたら「事業転換」、


のような感じですね!


どちらがいいとか悪いとかありませんが、現実的に見ると、事業転換の方が今までのノウハウなどは生かせそうですよね。


一方で、「事業再構築」の観点で見ると、「業種転換」の方がダイナミックに変わっているので評価は高い、なんてこともありえるかも。


どちらにせよ、しっかりと事業計画を作りこむことが必要ですね!


④業態転換

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そして4つ目が「業態転換」!!5個目は残っていますが、ここさえ理解できればほとんど完了です!


なのでここの理解を最後乗り切りましょう!


まず、業態転換の説明は、製品等の製造方法等を相当程度変更することを指します。


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これは確かに「???」ですね!ですが、詳しく見ていけばそんなに難しくないのでがんばってください!


「業態転換」においては、基本的に「製造業」と「非製造業」とで要件が変わってきます!別々に見ていきましょう。


■製造業の場合■

業態転換に該当するためには、製品等の製造方法等が新規性を有するものである必要があります。この要件は、製造業・非製造業でどちらも共通の要件です。


製造業の場合ですとそのまんまですね!製品の製造方法に新規性があるもの。
では新規性って?それはこれまで見てきたような要件と一緒です。


✅過去に製造等した実績がない
✅製造等に用いる主要な設備を変更する
✅定量的に性能又は効能が異なる


製造方法においてもこの要件を満たす必要があります。


そしてその製造された製品についても新規性が必要なんです!
もちろん要件は同じ。


つまり、新しい製造方法で、新しい製品を作ることが、製造業において「業態転換」と認められるために必要なんです!


■非製造業の場合■

まずは、「製品等の製造方法等が新規性を有するものである」という要件を、非製造業に向けて解釈し直す必要があります。


非製造業の場合、サービスの提供方法に新規性があること、つまりサービスの提供方法を変えることが必要になります。


飲食店の場合を例にしてみると、お店でのイートインだけだったところがデリバリーを始めるような場合が該当になるのですね!


ただ、非製造業の場合も他の要件があります。
提供方法を変えた上で、以下のどちらかの条件を満たす必要があります。


●商品若しくはサービスが新規性を有する

例えばデリバリーを始めるに当たって、それに合わせて新商品を開発し、提供するような場合が該当になります!


せっかく新しい試みをするのだから、新しい商品を開発するのもいいですね!ちなみに新規性の要件は(ry


●既存の設備の撤去や既存の店舗の縮小等を伴うもの

または、設備の撤去や店舗の縮小を伴うものである必要があります!


例えば、テイクアウトを始める場合に、店の一部を改装し、商品置き場を作ったりだとか、店にドライブスルー用の小窓をつけるために改装したり・・・


設備の撤去を伴う必要があります。
そしてこの場合には、製品の新規性が求められていないのですね!


あれだけ口を酸っぱくして言われていた新規性が唯一無いものなんです!


テイクアウトやデリバリーを始めるだけでも手一杯。そんな飲食店さんには取り組みやすい類型かもしれませんね。


以上の2パターン。


サービスの提供方法を変えて

①新商品・新サービスを作る
②設備を撤去・店舗の縮小

どちらかをやることが必要になります!


分けて考えればそこまで難しくなかったでしょう?


後、売上10%要件があります!!
両方とも共通で、業態転換をすることで始めた事業が売上10%以上になることが必要です!


以上が業態転換です。


⑤事業再編

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そして最後の類型です!
それが「事業再編」です!


 「事業再編」とは「Ⅰ会社法上の組織再編行為等」を行い、新たな事業形態のもとに、「Ⅱ新分野展開、事業転換、業種転換または業態転換のいずれかを行う」ことを指します。


長々と定義されてますが、解説自体は難しくありません。


Ⅰ会社法上の組織再編行為等

合併、会社分割、株式交換、株式移転、事業譲渡 等を行うことです。



Ⅱ新分野展開、事業転換、業種転換または業態転換のいずれかを行う

これはすでに説明してきた①~④の類型のことですね!


合併や事業譲渡などに合わせて事業再構築をする。
これが事業再編ですね!


5つの類型のうち、一番難しそうですね!
ただ、組織再編をするタイミングであるならば、この事業再構築補助金に合わせて、取り組んでみても良いかもしれませんね!


まとめ

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いかがでしたでしょうか?


今回は事業再構築補助金の申請の要件である、「事業再構築指針」について説明をいたしました。


もう一度まとめますと、


①新分野展開
②事業転換
③業種転換
④業態転換
⑤事業再編


以上5つの類型に合致する必要があるのですね。


「①新分野展開」「②業態転換(非サービス業」あたりは申請しやすい類型なので、応募が偏るかもしれませんね。


「①新分野展開」→「②事業転換」に持っていける計画を描けるかを考えるといいかもしれません。


とは言っても無理のある計画はダメなので、自社のリソースを見つめ直し、しっかりとした事業計画を作りあげ、事業再構築補助金の申請につなげましょう!


まだまだ「審査のポイント」「事業計画の作り方」・・・などなど紹介すべきところは様々ございます!


ですので、これからも引き続きnoteにて発信してまいりますのでよろしくお願いします。


また、冒頭でも申しました通りTwitterもやっ
ております。興味を持っていただけましたら
フォローをお願いいたします。


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Twitterはもうすでにフォローしてるよ!
なんてお方!誠にありがとうございます。
そのお方に臨むことはございません!


ですが、もし補助金のことなどお困りのこと
がございましたら、公式LINEからお問い合わ
せください。


可能な限りお答えさせていただきます。


さらに、今は公式LINE登録特典としまして
小規模事業者持続化補助金の申請に使える
事業計画書のテンプレートも配布中!!


この機会にぜひご覧ください!


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今回は以上になります!次回は「事業再構築補助金の審査ポイント」について書いていきたいと思います。


読んでいただきましてありがとうございました!


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