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良質な睡眠で健康を保つ ミルク1/8時短術

育児中でも良質な睡眠をとるためのひとつの案をまとめておきます。まずは睡眠と健康のデータを育児観点でおさえていきましょう。

睡眠が不足すると死亡リスクが高まる


 人間は眠っている間に身体および脳の疲れを癒しています。健康な心身を維持するには約7時間の睡眠が適切と実証されています。

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 ですが新生児ママの約80%が平均睡眠5時間以下に留まっています。推奨される7時間には程遠い数字で体調の悪化が心配です。

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 とはいえ新生児は親の都合を加味できません。空腹でおよそ3時間おきに泣き叫ぶため7時間連続睡眠は現実的ではありません。ですから量の代わりに質を引き上げ体調を整える必要があります。

"ゴールデンタイム"を活用し睡眠の質を高める


 幸い睡眠には「入眠から2時間で著しい心身回復効果を得られる(ゴールデンタイム)」という性質があります。この性質を利用し睡眠の質を高めると良いでしょう。具体的には2時間連続で眠るということです。

 

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ミルクを時短し"ゴールデンタイム"の恩恵を受ける


赤ちゃんが空腹で泣くまでのインターバルを3時間と考えます。冒頭1時間以内にミルクの準備から授乳、ゲップ出し、哺乳瓶の片付けを終えれば残り2時間を睡眠に充て効率良く心身を休めることができます。うち授乳とゲップ出しのペースは赤ちゃんに依存するのでコントロールが効きません。そこで親がコントロールできるミルクの準備と片付けの時短に焦点を絞ります。

時短する工程を見定める


 ミルクの準備と片付けにかかる時間を計測しました。鍋で沸かしたお湯で200mlのミルクを作り煮沸消毒まで行った場合、総所要時間のほとんどを加熱関連の3つの工程で占めることがわかりました。これらを省略できれば大幅に時短できそうです。

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工程を省略できるか、安全性の確認


構成比の大きい下の3工程の時短を考えます。

<準備>  ①お湯を沸かす 

<片付け> ②お湯を沸かす ③煮沸消毒

①はポットやウォーターサーバーにお湯を常備すれば省略できます。 ②は安全性の観点から省くのに心理的な抵抗がありましたが、実は省略しても問題ないというデータが出ていました。先行研究でしっかりと洗剤で洗えば細菌を死滅させることができると報告されています。

『 日和見感染の原因菌である Escherichia coli、環境常在菌である Bacillussubtilisを哺乳瓶に付着させた後、種々の方法で洗浄・消毒しその効果を検討した。
(中略)
食器洗い用洗剤での洗浄後は細菌の検出はなかったが、(洗剤を使わない)ブラシのみの洗浄ではE. coliが1 ml中10~100検出された。』。(大分県立看護化学大学 吉留厚子)

食中毒を避けるためしっかり洗剤で洗うことがポイントです。そこで加熱工程を省く代わりに洗浄時間を長くとるミルク時短術を提案します。加熱を省くと増す食中毒リスクを、洗剤でしっかり洗うことで下げるわけです。この結果、所要時間が約1/8に減ります。出来た時間を睡眠のゴールデンタイムに充てるわけです。なお別途、念のため加熱消毒を1日1回、お昼にすると安心でしょう。米CDCにも推奨されています(「How to Clean, Sanitize, and Store Infant Feeding Items」)。

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まとめ



・毎回の加熱工程を省く
・哺乳瓶を洗剤でしっかり洗う
・(気になる人は)1日1回、加熱消毒する 


おまけ 食中毒を予防するために


 食中毒を予防するために押さえるべき点を羅列します。参考にしてみてください。

○乳児用調製粉乳の調乳に当たっては、使用する湯は70℃以上を保つこと。

→乾燥に強いサカザキ菌とサルモネラ菌がミルク粉に含まれている場合があるためお湯で消毒

○調乳後2時間以内に使用しなかったミルクは廃棄すること。

〇1日1回よだれふきを交換すること(哺乳瓶と違い忘れがちになります)

→雑菌の繁殖を防ぐ


親御さん達が余裕をもって子育てできますように。

らぼぺん

親御さん達が余裕をもって子育てできますように。 らぼぺん