フリー雀荘の裁定の話
今までで最も難しかった裁定🙇♂️
— 麻雀ウェルカム 八王子店 (@festahachiouji) March 8, 2020
親が五萬を切って三六萬待ちでリーチ
→南家が宣言牌の五萬をチー。
→しかし南家はさらし間違えて六五七とさらしてしまう。
→さらし間違えてる事に誰も気づかず、2巡後に西家が六萬が現物だと思って親リーチに放銃してしまう。
皆様はどう裁定しますでしょうか? pic.twitter.com/F6kRmu7W7p
かなり話題になっているこの裁定の話。
南家の晒し間違いが明白なのであればフリテンの裁定にはしなそうだな。
— 遊鳥ちゅん (@yutori_style) March 8, 2020
下家の副露って手で隠れてて見えにくいこともあるし、同巡の放銃なら違う裁定になるのかって考えると同様のケースで一貫性のある裁定をしづらいし揉めそう。
あくまでハウスルールとして南家の放銃扱いが一番丸い気がする。 https://t.co/OsyZR32RSr
ノーゲームにしてもフリテンチョンボにしても西家放銃にしても過失のあった南家にヘイトが向いてしまうから厳密なゲーム性よりも場の空気というかそういうものを優先したくなる。
— 遊鳥ちゅん (@yutori_style) March 8, 2020
厳密なルールを重視して一番過失の大きいプレイヤーをノーペナルティにして他のプレイヤーが割を食うとやらかした人も気まずいし、当然割り食った人は嫌な思いするから心情的に治めやすい落としどころを提示するほうが店として良い気がしてる。
— 遊鳥ちゅん (@yutori_style) March 8, 2020
昔は逆の考えだったけど麻雀のルールがそもそも文字数
先にツイートしたものだけど、僕の意見は大体こんな感じ。
最後の文字数制限のところを補足すると
「麻雀のルールがそもそも完全ではなくプレイヤーに審判を兼任させるシステムなので、その"場"の環境や、プレイヤーに求めるスキルレベルに合わせて臨機応変な裁定を下して良いのではないか。」
というような主張。
大前提としてこの手の裁定は場の決めである程度の一貫性があれば何も問題はないと思っているので曲解はしないで欲しいのだけど、店側はどういう客をターゲットにしているのかで考えて良いのかなと。
客は店を選ぶ権利があるし、フリーのシステムや麻雀というゲームの性質上、店もある程度は客を選ばざるを得ない。
客を選ぶっていうのは「誰を」ではなく「どういう客層を」尊重するかってこと。こんなのは当たり前なんだけど常連絡みだと意外と難しかったりするよね......心情的にも店の利益的にも。
まぁ場末ならなんでもありだけどね。笑
裁定に納得いかないときの話をすると、僕は長いこと店側で携わってきたので裁定時にゴネられるのは嫌だし、それもあって自分も極力ゴネないようにしている。
僕はフリテンロンの親チョンボだと思うけど、他の裁定されてもハウスルールだから納得するしかないよね。みんなに過失があるわけだし。
— 渡辺直之 (@jukunonabe) March 9, 2020
だから例え北家でチョンボ取られても払うよ。
ラス半にするけど。 https://t.co/TYbZps9TRM
まぁ北家でチョンボ取られたらさすがに僕はゴネてしまいそうだけど。笑
裁定に納得できなかったら多少ゴネるのも客の権利だと考えている。ただしゴネ過ぎると店側にも出禁にする権利が生じるので納得いってない旨を伝えて裁定理由を聞く程度に留めておくのが無難。
最終的にはこういうことだからね。
店が偉いんだ!店の裁定は絶対だ!
という話ではなく、すべての客に従ってもらうのが"場"を取り仕切る側の責務だよねってこと。
ここが崩れてしまうと一貫性のある裁定が難しくなるし、果ては客のパワーバランスで裁定が揺らぐようなことになりかねない。こうなると完全に場末。
別に場末の文化を否定するわけではなく、場末にしたくない店の強権行使に関して肯定的ってだけね。
冒頭で挙げた、"場"がプレイヤーに求めるスキルレベルの話にも触れよう。
今回のケースは競技麻雀では親のチョンボとなる。
最高位戦ルールでは、残念ながら親のチョンボです
— ぶし (@0okmn) March 9, 2020
第33条 指示牌
1 チー・ポン・カンの指示牌および指示方向を間違え、それを競技中に気付いた場合、全員が同意すれば訂正する。同意がなければ現状を正当として競技を進める。
2 未訂正中にトラブルが生じた場合は、現状を正当として処理する。 https://t.co/oRR3KiNXSW
この規定の本質は「①プレイヤーが各々審判を兼任している」ということと、メンバー歴長かったり責任者経験がある人は大体知ってる「②現状優先」という考え方。
まず②について。
これはとても大切な原則で、プレイヤー間で認識にズレがある状況ではこれに則って裁定を下すことになる。
今回のケースでいうと例えば南家が6mを鳴いたと主張している場合なんかがそうで、こうなると親のフリテンチョンボまたはノーゲームの裁定になることが多そうだ。
現状優先の規定を知っているとなぜノーゲームという選択になるのか疑問に思う人もいるだろう。
ここで問題になるのが"場"がプレイヤーに求めるスキルレベルだ。
親のフリテンチョンボを取るということは店として全ての客に「①プレイヤーが各々審判を兼任している」という"競技者"としてのスキルを求めることになる。
しかし、フリー雀荘の多くは競技としての麻雀よりも遊戯としての麻雀を重視している......と思う。
そのため「状況が不確定なのでノーゲーム。リーチ者は腑に落ちないかもしれないけど競技ならチョンボになるケースなので納得してね。」くらいの緩い裁定もアリかなと。
親にも過失はあるものの、点棒を支払う程のペナルティを科すのは遊戯としては厳しすぎるという理由。
フリーってドリンク飲むとき、注文するとき、煙草に火をつけたり来店があったりといったあらゆる瞬間に卓上から意識が逸れるから厳密な競技の場として成立させるのは難しいのかなと思う。
僕自身、昔は厳密な裁定を下すべきと考えていたけど、沢山のフリー雀荘を見て、色々なお客さんと接しているうちにより多くのお客さんが楽しめる場とは、みたいなことを考えさせられたりもして少しずつ考え方が変わってきた。
今の考えが正しいかは分からないけど、色々な考え方があるしそれぞれ大切にしたいものがあるだろうからそれは尊重していきたいなと思えるようになったのは自分にとってプラスなことだと思っている。
......北家でチョンボ取られたら尊重できないかもしれないけど。
イイ話にしたいわけでもないのでサッと話を戻すと、多くの客が楽しめる最大公約数的な線引きとは何か、延いては店の売り上げ期待値を高める裁定とは何か、について。
これに関しては冒頭のツイートでも触れたが、一番ヘイトが向きやすい人にペナルティを科すというのが丸いのかなと考えている。
一貫性のあるハウスルールが作れるなら、そもそも遊戯の場だし必ずしも競技のルールを遵守しなくても良いという前提で、麻雀のルール上発生し得ない点棒移動の特例を認めるのも場の治め方としてはアリではないか。
今回のケースだと一番過失の大きい南家にペナルティが科されないと少なからずヘイトが向いてしまう。微塵も「こいつのせいで......」とか思わないような聖人君子はなかなかいないだろう。
一方で南家の立場で点棒を支払う裁定をされてゴネる人はあまりいないだろう。言い方悪いけどそれでゴネる人ってあまり店にとって大切にしたい客にならないだろうし。
むしろ南家の立場でノーペナルティは気まずくて謝りながらラス半かける人も少なくないんじゃないかな......。僕がそうってだけかもしれないけど。
そんな感じで何かしらの蟠りが残ってしまうと卓は割れやすくなるし何より純粋にそのあとの時間を楽しめないんじゃないか。
という考えで南家の放銃扱いにしたい。
チョンボでなく放銃扱いなのは同様のケースで2000点の場合や倍満の場合でも余計な不満が出にくいかなと。
あとは西家と北家が点棒増えるのは違和感があるし満貫払いのルールだと親の位置によってはなんでそこが一番点棒増えるんだよってなるし......
競技のルールに則った裁定を望んでいる人が多そうな店なら親のチョンボで良いと思うけど件の店は低レートで初心者歓迎の店だから自分ならあんまり辛い裁定はしたくない。
因みに、店にも責任があるというモンスター発言をツイッターで見かけたが、低レート東南って卓単価が低いからメンバーを張り付かせるようなことは出来ないんだよね。立ち番を充実させられるくらいの単価があれば話は別だけど基本的に雀荘にそこまでのサービスを求めるのはやめたほうがいい。
もう一つ因むと、今回の元ツイートを読んだ上で「南家が晒し間違えたとは限らない」って話してる人、もうちょっと発信者の意図を汲んであげてって思う。笑
親と南家が晒し間違いと認識してて他家からも異論がでなければそれは確定情報として裁定するだろうし、そんな感じで晒し間違いが前提にある状況での裁定について聞いてるんじゃないの......
まぁTwitterなんて流し読みしてテキトーにリプしただろって感じのクソリプ多いからどうでもいいけど。
この記事書いてて思い出したんだけど、そういえば以前にも裁定の話を記事にしてたから暇な人は誤「ォオン」の話だけでも読んでください。
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