夕陽の光と青空を濃くして青春アニメ風の都市風景にする
こんにちは、Yutoです。RAW // レタッチの比較投稿は好評をいただいており、おかげさまでTwitterのフォロワー数は20000人から50000人に増え、2022年10月には投稿がきっかけで単著「バズる!写真編集術」を出版するに至りました。
そこで、Twitterで自分がいつもやっているRAW//レタッチ投稿を他の人の写真でやってみようという「RAW // レタッチ解説企画」を始めることにしました。
今回はサンプル写真ということで、自分の写真を使って解説記事を書きます。
この写真は夕陽の暖色を強くし、空と雲のコントラストをはっきり出すことで、青春アニメのような幻想的な夕景に仕上げます。
ここからは詳しい手順を解説していきます。
全体の明るさと色味を調整する
明るさを調整する時に気をつけたいのが太陽周りを白飛びさせないことです。この時太陽自体は白飛びしていても良いです。
露光量やコントラストを上げると白飛びしやすいのですが、ハイライトを下げることで階調が戻ってきます。
それに加えて明るいところ(夕陽の光を反射している窓や地面など)を少し暗くすることでオレンジ色を鮮やかに出します。
暗い部分はシャドウを上げて全体的に明るくするものの、黒レベルを下げて濃い黒のところは引き締めます。シャドウと黒レベルはどちらも同じようなパラメータに感じますが、微妙に違うのです。
明瞭度とかすみの除去を使って、空のくすみを薄くします。
夕陽が照らす色を濃くする
暖色を強くして夕陽が照らす光の印象を強くします。
カラーグレーディングとHSL/カラーを使います。
カラーグレーディングは明るいところだけを調整するハイライトを暖色にふります。
HSL/カラーではオレンジ色だけを若干赤に寄せて夕陽っぽい色にするとともに彩度を上げて鮮やかにします。
太陽周りを明るくする
太陽周りを白飛びさせないようにハイライトを抑えましたが、ここでもう一度明るくします。
円形グラデーションで太陽周りを囲みます。
ぼかしを大きくして明るくした部分がナチュラルに溶け込むようにします。
かすみの除去をマイナスにふることで、もやっとしたエフェクトがかかり太陽のまぶしさを表現できます。
青春アニメのような空にする
青空を濃くして青春アニメに出てくるような空を演出します。
かすみの除去、カラーグレーディング、HSL/カラーを使います。
空、特に青い空を濃くしたいので上半分はしっかり効果がかかるようにマスクします。
かすみの除去をプラスにふることで、空がくっきりとし濃い青色が出てきました。
次に青色を濃くします。ポイントは彩度を上げるのではなく輝度を下げて紺色のような空にすることです。
さらにカラーグレーディングのシャドウに青色を乗せていきます。
そうすることで夕陽の暖色(ハイライト)と、青空+陰になっている寒色(シャドウ)で色の対比ができるので写真にメリハリが生まれます。
歩道の賑わいを出してアクセントにする
左下に複数人が歩いているのを見せて賑わいを出します。そうすることで都市風景に温かみが出ます。
円形グラデーションで歩道をざっくり囲みます。通行人以外にも夕陽が挿しこんでいる様子も見せたいので、若干広めにマスクしました。
露光量を上げて全体を明るくするとともに、ハイライトを上げて夕陽の光をさらに強調します。
明瞭度を上げることで被写体のディテールがはっきりと浮かび上がります。
以上で完成です。
今回のワンポイント
白レベル・ハイライト・シャドウ・黒レベルの違いを解説します。
似たような要素を持つパラメータですが、厳密には以下のような違いがあります。
・白レベル…写真の最も明るいところを調整
・ハイライト…写真の明るいところを調整
・シャドウ…写真の暗いところを調整
・黒レベル…写真の最も暗いところを調整
使用例としては入道雲のレタッチの時に、白飛びしないようにハイライトを下げるけど、雲の一番明るい部分だけは白飛びギリギリの明るさにしたい時に白レベルを上げたりします。
反対に陰の中など写真の暗いところのディテールを見せたいけど、黒自体は引き締めたいという時に、シャドウを上げて、黒レベルを下げるといったような使い方ができます。
この法則を知ると明るいところも暗いところも見せたうえで、コントラストはしっかり保てるので写真にメリハリがつけやすいです。
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