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植物育成ライトAMATERASに1万2000円の価値はあるのか

自宅で観葉植物を育てているが、日当たりが悪い部屋なのでライトを使用している。しかし、徒長(光不足で茎が伸びる現象)が起きており、今のライトで大丈夫なのか、と疑って調べたことを書く。

なぜ光不足を疑っているのか

さきほども書いたが、徒長が起きているので光不足を疑っている。

徒長というのは、次のような現象をいう。

  • 茎が異常に長くなり、細く弱々しい。

  • 葉の間隔(節間)が長くなる。

  • 葉の数が少なく、小さくなることがある。

  • 全体的に植物の強度が低下し、倒れやすくなる。

具体的には、セロームとモンステラの茎が異常に長い。ベンジャミンも最初と比べて葉の枚数がかなり減ったので、光不足かもしれない。(これに関しては葉水を怠ったことが影響している可能性があり、どちらとも言えない)

植物は十分な光を受け取るために、光源に向かって茎を伸ばす傾向がある。特に光の強度が不足している場合や、適切な光のスペクトル(特に青色)が不足している場合に、この現象が顕著に現れるらしい。

そのため、ライトを替える or 増やしたほうが良いのでは、と考えた。

徒長したセローム

今使っている2種類のライト

今使っているライトは以下の2つ。

BRIM(ブリム) SOL 24W

  • PPFD値: 656μmol m^-2 s^-1

  • 照度: 39,600 lux

  • LED素子直下距離約40cmでの数値

NEO AMATERAS LED 20W

  • PPFD: 406μmol m^-2 s^-1

  • 照度: 18,050 lux

  • 全光束: 2098 lumen

  • 照射距離40cmでの数値

ちなみに値段は、BRIMが3000円、AMATERASが1万2000円だった。

ライトの説明に書かれている指標の意味

PPFDという見慣れない指標が載っていたが、これは`Photosynthetic Photon Flux Density`の略で、「1秒あたりに1平方メートルの面積に到達する光合成に有効な光子(光量子)の数を表す単位」らしい。ようするに、植物育成ライト専用の指標なので、知らなくても無理はない。

ついでに照度(Lux)と全光束(Lumens)の違いについてもメモしておく。全光束(Lumens)は光源から放出される光の総量のことで、照度(Lux)は実際の面に到達する光の量(1平方メートルあたりのルーメンの数)である。照度が大きいと、人間の目は明るいと感じる。

植物育成においてはPPFDの値が最も重要で、一般的な植物では200 ~ 400くらいの光を必要とする。うちにあるBRIMとAMATERASは、どちらもこの基準を満たしている。

ちなみに太陽の直射日光はPPFD約2000、曇りの日は50 ~ 100程度らしい。

植物に必要な波長

ざっくりいうと赤色光と青色光が植物には必要である。

  • 赤色光(620 ~ 750nm)植物の花や果物の成長を促進する

  • 青色光(450 ~ 495nm): 植物の葉の成長を促進する

調べると、このように書かれていた。

さきほど植物育成ライトの性能指標としてPPFDが重要と書いたが、さてPPFDの定義に書かれていた「光合成に有効な光子」とは、具体的にどの範囲の波長なのか、気になるところである。

以下のサイトによると、400 ~ 700nmの波長範囲の光を指すらしい。

植物ライトはPPFDと色で選べば良さそう

波長の範囲が書かれてないじゃないか、と憤っていたが、どうやらPPFDの値に注目すれば良いらしいことがわかった。PPFDで定義されている光合成に有効な光子の範囲は広いが、人間が見たときに極端に赤色や青色でなければ、この波長範囲の光をバランスよく含まれていると考えて良いだろう。

AMATERASに1万2000円の価値はあるのか

うちには2種類のライトがあるが、さきほど書いた通り値段が全然違う。BRIMが3000円、AMATERASが1万2000円だったが、PPFDは安いBRIMのほうが大きかったので、ショックを受けている。買うときは、それほど真剣に調べず、レビューを参考にした。

違うとしたら、光のスペクトル組成である。ライトの色を比べると、AMATERASのほうが青っぽい光であることがわかる。AMATERASの公式サイトでも、青っぽい光が特徴と書かれている。

うちで徒長を起こしているセロームとモンステラは、どちらも安いBRIMの光を当てている。AMATERASの光を当てている植物で、徒長を起こしているものはない。ライトとしての性能の差だとすれば凄い。しかし、偶然だと思っている。

AMATERASの光
BRIMの光

植物育成ライトの電気代は無視できる

植物育成ライトの商品ページを見ると、やたら光の強さをアピールしているので、さぞかし電気代がかかるのではないか、と心配になる。しかし、毎日使っていても無視できるほど低コストなので、心配は不要である。

電気代はワット数に比例する。AMATERASの場合は20Wなので、1日12時間 * 31日間使用した場合の電気代は、次のように計算できる。
※ 電気料金単価を27円/kWhとした場合

0.02kW * 12h * 31day * 27 円/kWh = 200.88円

計算すると、1ヶ月の電気代はおよそ200円程度だった。

まとめ

植物育成ライトを選ぶときはPPFDの値が大きいものを選ぶのが良い。一般的な植物は、200 ~ 400くらいの光を必要とする。

徒長の原因がライトにあるのかは、今のところわからない。PPFD値で判断すると、特に問題はなさそう。AMATERASを当てている植物で徒長が起きていないのが偶然でないとすれば、青色光の不足が徒長の原因ということになる。ライトを買うとき、人間が青っぽく感じるものを選べば良いのだろうか。

光源と植物の距離や角度には、実はけっこう改善の余地がある。しかし、手間がかかるので、これによって徒長の問題が解消するという確信がないと、なかなか思い切れない。


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