見出し画像

覚醒したい

何かに。ある日突然。

いや、別にそんな特別なものじゃなくていいんだわ。

2cmほど浮くとか

逆立ちした方が速く走れるとか

なんかそれくらいで。

この期待値の恐ろしいところは、自分には元来眠れる能力があり、これを解放することで力を得ることができる、という発想です。

そもそもそんなものはない。

能力というのは、できないことができるよう繰り返し繰り返しトレーニングを行い、やっと成長し、その先にもまだまだトレーニング漬けの日々。

そうやって手に入れるものであって。

逆立ちでの移動速度をあげたいなら上腕部の筋トレから始めるべきだし、
2cm浮きたいならまずは1mm以上を2秒間継続して浮けるようになるべき。

ある日突然、目が覚めたら腕がムキムキの状態でやや浮いていた、という状態を期待するのは間違いです。

自分に対する過度の期待は、精神に負荷をかけてしまいます。
覚醒しないことに気をもむあまり不安定になり、体調を崩し、やがてそんな自分を変えようと男は筋トレを始める。

筋トレは男性ホルモンの分泌を活性化し、トレーニングの効果が上がるだけではなく、自信に繋がり、エネルギッシュになり、女にモテ、やがて札束の風呂にドンペリを添えたものが発生する。

筋肉こそ全て。圧倒的な力の前に人々は畏れおののき、王と崇める。
逆立ちで100mを9秒フラットで走り、常時2cm浮いている。

そんな王に支配され、人々は怠惰な生活を送ることに慣れてしまうのです。

かくして、この平和な国は平和という病に冒され、文明は衰退する。

これはいけない。

筋トレの危険性がおわかりいただけたでしょうか。

Uber Eatsに鶏肉とブロッコリーの専門店があり、気になったもので。

筋トレは正しい目的を持って行っていただきたいものです。

決して浮遊を目的とせず、逆立ちで全力疾走しないと誓った上で。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?