カンボジア日記第98号(言葉で伝わりきらない良さ)
សួស្តី!
今日の午前中は体育の授業がないので、
ナガワールドU15の選手に呼びかけ、自分の学校でトレーニングを行いました。
カンボジアでは、生徒が午前と午後に別れて登校する2部制の学校が多くあるため、学校や試験で参加できない選手もいますが、半数の12人が集まりトレーニングを行うことができました。
選手のレベルとしては日本の15歳、16歳と比べてしまうと低いです。その要因としてサッカーの基本的な原則を学んでいないことが大きいと感じます。
ボールホルダーにプレッシャーがかかったら、サポートは近づく?離れる?
そのポジションだと相手やゴールは見える?
といった小学生年代で学んでおくべき原則に取り組んでいる段階です。
選手たちは集中力を切らすときもありますが、熱心に指導を聞いてくれ、理解できた選手はクメール語でチームメイトに伝えるといったコミュニケーションも生まれています。
自分のクメール語が拙いこともあり、全て伝わりきらないこともあるのですが、このことがチームにとって良いのかなと感じるときもあります。
自分は教え魔なところがあり、日本では1から10まで指導してしまうようなこともありました。
しかし、それでは選手の余白も奪ってしまいます。
現在の指導環境ですと、伝えたくても伝えきれないので大事なとこだけピックアップし、単語を把握しながら指導している状態です。
良いプレー、求めたいプレーが起きたときも具体的に瞬間瞬間で褒めることが難しいので、よりオーバーにジャスチャーと声量で褒めています。
そのため、選手も私のリアクションやどんなプレーでチームメイトが誉められているのか感じとっているような手応えがあります。
選手とお互いに試行錯誤しながら擦り合わせている感覚を持つことができるのです。
もちろん、大事なことを伝えられず、うまくいかないこともありますが、伝えずに余白を作ることの大事さを感じることができています。
異文化の中でサッカーの指導をするという自分が取り組んでみたかったことを、
このような素晴らしい環境で取り組めていることに感謝しながら木曜日の練習も頑張りたいと思います。
※レベルは全く違いますが、外国人指導者として感じることを岩政監督が触れていたので興味深く読むことができました。
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