(個人用)大学院想定問答集 9/1

大学院2次試験である面接(口頭試問)対策の一環として、毎日最低3つの想定問題を考え、それに対する自身の回答を示していく。

①計画書の中では「統計モデルの差異」という点に触れています。回帰不連続デザインのほかにどのようなモデルが存在しうるか教えてください。

 はい。回帰不連続デザインのほかには、例えば、付加価値モデルを挙げることができます。付加価値モデルとは、教員が受け持った生徒が一定期間にどれほど能力が向上したのかという点を数値化して分析する方法だと理解しています。教員がもたらた教育効果の評価にも活用が期待されているとのも聞きます。ただし、点数の向上が本当に教員がもたらしたものであるのか、あるいは何かしらの政策を実行したことによる効果なのか、といったことが不明瞭になりかねないという点が課題であると思います。

②計画書の中で、労働経済学分野の研究の一つであるHarald and Henning (2020)を例示した理由を教えてください。

 はい。私が想定するような外国人が特定の集団に与える影響に関しては、教育経済学よりも、労働経済学分野の研究蓄積が豊富であると理解しています。Harald and Henning (2020)は、文化的多様性に満ちた環境ではクリエイティブな発想が生まれやすいというメリットがある一方で、言語的なコミュニケーションの壁が原因で、労働生産性が低下することを明らかにしています。こうした労働分野における諸研究の結果が、より年齢の若い教育分野でも成り立つのか、あるいは異なる結果が得られるのかについて関心があります。教育経済学は、経済学の中でも比較的新しい分野であり、研究蓄積が十分でないといえるかと思います。そのため、こうした労働経済学の分野もウォッチしながら研究を進めたいという点を強調するために、同研究の例を出させていただきました。

③研究に関わるデータが集められなかった場合は、「メタアナリシス」の実践を試みるとのことでした。ただし、これは容易な手法であはありません。データが集められず、メタアナリシスも難しいとなった場合は、どうしますか。

 大学院の入学まではまだ時間があります。そのため、自身の関心に繋がるような研究を、どのような手法を持って実現できそうか、あらためて再検討したいと考えます。ただ、我が国の教育政策に関心のある私にとっては、「教育に関わる研究が思うように出来ない」というのも重要な経験であると考えています。なぜなら、将来私が行政官となった場合、学術政策に関与する可能性もあります。意識の高い学生が、データ取得が上手くいかずに研究が進められないというのは、学術的知見を発展させる上で、大きな課題だと言えます。こうした問題に対し、自身の経験を踏まえながら、学術政策の立案や規制緩和に関わることができることが期待できるという意味で、自身の研究が思うようにいかないということも、一つの貴重な学びの機会だと考えます。以上のように、データが集められず、なおかつ代替案のメタアナリシスの実現も難しいとの結論に至った場合に備え、まずは今のうちからプランCを検討しておくことにします。それでもうまくいかない場合もあるかもしれません。その場合は「日本の教育政策研究を行う上でのデータ収集の課題」をテーマに、自身の研究活動の挫折を、むしろ新たな研究テーマとしていきたいと思います。

本日は以上です。
それではまた明日!

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