第94回選抜高等学校野球大会出場校予想

センバツ高校野球2022出場校予想

○一般選考

・北海道 出場枠…1

 クラーク記念国際(北海道)

初めて秋の全道大会を制したクラーク記念国際が初となる春の甲子園切符をほぼ手中にしている。
初戦で、甲子園優勝経験のある強豪・駒大苫小牧を破り秋の全道大会初勝利を挙げるとチームは勢いに乗り、北海・立命館慶祥・東海大札幌・旭川実といった並み居る実力校を破って初優勝。
チームの軸となるのは左腕の山中・右腕の辻󠄀田の左右2枚看板。ダブルエースがリズムを作り、全道大会では5試合で4失策と堅守も光った。打線は日替わりでヒーローが生まれ、粘り強い戦いを見せた。


・東北 出場枠…2

 花巻東 (岩手)
 聖光学院(福島)

秋季東北大会決勝進出の2校がセンバツ切符を確実なものとしている。
初めて秋の東北王者となった花巻東は、強力打線が看板。怪物・佐々木麟、田代がどっしりと座る3・4番は全国トップレベルのパワーを誇る。
岩手大会で防御率8点台と苦しんだ投手陣は東北大会に入り奮起し、4試合で7失点と安定した。萬谷・菊池・工藤らの投手陣を攻守の要である田代主将がリードする。
4年ぶりのセンバツ出場が確実な聖光学院は、絶対的エースに成長した右腕の佐山が粘り強い投球を見せ、初戦・準々決勝・準決勝と好投した。
打線の核となるのは主将で1番を打つ赤堀。頼れるキャプテンが聖光打線を牽引する。

 
・関東&東京 出場枠…6
 
 明秀日立  (茨城)
 山梨学院  (山梨)
 木更津総合 (千葉)
 浦和学院  (埼玉)
 國學院久我山(東京)
 二松學舍大附(東京)

関東大会の上位4チームと都大会を制した國學院久我山がセンバツ切符を確実なものとしており、6枠目は都大会準優勝の二松學舍大附が選出とみる。
地元・茨城で開催された関東大会で初優勝を飾った明秀日立は、関東大会3試合で4発の強力打線に犠打やスクイズなど、「硬軟織り交ぜた野球」で勝ち上がった。
投げてはエース、打ってもクリーンアップの猪俣が投打ともに安定した成績を残し、関東制覇の立役者となった。
関東大会準優勝の山梨学院は上位から下位まで打線の切れ目がなく、秋の公式戦9試合で86得点を記録した。特に1番を任された鈴木は関東大会で17打数11安打と打ちまくった。
投げてはエース右腕の榎谷が初戦で自己最速となる143㎞/hをマークするなど好調で、一冬を越えてさらなる進化にに期待が高まっている。
関東大会ベスト4の2校は好対照なチームだ。
木更津総合はエースの越井とキャプテンで捕手の中西がチームの大黒柱。気合を前面に押し出す投球スタイルの越井は準々決勝でセンバツ連覇を狙う東海大相模相手に1失点で完投勝ちした。
関東大会では「守り勝つ野球」で4強入りしたが、千葉大会で1番の山田が4試合連続で本塁打を放つなど打線も爆発力を秘める。
浦和学院は森大・新監督が掲げる「超攻撃野球」を体現し、埼玉大会決勝で花咲徳栄相手に10得点、関東大会でも初戦の向上戦で7得点を挙げるなど打線の好調さが際立った。
昨夏の甲子園でも登板したエース左腕の宮城は勝てばセンバツ当確ランプが灯る桐生第一との準々決勝で完封勝ち。宮城とは対照的な、ストレートで押すタイプの右腕・金田も控える。
37年ぶりに秋季都大会を制した國學院久我山は、決勝で9回2アウトから2点差をひっくり返しセンバツ切符を掴み取った。
軸となる投手が不在の中、旧チームからの経験者が多く残る打線は都大会6試合で打率5割4分5厘を記録した斎藤らが引っ張る。
あとアウト1つのところから都大会優勝を逃した二松學舍大附も昨夏の甲子園を経験したメンバーが多く残り、実戦経験の少ない中決勝まで勝ち上がってきた。
主将でエース左腕の布施がチームを牽引する。


・北信越 出場枠…2

 敦賀気比(福井)
 星稜  (石川)

敦賀気比と星稜。近年の北信越の高校野球界を引っ張る2校にとって初となる「センバツアベック出場」が濃厚だ。
福井大会3位から各県の1位校を次々と撃破し、秋の北信越を連覇した敦賀気比は主将でエースで4番の上加世田がチームの大黒柱。
星稜との決勝では11安打されながらも要所を締める投球で完封勝ちした。中学時代からバッテリーを組む渡辺は攻撃も引っ張る。
北信越大会準優勝の星稜は、2019年夏に同校を選手権準優勝に導いた林和成監督が今春3月で勇退。林監督と挑む最後の甲子園となる。
沖縄出身のエース・マーガードや1年制右腕の武内ら投手陣の仕上がり具合が上位進出へのカギとなる。


・東海 出場枠…2

 日大三島     (静岡)
 聖隷クリストファー(静岡)

東海大会の決勝を戦った静岡県勢2校が順当に選出か。静岡県勢のダブル出場は1986年以来、36年ぶりとなる。
38年ぶりのセンバツ切符を初となる東海大会制覇で花を添えた日大三島は、兵庫・報徳学園で18度甲子園出場に導いた永田裕治監督が指揮を執る。
エースで4番の松永が引っ張るチームは、秋季大会で一ケタ背番号をつけた9人のう5人が1年生と、伸びしろ十分。
東海制覇を逃すも、初となる甲子園出場が濃厚な聖隷クリストファーは逆転に次ぐ逆転で勝ち上がってきた。
東海大会初戦後に離脱したエースで主将の弓達が復調すれば、初となる大舞台でも台風の目となる可能性も。


・近畿 出場枠…7

 大阪桐蔭 (大阪)
 和歌山東 (和歌山)
 天理   (奈良)
 金光大阪 (大阪)
 京都国際 (京都)
 東洋大姫路(兵庫)
 近江   (滋賀)

例年以上に選考が難航しそうな今回の近畿地区。準決勝に進出した4校の選出は確実で、神宮大会枠を含む残りの3枠を準々決勝惜敗の京都国際、優勝した大阪桐蔭相手に善戦した東洋大姫路、地域性で近江が選出されるとみる。
2年連続秋季近畿大会準優勝の雪辱を果たし、更には神宮大会で初優勝を飾った大阪桐蔭は4試合31得点2失点と圧倒的な力で近畿を制した。
優勝に大きく貢献したのは1年生左腕の前田。背番号14ながら近畿・全国の舞台で好投した。女房役の松尾は攻守の要。
近畿大会初勝利から勢いに乗り、初の甲子園切符を確実にした和歌山東は突出した選手は不在も、機動力などを絡めた泥臭い野球で並み居る強豪を次々と打ち破り準優勝。
エースのサイド右腕・麻田は最速134㎞/hながら打者の芯を外す巧みな投球が持ち味で、和歌山大会では昨夏甲子園を制した智辯和歌山撃破に大きく貢献した。
天理は奈良大会3位からの出場も、滋賀学園・市和歌山と近畿大会常連校を破っての4強入り。
エースの南沢は近畿大会で2試合連続完投勝ちするなどチームの準決勝進出に大きく貢献。昨春センバツの4強入りを知る戸井らが引っ張る打線も勝負強い。
2009年以来のセンバツ出場を確実にした金光大阪は、府大会から接戦をものにして勝ち上がってきた。準々決勝の近江戦では最大6点のビハインドを跳ね返した。
快進撃の原動力となったのはエース・古川と主将で捕手の岸本。旧チームから組むバッテリーが軸となり、久しぶりの甲子園でも旋風を巻き起こせられるか。
昨夏の甲子園で4強入りしたメンバーが数多く残る京都国際は、準々決勝で敗退も実力は十分。
旧チームからエースで主軸の森下は健在で甲子園でも登板した平野、リードオフマンの武田、三塁から捕手に転向した辻󠄀井らタレント陣を揃える。
甲子園に何度も導いた藤田明彦監督が今春3月に勇退する東洋大姫路は兵庫大会3位からの出場も、初戦で昨夏甲子園準優勝の智辯学園を破り、しぶとく8強入り。
エース右腕の森は智辯学園戦で8安打を浴びるも要所を締めて完封勝ち。準々決勝でも大阪桐蔭打線を相手に粘投した。
昨夏の甲子園で大阪桐蔭を破るなどして4強入りした近江は、壮絶な打ち合いになった社との初戦を制するも、準々決勝で金光大阪に逆転負け。2戦通して投手陣の乱調が目立った。
甲子園4強の立役者でもある山田がケガの影響もあり登板できなかったことも影響しているか。その山田は打線も牽引する。


・中国&四国 出場枠…5

 広陵 (広島)
 広島商(広島)
 高知 (高知)
 鳴門 (徳島)
 倉敷工(岡山)

近畿地区同様、難航必至な中国・四国地区。中四国大会で決勝に進出した広陵・広島商の広島勢2校と高知・鳴門の選出は確実。
残る1枠を中国大会4強の岡山学芸館・倉敷工の岡山勢2校、四国大会4強の明徳義塾・徳島商の2校が争う構図。
徳島商は四国大会準決勝でコールド負けしているという点から選出は厳しいとみる。明徳義塾は高知大会で四国王者の高知に勝利も、四国大会では打線が沈黙し鳴門に惜敗。岡山勢2校は岡山大会決勝で対戦し、倉敷工が完封勝ちしている。
以上の点等を比較検討の上、岡山大会優勝・中国大会4強入りの倉敷工が選出されるとみる。
投打がガッチリ噛み合い3年ぶりに秋の中国を制した広陵は神宮大会でも4強入りし、準決勝では大阪桐蔭と激戦を演じた。
中国大会3試合零封勝ちの投手陣を引っ張るのは右腕の森山。全4試合で先発し自責点2に抑えた。打線も和製「ボンズ」こと1年生の真鍋や内海など、好打者が揃う。
広島1位で中国大会に進み、決勝まで勝ち進んだ広島商は機動力が売り。足を使った攻撃で何度もビッグイニングを演出した。
堅守も光り、二塁送球1.85秒を切る強肩捕手の松浦が浴口・神野らの投手陣をリードする。
9年ぶりに秋の四国を制した高知は、準決勝で「140キロ超カルテット」擁する徳島商相手に15安打を浴びせコールド勝ち。決勝でも鳴門相手に初回から得点を重ね7点を挙げた。
ディフェンスでは、野手も兼任する山下・高橋・川竹らの投手陣を西野が巧みなリードで牽引する。
9年ぶり9度目のセンバツ出場を確実にしている鳴門は徳島大会で好調だった打線が四国大会に入り低調も、エース左腕の冨田が奮投しロースコアの接戦を制しての準優勝。
四国大会を通じ22回を投げ防御率0.82の冨田に続く投手の育成と打線の強化が全国上位進出へのカギとなりそう。
22年ぶりに秋の岡山大会を制し、中国大会では準決勝に進出した倉敷工は「攻めて攻めて攻めたぎる」のスローガン通り打線が魅力的。
中日・福島章太の弟でもある福島が中国大会で13打数9安打と打ちまくった。投手陣も高山・近藤など、計算できる投手を複数擁する。


・九州 出場枠…4

 九州国際大付(福岡)
 大島    (鹿児島)
 有田工   (佐賀)
 長崎日大  (長崎)

九州大会で4強入りした4校が順当に選出されるとみる。
初めて秋の九州を制した九州国際大付は全国屈指の強力打線が売り。九州大会では準々決勝から3試合続けて満塁本塁打を放った。1年生4番・佐倉は花巻東・佐々木、広陵・真鍋らと肩を並べる注目のスラッガー。
投手陣もエース左腕の香西や本職は捕手の最速146㎞/h右腕の野田など、充実している。
地の利も生かして大応援団と共に決勝まで進出した大島は投げては最速146㎞/h、攻撃面でも高い出塁率を残した左腕の大野が大黒柱。
1週間500球の球数制限の影響で大野が長いイニングを投げられない状況の中、準決勝の有田工戦では前山・武田の継投策が成功するなど2番手以降の投手陣も大舞台でしっかりと結果を残した。
佐賀県勢としては2007年以来となる一般選考でのセンバツ出場が濃厚な有田工は、エース右腕の塚本が九州大会初戦・準々決勝と2試合連続で完封し大舞台への切符を手繰り寄せた。
打線は6番を打つ上原や7番の北川が九州大会で合わせて4打点を挙げるなど、下位打線が活発。
長崎2位から九州大会に乗り込んだした長崎日大は、小林秀峰・佐賀商と各県の1位校を次々と破っての4強入り。逆転勝利で勝ち上がった。
初戦で本塁打を放った松尾、九州国際大付との準決勝で一時逆転となる適時打を放った白川、右腕の種村、左腕の川副など軸となる選手たちが甲子園でも実力を発揮できるか。


~おまけ~
○21世紀枠 出場枠…3
・札幌国際情報(北海道)
・倉吉総合産 (鳥取)
・大分舞鶴  (大分)

まずは東日本の選考。近年、北海道大会上位常連の札幌国際情報が悲願の甲子園出場と予想。
続いて西日本。大分大会で明豊と壮絶な点の取り合いを演じ、続く九州大会でも決勝に進出した大島と降雨引き分け再試合の激闘を演じた大分舞鶴が選出と予想。
最後に3枠目。中国大会でエース左腕・伊藤の粘投が光り、優勝した広陵相手に中盤まで接戦を演じた倉吉総合産が選出と予想。

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