#4 地域ネコにおける共生政策の難しさ

今回は、地域ネコとの共生政策について記したい。
※地域ネコとは
→地域の理解と協力を得て、地域住民の認知と合意が得られている、特定の飼い主がいない猫です。その地域に合った方法で、飼育管理者を明確にし、飼育する対象の猫を把握するとともに、フードやふん尿の管理、不妊去勢手術の徹底、周辺美化などの地域のルールに基づいて適切に飼育管理し、これ以上数を増やさず、一代限りの生を全うさせる猫を指します。
(浜松市動物愛護教育センターホームページ引用、環境省住宅密集地における犬猫の適正使用ガイドラインより)

きっかけは、毎週やっている地域の公園のゴミ拾いだった。たまに、ネコのフードが皿に入って公園に置いてあるのは気付いていた。良いことではないんだろうなと思いながら、餌をあげている現場を見ている訳ではないので行政に報告した所で行政側も困るだろうなと思っていた。

そんな中、私にとっては大きな出来事があった。毎週のごみ拾いで公園のゴミ拾いも行うのですが、その公園を歩いていたら異臭がする。
そこには、野良ネコにあげたと思われるスーパーで買った刺身用のイワシが買ってきたパックごと開けておいてあったのだ。(100円の2割引のイワシ)
賞味期限は、4日前に切れていてハエがたくさん群がっていた。

そこを通る住民の気分、興味から幼児が触ってしまったら…と考えたらとりあえず行政に伝えようと思った。(勿論、魚はゴミとして回収)

浜松市野良猫との共生推進協議会への電話で得た情報

●公園での猫の餌やりは原則禁止。
●地域ネコとは、自分の敷地内の室外で世話をするネコという理解が基本。公園で地域ネコを日常的に生活させることはいけない。
●公報やPR活動が行き届いていないことが現状

公園管理事務所への電話でした私からの要望

●生魚が放置されることは公衆衛生の観点からも良くないので、公園に啓発活動表示を作って欲しい。
→看板がなければ設置する。(事務所の方)

地域ネコの共生政策は、環境省もアクションプランのようなものを提示している。ざっと調べる限り、浜松市の地域ネコに対する政策は相対的には良い政策だと考える。
しかし、問題点がない訳ではない。

浜松の地域ネコ政策の課題
①避妊助成金の予算が尽きてしまうこと
→これは地域ネコとして敷地内で面倒を見ようとした親戚が市に問い合わせた所、予算がなくて来年度にしか出来ないと言われたという相談や予算の上乗せが市で行われていることからも分かる課題だ。
②公報やPR不足
→限られた人的資源と財源で公報やPRを充実させることは至難の技。電話で情報提供してくださった方もこの課題については言及していた。

全国的に避妊費用の課題がある
浜松市の場合、市民負担6000円程度で不妊手術を受けられる。助成がない自治体では2万円程かかる。しかし、そもそも飼育管理者が家の敷地内で地域ネコの餌やふん尿の管理をするという制度設計(事務所の方のお話による)では集合住宅の住民は対象外、公園に日常的にいるネコだってこの枠組みに入っていないということになる。ということは、公園にネコが日常的にいること事態が問題で、公園にいるネコは保護して、飼い猫として譲渡するか、地域ネコとして敷地内で面倒を見てくれる管理者に渡すしか選択肢がない。では、誰が保護するのか。保護する人が市民であれば去勢負担しなければならない?、市であればどうやって保護するの?ボランティア団体が最も保護しやすいアクター?等々様々なことを考えるととても難しい問題だと思う。

浜松市が改善したい所
①不妊助成金をしっかりと需要があれば提供できる資 金確保
→地域によって助成金の有無、程度は様々だが浜松市 は相対的に良好な助成制度。しかし、掲げる目標が 高いからこそ途中で資金不足になり、サービスが提 供できない事例もある。寄付を募る&財源を増やし てもらうという単純だけど難しい方法しかないと思 うが、年度末でも要望があれば応えられる体制づく りに努めて欲しい。
②PRや公報活動の充実
→PRや公報活動と財源確保の募金を掛けて何かアク  ションを起こすことができればいいのではないかと 思う。

最後に
地域ネコたちは空から降ってきたわけではない。元々は飼い猫だったり、飼い猫の子どもだったりする。だから、この問題を生み出したのはネコではなく人間。自分は捨ててない、猫を飼ってない。そういう人には迷惑な話だろう。でも、猫の立場になったら、人間に購入されて面倒を最後まで見てくれなくて捨てられて、なんとか必死に生きようとしている状況で人間から非難を受けるのは心外だろう。
まずは、この問題を知ること。まだ、私もこれといった解決法は見出だせてないが考えることは大切。

電話に丁寧に応じてくださった2人の市の職員の方、ありがとうございました。

そして、

拙い長文を読んで頂きありがとうございました。

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