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人を助けて空回りする人

私たちは、なぜ巻き込まれるのか?

Involved Person (IP)(インボルブド パーソン)の世界

巻き込まれ心理ケア R 商標登録6361060

はじめに

 この記事を読んでくださっている方、ありがとうございます。とても、うれしく思います。また、題名にピンときたあなたは、良識を備えていると考えられます。

 せっかくのご縁ですから、これから、これまでお聞きになったことがないであろうお話からさせていただきます。

 本編は、自立、依存、約束、受け入れることなど、日常的に見聞きしている言葉、そして、よく起こる人間関係での困りごとを題材にしています。

 それとともに、「巻き込まれる」という、心理学的な現象を解説することに多くのページを割いています。

・出会い頭に交通事故に巻き込まれた
・友人の借金問題に巻き込まれた
・恋愛問題に巻き込まれて、とばっちりを受けた
・家族の病気に巻き込まれて、ゆううつになった
・他者の仲介をしていたら、いつの間にか、自分が巻き込まれていた

など、「巻き込まれる」という言葉自体は、何気なく使っている日用用語です。
 しかし、心理的に巻き込まれていると言われると、たいていの方は、意味が分からないでしょう。

 実は、人と人が関わる時、軽く巻き込まれる体験は、ほとんどの人は経験をしていることです。すべての人といっていいくらい、人は心理的な巻き込まれに関する経験をしています。にもかかわらず、それが、「巻き込まれている」ことを意識していないことが一般的です。

 その理由は、心理学的に「巻き込まれる」という言葉の定義が、曖昧模糊として、定まっていないため、議論や問題解決の俎上(そじょう)に載せられていないからです。

 では、なぜ、巻き込まれの概念漠然としているのでしょうか?

 心理的な巻き込まれは、論文やインターネットを閲覧すると、検索サイトに引っかかりますが、その言葉の中核的な意味を理解することができません。「巻き込まれ」とは、曰く言い難し、という宙ぶらりんで曖昧になっているニッチな言葉だからなのです。

 そのため、この記事では、前半で、その本質を事例と論理で分析し、以下のように定義しました。

 それは、「巻き込まれるとは、他人の問題が自分の問題になること」です。この定義で解釈すると、専門家だけでなく、言語能力に長けている一般の方にも議論される言葉となります。この定義を使うことにより、言葉の周囲をなぞることなく、直線的に切り込んだ議論と問題解決に向かうことができるのです。

 そういう意味では、本稿は、「巻き込まれ」の定義を明確に定めた初の解説となります。そして、その定義に沿って、予防策および解決策を提示しています。

(注意:「巻き込まれ心理ケア R 商標登録6361060」は、書籍だけでなく、インターネット媒介を含めた商標登録を取得しています。著作権も有しています。引用する場合は、出所(著書、著者名)を明らかにしてください。)

 この心理は、家族関係、友人、知り合い、恋人など、親しい人などでしばしば引き起こされます。
 心理学に興味のある方にも、関心を持ってもらえると思います。

 また、医療従事者や福祉関係の方は、「人を助けること」が仕事なので、常に巻き込まれに遭遇する危険性を有しています

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・一生懸命働きかけているのに、感謝ではなく、苦情を言われる
・よいと思ってやった行為が裏目に出る
・やればやるほど、泥沼に入っていく

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 このように、人の手助けをする業界で悩んでいる方々には、これまで見いだせなかった問題解決を促す提案であると考えています。
 といいますのは、まさにその業界で悩んでいる方を診療して、記事の一部を提示するだけで、随分、心が軽くなっている事例を多く経験しているためです。

 私は、国立大学医学部を卒業した後、精神科医療に30年以上携わってきましたが、「巻き込まれ心理学」を発見したのは、今から20年以上も前のことです。以来、人を助けたいと思い、巻き込まれて疲弊した職員を対象に院内講義を行ってきました。

 しかし、この度、一般の人だけでなく、心理学に興味のある方や専門家にも知っていただき、知見を深めて、人間関係を楽にする一助にしたいと考えたのです。

 本稿は、専門書ではなく、一般の方が内容を理解しやすいよう、大学のゼミという設定で会話形式にしています。間抜けな講師のキャラは、半分は私で、残りの半分は架空の設定です。
 また、登場人物に個性を持たせ、解説本でありながら、軽いストーリーを持たせています。
 さらに、雑学やトリビアを入れ、飽きが来ない構成となっています。

 第1部では、巻き込まれやすい条件を探りながら、その定義を見いだした過程を説明します。
 第2部は、巻き込まれることによって、正常な人間関係のあり方が壊されていく過程と理論を説明しています。
 第3部以降は、巻き込まれることを防ぐ方法と解決策、そして、事例を踏まえた考察を入れています。

 目次を見ると、抽象的な言葉が並んでいるようにみえますが、家庭でも使えるやり方やルールの事例もあり、気楽に読むことができます。
 そして、読み進んでいく内に、あなたは、知的な感覚を体感することでしょう。

 ご縁あって、読んで下さった方のお役に立つことを願うしだいです。


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