ひとり

いつの間にか一人でいることに慣れてしまって、誰かと一緒に何かをするということに面倒くささを感じるようになってしまった。友達と遊ぶことですら少し面倒くさい。遊ぼうと予定していたことがなくなった時に喜びを感じてしまうほどになっている。
彼女ももうしばらくできていない。はじめのうちは、人に縛られる生活も疲れるし彼女とか作らずにいようという気持ちでいた。彼女って遊ぶのにもお金かかるし、そんなお金はないし、今は自分のことで精いっぱいだから遊ぶ時間を作る余裕なんてない。だから、「あえて作らないスタイル」を自分に設定していた。
でも、彼女いないときが一年、二年、と過ぎ猛烈に彼女が欲しいときも経験した。そのときにマッチングアプリを入れてみたりもした。だが、俺に彼女はできなかった。どうやら、自分はモテないんだということに気付いてしまった。あえて彼女作らないスタイルをとらなくても自然に過ごしていても俺に彼女はできない。いつからかモテない体質になっていた。体質が変わるという表現が正しいかはわからないが、もともとモテ体質でもなかったが、俺はモテないのだと自覚してしまった。今まで「俺はモテすぎちゃうから、あえて坊主にした」とか「一人がいいから」と彼女いない理由を作っていたが、答えはシンプル、俺はモテない。
「モテすぎちゃうから坊主にした。」これは結構ウケると思って、いろんな友達に「なんで坊主にしたん!?」って聞かれたときにこたえていたけど、全然ウケなかったのは、俺がモテてないからだ。
別にモテたいわけでも彼女が欲しいわけでもない。でもモテない体質であったということは認めたくない。そもそもそんな体質なんてないと思うし、自分で言いだしたのだけれど、今までの過去の発言のすべてが見当違いであったかのような心地がしていたたまれない。いたたまれない。変な日本語ですね。

こんなことを言っているが、俺は今誰かの愛を感じたいだけなんです。ただむらむらしてるからセックスがしたいだけなんです。どれだけ強い人のふりをしていようと人間なんてこんなもんです。
一人の時間に自分と向き合うと、今まで目を背けて来た見たくない自分と遭遇してしまいます。みんなそんな見たくない自分と遭遇しないために、忙しく友達と遊んだりメッセージを送りあったり、人生に何の意味も持たないであろう動画を見あさったりします。
見たくない自分と向き合うのはつらいけど、俺は魅力的な人間になりたいです。魅力的な人になって、魅力的な人とセックスがしたい。人間なんてこんなもんです。

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