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スケート競技普及と発展

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スケート競技の普及を担う者⑥最終回:競技普及における最も重要なキーマンとは?

スケートの魅力競技者は未経験者からは生まれません。経験し、その魅力に触れることで競技者は生まれます。 では、スケートの魅力を初心者に一言で伝えるとすると何でしょうか?指導者はそれを言語化出来なければなりません。子供達もその親もスポンサーも必ずそれを問うて来ます。 スケートがもっと身近になるかも?氷上への入り口を広げることで、スケートを楽しむ者が増える。楽しむ者が増えれば競技者が増える。競技者が増えればそれを観て楽しむ者も増える。スケートそのものの楽しみ方のバリエーションが

スケート競技の普及を担う者⑤:そもそも普及がゴールではない。

普及のその先そもそもスケート界にとって普及がゴールではありません。普及の先に強化があり、それら2つを果たした上での発展が僕たちの目指すべきゴールです。発展とは、端的に言えば市場の拡大と文化の繁栄です。 普及と言う横軸と、強化という縦軸を広げ、全体の面積を広げることが目標となります。 日本のスケート界は頂点が高く底辺が極めて小さい二等辺三角形世界屈指のスケーターを有する日本ですが、フィギュアスケートとスピードスケートを合わせた競技人口はアメリカのそれに比べて30分の1以下。ア

スケート競技の普及を担う者④全く平等ではないスケート界への入り口

平等なのはリンクに立ててからスケートを始めるまでの子供たちは、エントリーに至るまで全く平等ではない。平等なのは、練習環境を確保出来て、スケート靴を入手し、練習出来る状態になってからであって。その権利を得られる者は国内においてもごく一部。まだまだ少ない。そこに至るまで多くの子供たちが諦めざるを得ないのが現状です。 普及の第一歩は現場から 前述①〜③を踏まえて取り組むことでスケート普及は実現可能だと信じています。 特定地域限定、特定施設限定の競技において本質的な競技普及は、行

スケート競技の普及を担う者③競技人口はスケートリンクの数や少子化に比例しない。

競技人口はスケートリンクの数や少子化に比例しない。近年スケートリンクは減少しつつありますが、今後のさらなる競技普及を実現することは不可能ではないと思っています。競技人口の減少は、単純に施設の減少や少子化が原因ではありません。また、スケートリンクや体験会があっても、前述の3つの要素が欠けているケースが多々あります。 昔に比べて減っているのは、スケートリンクの数以上に、練習出来る時間と教えてくれる人、そして流通しているスケート靴の数。よくある3つの事例を紹介します。 ①スケー

スケート競技の普及を担う者②スケート教室の役割と責任

体験会と教室の違い体験会は、その面白さを伝えることが目的であると思っています。 知ってもらったり触れてもらう手段として最も手軽な方法です。仮設のスケートリンク等どこでも実施可能で、未経験者にとって大きな入り口となります。 僕も実際にアイスホッケークラブご協力のもと、アイスホッケー体験会を何度か実施しましたが、参加してくれた子供達はそれまで知らなかったアイスホッケーの楽しさに触れることが出来ました。 ただその後、保護者から必ずいただく質問があります。 「アイスホッケーは

スケート競技の普及を担う者①スケート教室をやれば競技普及が果たせるわけではない。

スケート普及に必要な3つの条件 単純に体験させるだけでは競技普及につなげることは困難だと思っています。 競技普及の条件は、競技活動が日常の中で定着化すること。 定着化には、反復出来ることが条件となります。 つまり、下記3つが欠かせません。 ・アクセス可能なエリアにリンクがあり、且つ練習可能な時間帯があること。 ・常に教えてくれる人がそこにいること。 ・スケート靴が入手可能または用意されていること。 スケートのように「スケートリンク」という特定の場所に活動が限定された競