グランプリ静岡直前:レガシー環境まとめと青白奇跡解説!

私はレガシーが好きだ。

《渦まく知識/Brainstorm》が好きだ。
《思案/Ponder》が好きだ。
《意志の力/Force of Will》が好きだ。
《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》が好きだ。

そして何よりも《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》が大好きだ。


マリット・レイジが一撃で20点のライフを奪うのが好きだ。
1ターン目に《グリセルブランド/Griselbrand》から14ドローするのが好きだ。
《血染めの月/Blood Moon》《虚空の杯/Chalice of the Void》で何もできなくてもまた一興。
《不毛の大地/Wasteland》一発で負けるのは初手キープがぬるい。

太古の強力な呪文と、近年の強クリーチャーの組み合わせ。カードプールの広さから、苦手な相手にも何かしら回答を用意できる。
全てのフォーマットの中で、私はレガシーが一番好きだ。

レガシーで開催されるグランプリ静岡まで、あと少し。
参加する方はそろそろデッキを決め、これから細部の調整に入るというタイミングだろう。
今回の記事では、現在のレガシーの主要デッキを分析しつつ、自身で使う青白奇跡の解説をして行こう。

目次
■主要デッキ把握
・グリクシスデルバー
・スニークショー
・オムニテル
・Death and Taxes
・グリクシスコントロール
・赤黒リアニメイト
・ANT
・土地単
・BG Depths
・赤単プリズン
・発掘
・青赤デルバー
■青白奇跡解説
■個別カード評価
■採用を悩んだカード


■主要デッキ把握
・グリクシスデルバー

《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》からの《不毛の大地/Wasteland》、そして《目くらまし/Daze》。
このデッキのブン回りはどのデッキにも勝てるポテンシャルがあり、多少相性が悪くても何とかなってしまう。禁止カードを2つ出されてもなおトップメタのデッキだ。

《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》の禁止はこのデッキに2つの変化をもたらした。
1つ目は土地の増量。もともとデルバー系デッキは《不毛の大地/Wasteland》除く青マナが規定値より少し不足している(1ターン目に確実に青いカードをプレイしたいなら16)
なおかつ黒マナ・赤マナともに12ずつ。これも少し足りていないので、単純に土地を19に増やすのはマナベースの安定のために必要だ。
《血染めの月/Blood Moon》を考えて《島/Island》を1枚入れているリストもあるが、上記の通り色マナがカツカツなのでおすすめしない。

2つ目は能動的な1マナアクション、つまり手札破壊だ。
これは《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》との兼ね合い、《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》を早く出すなどの理由もある。
ただ《思考囲い/Thoughtseize》は複数引くとデスタク戦やミラーマッチで敗因にもなるカードなので2枚。

コンボデッキ全般に強く、土地単や赤単プリズン、青白奇跡を苦手とする。


・スニークショー

《グリセルブランド/Griselbrand》《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》のコストを踏み倒すデッキ。
最近は1マナドロー12、《呪文貫き/Spell Pierce》4というリストが一般的になってきた。
《全知/Omniscience》を入れることで対コンボデッキや対ミラーマッチで勝つターンが1ターン早まるので、2枚は採用したい。

除去を抜きすぎるとサイド後《秘儀の職工/Arcane Artisan》が触れずあっさり負けるので、触る手段を2枚程度は用意しよう。
《紅蓮破/Pyroblast》《赤霊破/Red Elemental Blast》が腐らないのでベストアンサー。

・オムニテル

スニークショーより優れている点
→《カラカス/Karakas》などのクリーチャー対策を受けにくい。
→《実物提示教育/Show and Tell》後そのターン中に《火想者の予見/Firemind's Foresight》からの《蟻の解き放ち/Release the Ants》で勝てる。

スニークショーより劣っている点
→《実物提示教育/Show and Tell》への依存度が高いため対策されやすい。

同系統のデッキではあるが、サイドボーディングは少し異なる。
スニークショーに《外科的摘出/Surgical Extraction》はサイドインしないがオムニテルには入れる。
《実物提示教育/Show and Tell》への依存度が高いデッキなため1回捌いて《外科的摘出/Surgical Extraction》すればかなり有利にゲームを進められるからだ。《直観/Intuition》でサーチしてきた後に《外科的摘出/Surgical Extraction》も有効だ。


オムニテルは《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All(CHK)》が1-2枚は入っているので、打ち消しに頼りすぎるとあっさり負ける。土地破壊や手札破壊も併用しよう。

《狡猾な願い/Cunning Wish》から《裂け目の突破/Through the Breach》でのエムラシュートはもう一つの勝ちパターンなので、サイドに1枚は必ず採用したい。

・Death and Taxes

マナ拘束しながらクリーチャーで場をコントロールする。どちらかと言うとビートダウンではなくコントロール。
苦手だった《コラガンの命令/Kolaghan's Command》デッキが減り、マリットレイジやスニークショーが増えてきたことで《カラカス/Karakas》が強く、メタゲーム上のポジション良し。

最近は《護衛募集員/Recruiter of the Guard》からのサーチ用に《歩行バリスタ/Walking Ballista》を採用したリストが多い。
ミラーマッチで《ルーンの母/Mother of Runes》をプロテクション無視して除去できるし、小回りの効くカードなのでおススメ。

青白奇跡やグリクシスコントロールには《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》が一番勝てる。
《大変動/Cataclysm》はエルドラージ系に1枚あると大逆転できる。


・グリクシスコントロール

《コラガンの命令/Kolaghan's Command》《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》の循環で最も遅く、最もアドバンテージを取るコントロール。青白奇跡やデスタクに強い。
《壌土からの生命/Life from the Loam》デッキ全般と、エルドラージ系デッキが厳しいので何かしら特殊地形対策が欲しい。
《血染めの月/Blood Moon》は自爆する可能性もあるので悩みどころだ。
《基本に帰れ/Back to Basics》との比較になるが、《血染めの月/Blood Moon》はデルバー系に「出せば勝ち」となる点が優れている。


・赤黒リアニメイト

レガシーで最速のコンボデッキ。
1ターン目に《暗黒の儀式/Dark Ritual》→《思考囲い/Thoughtseize》→《納墓/Entomb》《再活性/Reanimate》からの《グリセルブランド/Griselbrand》という最強ムーブがあり、このブン回りに対抗できるデッキはほとんどない。
最強ムーブがあるぶん、噛み合わない初手でマリガン率も高いデッキだ。しかし甘い初手キープをするよりは、ダブルマリガンしてでも2ターン目までにリアニメイトできる手札を目指したい。

今回紹介するのは、マジックオンライン上のレガシーリーグで最も勝っているプレイヤー、OlleRさんのデッキリストだ。


《墓所のタイタン/Grave Titan》は墓地対策が増えるサイド後に6マナ素出しプランを取りやすく、《カラカス/Karakas》で戻されないのも強み。
《Lake of the Dead》で3ターン目に6マナ出すことも可能だし、《暗黒の儀式/Dark Ritual》絡みで意外と出せる。

赤黒リアニメイトに当たったら、かなり厳しくマリガンをした方が良い。
私は赤黒リアニメイトに当たった時、特にサイド後は「0マナ妨害+1マナ妨害」or「1マナ妨害2種類」という初手でなければマリガンという自分ルールを決めている。
相手から1回は手札破壊が来る前提で上記の手札をキープしないとすぐに2ターンキルされてしまう。《外科的摘出/Surgical Extraction》2枚でキープして《陰謀団式療法/Cabal Therapy》されて負けたこともあるくらいだ。


・ANT

《島》→《思案/Ponder》《渦まく知識/Brainstorm》というのはレガシーで良く見られる光景で、コンボかコントロールかは判別できない。
しかし《島/Island》→《定業/Preordain》だったら「コンボかも知れない」と考える癖をつけておこう。
《島/Island》→ドロースペルは「相手のデッキに《不毛の大地/Wasteland》が入ってなさそう」というサインでもある。

ANTもグリクシスデルバー同様、《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》禁止により手札破壊は何でも抜ける《思考囲い/Thoughtseize》が優先されるようになった。
《難題の予見者/Thought-Knot Seer》《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》など、《強迫/Duress》では抜けないものも対処できるからだ。

ANTに当たった時に悩むのは相手の《暗黒の儀式/Dark Ritual》《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》を打ち消すタイミングだ。
相手の手札5枚以上での《暗黒の儀式/Dark Ritual》は打ち消した方が良い。その後に続く《強迫/Duress》から《意志の力/Force of Will》を抜かれてコンボスタート、となるからだ。

ANTを対策するときは、「打ち消し」「手札破壊」「ヘイトベアー」「エンチャント・アーティファクト」の4種類中2種類以上を織り交ぜていくと、相手が対策しにくくなる。
打ち消し過多だと手札破壊される的だし、逆に手札破壊過多だと《炎の中の過去/Past in Flames》に弱くなるので注意。


・土地単

《罰する火/Punishing Fire》でコントロールしながら《暗黒の深部/Dark Depths》《演劇の舞台/Thespian's Stage》によるコンボでマリット・レイジ爆誕を目指すデッキ。
デルバー系、エルドラージ系、グリクシスコンなど特殊地形が多いデッキに対して《不毛の大地/Wasteland》連打で勝ちやすい。
またその他の《壌土からの生命/Life from the Loam》デッキに対しても《踏査/Exploration》《マナ結合/Manabond》の差分で少し有利。

相手のをコピーしても爆誕します。

ミラーマッチやBG Depths戦では、うかつに《暗黒の深部/Dark Depths》を出すと相手に《演劇の舞台/Thespian's Stage》を起動されてマリット・レイジが爆誕してしまう。
自分が爆誕させる場合以外は出さないように注意。

《The Tabernacle at Pendrell Vale》の効果は「アップキープに1マナ払わないと破壊」なので、マリット・レイジトークンはマナを払わなくても破壊不能なことを覚えておこう。

サイド後《壌土からの生命/Life from the Loam》に《外科的摘出/Surgical Extraction》されやすいが、サイクリングランドがあればスタックで発掘してかわす事が出来る。
土地単側が良くやるアクションなので、《外科的摘出/Surgical Extraction》するならフルタップのタイミングを狙いたい。

盤面を展開してこないコンボ、ANTやスニークショーを苦手とする。また基本地形の多い青白奇跡の《相殺/Counterbalance》《基本に帰れ/Back to Basics》も苦手なので、これらを見れる《紅蓮破/Pyroblast》は2枚以上採用したい。

・BG Depths

土地単よりもコンボスピードに特化した、《暗黒の深部/Dark Depths》《演劇の舞台/Thespian's Stage》でマリット・レイジ爆誕を目指すデッキ。

《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》が無いと初動遅れがちなので1マナ手札破壊は6枚が良い。手札破壊→《闇の腹心/Dark Confidant》のパターンも作りたいため。

デスタク相手は《カラカス/Karakas》《剣を鍬に/Swords to Plowshares》《ちらつき鬼火/Flickerwisp》《不毛の大地/Wasteland》全部キツく不利なので対策を多めにとった方が良い。
特に上記3つを無効化できる《頑強な決意/Steely Resolve》はぜひ採用したい。


・赤単プリズン

アンチ1マナ、アンチ特殊地形。
《血染めの月/Blood Moon》《虚空の杯/Chalice of the Void》でロックしている間に速やかに勝つカードが必要で、
これまでは《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》だけだった部分が《軍勢の戦親分/Legion Warboss》の追加によってデッキが安定し、一段階強化された。
《実験の狂乱/Experimental Frenzy》も青白奇跡、グリクシスコンなどの《罠の橋/Ensnaring Bridge》が弱いマッチアップの消耗戦で輝く。

サイドの《難題の予見者/Thought-Knot Seer》の無色マナのために《ラムナプの遺跡/Ramunap Ruins》《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》のどちらかを採用する必要がある。
《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》の方がデッキを勘違いさせやすく、《死の影/Death's Shadow》対策も兼ねているので《ラムナプの遺跡/Ramunap Ruins》より良さそうだ。


・エルドラージポスト

青白奇跡やグリクシスコンに強く、スニークショーや土地単が苦手。
《血染めの月/Blood Moon》《基本に帰れ/Back to Basics》が大の苦手なので、出されても動けるように《荒地/Wastes》を《ヴェズーヴァ/Vesuva》でコピーする場合もある。


これらの対策で《コジレックの媒介者/Kozilek's Channeler》を採用するバージョンもある。


・発掘

実はここ最近、マジックオンラインのイベントでは頻繁に勝っている。
最近は《戦慄の復活/Dread Return》をサイドに落とした《通りの悪霊/Street Wraith》型が主流。《陰謀団式療法/Cabal Therapy》+大量のゾンビトークンで押しつぶす形。

《外科的摘出/Surgical Extraction》をサイドインする相手だが、うかつに発掘持ちを対象にプレイすると《通りの悪霊/Street Wraith》サイクリングでかわされるので注意。
《ナルコメーバ/Narcomoeba》《イチョリッド/Ichorid》の2種類を《外科的摘出/Surgical Extraction》すると極端に攻め手が無くなるデッキなので、撃つならそちらを優先しよう。

発掘を使う側も当然《外科的摘出/Surgical Extraction》はケアするし、サイドにはそのための《沈黙の墓石/Silent Gravestone》もある。
墓地対策は《外科的摘出/Surgical Extraction》だけではなく、《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》《安らかなる眠り/Rest in Peace》といった「全追放」も一枚採用しておくと安心だ。


・URデルバー

グリクシスデルバーを、妨害要素を火力にしてバーン寄りにした構成。打消しを使うバーンと言っても良い。
《危険因子/Risk Factor》により後半の粘り強さを手に入れた。

URデルバーや赤バーンと当たった時は、《発展の代価/Price of Progress》を常に頭に入れて基本地形を並べたり、《不毛の大地/Wasteland》を自分に起動できるように意識しよう。


他にも色々なデッキがあるが、使用数の少ないものは割愛する。
まとめると今のレガシーの環境を定義しているのは、

《渦まく知識/Brainstorm》
《意志の力/Force of Will》
《不毛の大地/Wasteland》
《虚空の杯/Chalice of the Void》

この4つが特にカードパワーに秀でていると思う。
デッキ構築をする際にも、この4つは常に頭に入れておかなければならない。


■青白奇跡解説
さて、以上を踏まえて私がグランプリ静岡で使用するのは青白奇跡だ。
青白奇跡を使用する大きな理由は3つある。
それぞれ解説していこう。

①除去の質が最良。

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グランプリ静岡直前:レガシー環境まとめと青白奇跡解説!

YUTA TAKAHASHI

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カードゲームの元祖、Magic the Gathering(MTG)のプロプレイヤー。 国内大手通販「晴れる屋」で6年間価格設定を担当し、膨大なカード知識&値段知識を持つ。 2018年9月に退職。今後はMTGの戦略や、カードの賢い買い方などを記していく予定。

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