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"期待"という諸刃の剣〜期待するのをやめる〜


あなたは誰かに期待していますか?

それは自分ですか?

それとも周りの誰かにですか?


ONDAYS社長の田中修治さんが書いた
「大きな嘘の木の下で」という本に
このような一文がありました。


僕は、人に期待しないようにしている。
社員に期待しない。取引先に期待しない。
奥さんにも子どもにすら期待しない。


この文だけを抜き取ってしまうと
冷たい人のように感じますが
実際はそうではありません。

田中修治さんは

「人に期待する」という感情は、
自分の弱さの裏返しで、自分の不安を
人に押し付けてしまうことではないのか

と考えているそうです。

この文を見た時に
僕自身も「たしかに」と考えさせられました。


これをサッカーに落とし込んで考えると

「〇〇君が活躍してくれるはず!期待!!」

と思うようなことでしょうか。


自分のできないことを
周りに期待してしまうことは
『一方的な予測』
であって、

勝手に期待をして
もし自分が望んだ期待値より下だった場合、

「なんでそれができないんだよ!」

と失望し、
マイナスの感情が湧くだけだと思います。

これは期待された側もいい迷惑ですよね。


だからこそ
ONDAYSの田中修治社長は
「基本的に何も期待しないようにしている」
そうなのです。

お店に視察に行く時も
「社員はみんなサボってる」
と思って行くそうで、

だからもし本当に社員がサボっていたとしても
「やっぱりな!」と思って
そこまで苛立ちをみせずに
冷静に注意することができるとのこと。

また、
期待していないことで
いつも通りの「いらっしゃいませ!」や
テキパキ動いている姿を見ると
嬉しくなるそうなのです。


よくよく考えてみても
自分が苛立ってしまう時って
周りへの期待が原因であることが多い
ような気がしました。

「なんで助けてくれないんだよ...」

「なんでそのパスに反応できないんだよ..」

etc...

これらも
「〇〇してくれるはず!」
という自分の一方的な予測から
生まれたものですよね。

自分の期待通りにならなかったことで
負の感情が沸いてしまうぐらいなら
いっそのこと周りに期待しない方がラク

ということを感じました。


そして、
この考え方は色々なところに
応用できると思います。

誰かにプレゼントを渡す時も
「喜んでくれるだろうな!」
と思って渡したのに
反応がイマイチだったら
少しイラッとしちゃいますよね。

それに実際に喜んでくれても
それは「期待どおり」であって
期待以上の喜びはない
と思います。

であれば
「自分があげたいからプレゼントする。
もし喜んでくれれば嬉しいな。」
ぐらいがちょうどよくて、

それで相手が喜んでくれたなら
より嬉しくなりそうですよね!


ただこの「期待しない」ということで
勘違いしてはいけないのが、

「期待しない」=「信じていない」ではない。

ということです。

田中修治さんはあくまでも
周りのことを心から信じているけど、
期待しない方が精神的にラクだし
結果的にもうまくいくと言っていました。


僕には
「会社を成長させたい」
「売り上げを100億にしたい」
.... という目標がある。
ただ、
それは社長である僕が思っているだけのことで、
僕が一方的に言っているだけだ。
だから、
僕は自分の力で実現しようと思っている。
そこで
「社員が期待したように
成果を出してくれないから
うちの会社は大きくならないんだ!」
と怒るのはお門違い。.... 単なる甘えだ。
誰かが手伝ってくれようが
手伝ってくれなかろうが、
自分のやりたいとは自分でやる。

ということも言っていました。

たしかに
周りに「期待する」ということは
それ以上のものを自分勝手に
相手に要求していることだけでなく、
責任を他人に転嫁している

という意味合いもありますよね。


周りに「期待をする」ことは

「俺が上手くいかないのはアイツのせいだ!」

という逃げ道を作るということ。


そういえば、僕はそれが嫌で
数年前から神頼みや運任せをやめました。

初詣にも行っていませんし
ゴミ拾いをしたら運が貯まる
とも思っていません。

「これだけやっているのに
なんで神様や運は味方してくれないんだよ...」

という逃げ道を作らないためです。

ゴミを拾うのは
街が綺麗な方が気持ちいいからであって
ただの趣味。

自分が上手くいってないのは
神様のせいではなく自分の力不足。

そう思うように意識してきました。

ただ、
この本を読んだ時に、
まだまだ細かいところで
周りに期待していた自分がいたことを
痛感しました。


自分にとって間接的なことであっても
何か上手くいかなかった時の第一声は、

「なんでそれができないんだよ!」

よりも

「ごめん!
俺がもっとこうしてあげれば良かった!」

というように
他人に期待せず、
「全ては自分の責任!」と
自分にベクトルを向けた方が
結果的にも成長できそう
ですよね!

ということで

最後に他人への期待には2種類ある
という話を書いて終わりたいと思います。


"2種類の他人への期待"


他人への期待について考えていると
2パターンあるような気がしました。


1.自己欲求に繋がる期待
→周りに期待して、それが実現したら
自分の欲求も満たされる期待

これは上記で話していたようなことで、

プレゼントを渡した時に
期待通りの反応だったら
自分の承認欲求が満たされるとか、

サッカーの試合のPK戦で

「〇〇選手なら決めてくれはず!頼んだ!」

というように
自分の想いを他人に託すような期待で、
上手くいったら満足感を得られるみたいな。


2.応援型の期待
→相手の良い未来を願い、期待する

これは自分の利益を考えずに

「お前には期待してるぜ! 頑張ってな!」

というように
ほぼ応援と同じような意味の期待です。


個人的に思ったのが
自己実現に繋がる期待はしない方が
気持ち的にもラクだけど、
応援型の期待に関しては
時と場合によっては使った方が良い

ような気がしたことです。


自己実現に繋がる期待は
上記でも書いたように、
自分の期待通りにいかなかったら
マイナスな感情を生むだけ
なので
あまりしない方がいいと思います。

しかし、
応援型の期待というのは
相手を苦しめる時もありますが、
力になる場合もある
と思っています。


例えば
周りの人たちから
「お前には期待している!」と言われて
プレッシャーを感じる時ってありませんか?

せっかく期待して応援してくれているのに
それが受け手の精神的な足枷になっていたら
もったいない気がします。


じゃあその時に
どうすればいいのかと言ったら
言葉のニュアンスを変える
ということを1つ提案したいと思います。


例えば
「期待しているぞ!」
ではなく
「頑張って!」に変える。

「期待しているぞ!」と言われた側は
どれだけ自分が頑張っていたとしても
相手が期待してくれている基準に達しなければ
満足してもらえないので
精神的な負荷も高くなる
と思います。

だから伝える側が
「頑張って!!」と言ってあげた方が
周りに認めてもらうためのハードルが下がり、
基準が「自分なりに頑張ること」に変わるので
気が楽になりやすい
のかなと思いました。

(そもそも
他人に認めてもらうためにサッカーをするな!
っていう話なんですけど
意外とサッカー選手は繊細だと思っていて、

上手くいっている時は全然気にしないし
「期待しているぞ!」
という言葉が力になります
が、

調子が悪い時に限って
周りの目が気になってしまう
気がするので、
ちょっとした気の利いた伝え方が
大事な気がしています。)


また、個人的には
「頑張って!!」という言葉も
できるだけ使わないようにしています。

なぜなら
たぶんみんな頑張っているし、
その頑張っている人に対して
さらに「頑張って!」というのは
酷な気がしているからです。

だからできるだけ僕は
「楽しんで!!」
と伝えるように意識してみてます!

という話は置いといて、


あとは
応援型の期待を使っていい場合は、
身近ではない憧れの存在からの時
だと思っています。


あなたのメンターのような
身近ではない憧れの存在から、

「期待してるぞ! 応援するね!!」

と言われたら嬉しくないですか?

「よし! 頑張ろう!!」

というように
力が湧いてくる人も多い気がします。


しかし、
この時のポイントは
伝える側と伝えられた側の距離感が
遠ければ遠いほどいい

ということです。

もし憧れの存在であっても
身近ですぐに連絡が取れるような人だと、

無意識にその人の目を気にしてしまい、
「期待がプレッシャーに変わってしまう」
可能性があると思います。

だからこそ
もし誰かに期待する言葉を伝える時は
自分とは近くない存在の人に
してあげることが重要
だと思っています。

(この距離感というのは
物理的な距離や年齢的な距離もそうですし、
業種の違いなども当てはまります。)

例えば僕であれば
小中学生ぐらいのサッカーしている
子どもたちや、

なかなか会う機会のない
海外でサッカーをしている人に

「期待してる! 応援してるね!!」と
伝えるのはありかもしれません。

あとは
全く違う業種で働いているの友達に
伝えてあげるのも大丈夫な気がしています。


距離感が遠ければ
受け取った側も
"他人の目を期待しなくてもいい"
ですよね。

「期待している!」と言われた時は
気持ちが高ぶってやる気なると思いますし、

もし上手くいかない時でも
「どうせ見られてないだろう...」
と気持ち的にもラクな気がします。

まぁそんな感じで、

自己欲求に繋がる期待とはおさらばで
応援型の期待は時と場合によって多用し、
少しでも周りの人に
高揚感を感じさせてあげられる
存在になりたいと思いました!!


ブラウブリッツ秋田 No.10 下澤悠太


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