DAZNの「ギフティング」導入がサッカー界を変えるのか。
先日こんな記事を読みました。
要するに
「DAZNさんとの契約もあるし
Jリーグの収入どうしよう...」問題ですね。
僕はそこで
「そんなJリーグの運営に関しては
その専門の人たちに任せておこう!」
というような
考えを持つタイプの人間ではないので、
いろいろ考えた末に
「DAZNさんがギフティング(投げ銭)を
取り入れたらみんなwin-winじゃね?」
という内容をTwitterで発信してみました。
そんなに悪くない案だと思ったし、
少しでも目に止まりやすいように
【Jリーグを救おう!】
っていう
それっぽいフレーズも入れてみたので
多少はバズるかなと思いましたが、
まぁ所詮は知名度も結果を残していない
Jリーガーの僕ではこれが現実でした
っていう話は置いといて、
そこで今回は
この投稿にはかけなかった
さらなるメリットを書いてみたいと思います。
まずは先日投稿した内容の整理から
【ギフティング】を導入するメリット
1.ファンの方々の想いの受け皿を作る
現在少しずつコロナさんが
収束に向かっているような報道も増え、
各国でもリーグの再開に向けて
動き始めていると思いますが
スタートは無観客試合になることが
想定されると思います。
選手はオフラインに戻る中で
ファンの方々はオンラインに残ってしまい
ギャップが開いていきます。
その時にファンの方々が
「会場で応援したいけどそれができない」
というような
もどかしさを感じることが考えられますよね。
株式会社リクルートライフスタイルさんが
全国の18~25歳の男女750人を対象に、
「J リーグに入れ込むようになった要因」
についてアンケート調査をした結果では、
男性が3位、女性が2位に
「応援で盛り上がるのが楽しい」
という要因がランクインしていました。
このデータを見ても
実際に会場に足を運んで応援することが好き
という方々が多くいると思いますが、
じゃあどうやって
この気持ちを補うかと言ったら
たぶん代替できるものはないんですよね。
(VRで再現性を高くしても無理だと思う。)
ただ、
「チームを応援したい!」
という気持ちは変わらないと思うので、
ギフティングを導入することで
声という応援がお金という支援に形を変えて、
普段とは違う形でチームを手助けするシステム
として機能するのかなと思いました。
2.新たな収入源の獲得にも繋がる
①遠方の方からの支援が可能に
例)ブラウブリッツ秋田のファンだったけど、
とある事情で沖縄に移住した人がいた場合。
物理的になかなか試合には行けないけど
DAZNさんのギフティングを使って
目に見える応援をすることも可能になる。
僕の実家は東京なので
両親が秋田まで応援に来てくれる回数は
そこまで多くないかもしれませんが、
ギフティングがあれば
チケット代(平均1500円ぐらい)は
支援してくれるかもしれません。笑
②DAZN年間視聴パスの穴埋め的存在
DAZNにはすでに
「DAZN年間視聴パス」というものがあって
それを購入するとその購入金額
(年額1万9,250円)の一部が
強化費用としてチームに還元される仕組みが
あるそうなのですが、
DAZN年間視聴パスを購入するには
各クラブの公式サイトなどから
購入する必要があるので、
ファン数によって資金に差が出たり
年間パスということで1度資金が分配されたら
次の支援まで1年間もかかることを考えると、
ギフティングがその穴埋めのような形になる
可能性も考えられる気がしました。
③Jリーグのファン以外の人からの支援も可能
上記の話に繋がりますが、
多くの友達に聞いたところ
そもそもこのDAZN年間視聴パスの存在を
知っている人が少ないように感じていて、
(もちろん僕も知りませんでした。)
その背景には
この取り組みのターゲットが
各クラブのファンの方々にしていることが
関係しているのかなと。
ただ、
普段からDAZNを使用して
サッカー観戦している人々の中には、
大学サッカーの選手や
サッカーはやってないけど
「友達が試合に出ているから観ている」
という人もいると思います。
たぶんその人たちの応援している選手が
試合でゴールを決めたところを
生配信で観ていたら、
気軽に投げ銭してくれる可能性が
ゼロではないと思うので、
その受け皿としても
導入していいのかなと思いました。
導入する際のポイント
1.大義名分を明確に
「支援して頂いたお金を何に使うのか」
という目的を明確にしておくことは
かなり重要だと思っていて、
個人的にいいなと思うのは
ファンの方々に還元する大義名分で、
「この頂いた支援金は
コロナが過ぎ去った後に行う
ファン感のための資金にさせて頂きます!!」
「この集まったお金で
みなさんからの意見を聞き、
新たなグッズを作りたいと思います!」
みたいな形で
ファンの方々に還元することを
明確にしておいたら
より支援をしやすくなるのかなと思いました。
2.全員のメリットを可視化
(win-winになるように設計)
▼DAZNのメリット
→支援金の何%かをDAZNに入るようにする
(Jリーグにも入ったらもっと素敵かも)
▼チームのメリット
→支援金がもらえる
▼支援していただいて方々
→上記でも書いたように
クラブ側が集まったお金を使って
ファンの方々が喜んでもらえる企画をしたり、
スタジアムの電光掲示板か、
DAZNで配信している試合の
最後のインタビューの時とかに
「今日支援して頂いた方はこの方達です!」
と載せてみたり、
その中で1番支援してくれた人は
「本日1番支援してくれた方は〇〇さんです!」
と大体的に発表して、
DAZNさんか各クラブから
特別な支援を提供するようにしてみたり。
(例えば選手のサイン入りグッズの提供とか)
また、
それだけ個人にスポットライトが
当てるようになれば、
「面白い取り組みだな」と思って
サッカーにそこまで興味がなかった層も
積極的に支援してくれるかもしれません。
▼選手のメリット
→良いプレーや紳士的なプレーに対して
ギフティングする習慣ができたり、
「今日一番集めたのはどの選手か?」
というランキングを可視化させてみる。
それが選手の勝利給に繋がれば
選手はもっと魅せるプレーや
気持ちのこもったプレーを意識し始めて、
試合がもっと面白くなるかもしれないですね。
みたいなことが
この前のTwitterで書いたことです。
ではここから
さらにこんなことも起きるんじゃない?
ということを書いていきたいと思います。
*過去の試合配信の取りこぼしを減らす
現在各国のリーグ戦の休止に伴い
DAZNで過去の試合を配信をしている
と思いますが、
せっかく懐かしく熱い記憶を蘇らせる装置を
作っているのに、
その感情の受け皿がないため
気持ち高まっただけで終わっている
ような気がしました。
そこでギフティングを導入しておくと
少なからず100円でも
支援してくれる人がいるかもしれません。
(その時には上記で書いたように
クラブがその支援金を何に使うかを
明確にしておくことは大前提。)
たった100円かもしれませんが
「塵も積もれば山となる」
という言葉があるように、
多くの方が支援してくれたら
莫大な資金に変わる可能性もありますし、
むしろ何もしないよりはマシな気がします。笑
それこそ
期間を決めて観戦した試合の中で
1番多く支援して頂いた人の名前を
大体的に取り上げるみたいな形にしたら、
例えば
バルセロナvsレアル・マドリード
の試合をギフティングすることができ、
そこで自分の名前が載るようになったら
世界中の人が観ているわけですから
かなりの広告になるだろし、
「500円以上支払ってくれた方限定で
バルセロナとレアル・マドリードの
各選手のサイン入りユニフォームを
1選手につき5枚、無作為にプレゼントします!」
みたいな感じで
支援者に還元する取り組みにしたら、
たった500円の支援で
2万円相当のユニフォームがもらえる
可能性も出てきたりして、
世界中からの支援が集まるんじゃないか
と思っています。
(少なからず僕は払うよ。楽しそうだし。)
そのような取り組みを続けていたら
それが目当てで
DAZNさんに登録してくれる人もいたりして。
そう考えるとビッククラブほど
このギフティングは相性が良くて、
世界中にファンがいればやり方次第で
とてつもない収入を得られる可能性があるし、
ファンの方の一生の思い出を作ることにも
繋がる気がします。
なんだか楽しい世界になりそうですね。笑
*新たのカテゴリーにスポットライトが当たる
もしギフティングが導入されたとしたら
高校サッカー選手権や大学サッカーも
DAZNで放映される可能性が出てくる
ような気がしました。
というのも
今年の1月に行われた
第98回高校サッカー選手権大会の決勝
静岡学園vs青森山田の試合では
観客動員数は56,025人を記録していましたが、
この数字は2019年のJ1リーグの
全ての試合と比較しても
2番目に位置する観客動員数の多さでした。
つまり
プロにも引きを取らないどころか
勝っちゃっているということですね。
そして、
仮にギフティングを導入した場合を考えると、
Jリーグの試合で支援してくださる方々は
基本的にはその試合をしている
2チーム(つまり多くても2県)の方々が
対象になると思います。
(川崎フロンターレvs柏レイソルの試合で
ブラウブリッツ秋田のファンの方は
基本ギフティングしないみたいな)
一方、高校サッカー選手権では
決勝に進出した高校のファンの方だけでなく、
全国にいる高校サッカー選手権ファンが
ギフティングしてくれる可能性がある
わけですね。
つまり
ギフティングしてくれるであろう人の母数が
とんでもなく多いわけです。
そこを取りこぼすのはもったいないし
その集まった資金は
DAZNと試合をした2校でうまく分けて、
例えば優勝校であれば
そのお金を使ってファン感を開催したりとか。
高校によっては
グランドの芝を張り替えてもいいだろうし、
まぁそんな感じで
経済を回すのもありな気がしました!
また、
個人的には
大学サッカーにも可能性があると思っていて、
高校サッカーほどギフティングで
資金が集まる可能性は低いと思いますが、
大学というのは4年周期でメンバーが変わり
卒業後には就職で地方に配属することで、
物理的に後輩の試合を観にいけないっていう
OBの方が結構多いと思うんですよね。
そこでもしDAZNがギフティングを導入して
大学サッカーがあれやこれやの手を使って
放映権を獲得することができたら、
ワンチャンギフティングしてくれる人が
そこそこいるかもしれません。笑
動画配信してくれれば
高校サッカーの選手たちも
大学サッカーの中身を知る
キッカケにもなるだろうし、
多くの方に大学サッカーに
興味を持ってもらうことを考えても、
いきなり会場に足を運ぶのは
敷居が高いと思うので、
テレビで見るほどではないけど
スマートフォンで軽く視聴できるなら
観てくれる人も多い気がしました。
ちなみに
大学サッカーの集客についての卒論を
一生懸命書いていたら、
スポナビさんが取り上げてくれたので
興味があればどうぞ。↓
ちなみにもとになっているブログは
こちらです。↓
*想い(お金)を言葉に変換して支援する
ここからはちょいとばかし
ギフティングとはズレるけど
なかなか面白い話になると思います。
みなさんはキングコング西野亮廣さんが
「レターポット」というサービスを
始めているのをご存知でしょうか?
めちゃめちゃざっくり説明すると
そのサービスのユーザーは
全員『ポット』という名の
"財布"を持っていて、
その財布に入れるのは、
『レター』という名の「文字」。
そして、
その『レター』は
運営が「1文字=5円」で販売しています。
例えば
僕が500円で100レターを買ったとします。
僕が「ありがとう!」という6文字を
誰かに贈ったとしたら、
受け手に6文字=30円分の価値を
提供できるみたいな感じです。
つまり
1000文字で誰かに手紙を書けば
「1文字=5円」
ということを知っている受け手の人は、
その1000文字の手紙が5000円分の価値がある
ということを理解できますし、
その受け取った1000文字を
他の誰かに送ることもできます。
ちなみに
発信する時は運営側に手数料という形で
5レターを預けることになるので、
1000文字を持っている時は
995文字でメッセージを送ることができる
というようなシステムです。
西野さんはこのサービスで
文字を換金できないようにしていて、
その理由などは「新世界」という本を
読んでもらいたいのですが、
個人的には
このシステムを換金ありにして
ギフティングと一緒に組み込んじゃう
のもありかなと思いました。
つまりどういうことかというと、
例えばDAZNで試合を観ていて
とある選手がゴールを決めた時に
シンプルにギフティングしてもいいし、
500円で100レターを買って
「ナイスゴール!(7文字)」と
その選手にコメントして
7文字=35円の支援をする
みたいなイメージです。
そのためにも
ファンの方々と各選手とクラブ専用の
ポット(お財布)を事前に作っておきます。
選手・クラブは受け取ったレターを
換金することができて、
それを新たな収入源として
自己投資に使ってもいいだろうし、
そのお金を集めて
ファン感謝祭みたいなのを企画してもいいし、
換金せずにファンの方々に
「メッセージありがとうございます!」
と返信してもいいだろうし、
さらには
ファン同士でメッセージのやりとりが
できるようになったら、
「今度一緒に試合を観に行きましょう!」
と話が弾み観客動員数の増加に
繋がったりするかもしれません。
そのファン同士の繋がりが生まれやすいように
YouTubeのコメント欄のように
自分の発信が周りに可視化されるようにして
話しやすくしたり、
もし選手に長文を送りたいけど
周りの人に見られるのが恥ずかしかったら、
DMの機能で選手だけに送れるようになったら
楽しそうですね。笑
DAZNを選手・クラブとファンが関われる
プラットフォームにするイメージですね。
また、
もう一つ踏み込んだ話をすると、
このレターポットのような取り組みは
試合に出ているほど評価を受けて、
試合に絡めない人は
特になんの利益もないみたいな状況も
生まれてしまう可能性があると感じました。
まぁそれが勝負の世界なんですけど
せっかくならみんなwin-winの方が
面白いと思ったので、
例えば
このレターポットのようなシステムを
試合をしている時だけでなくて
常に使えるようにして、
ブログをやったり
YouTubeで発信している人がいたら、
「〇〇見ました! 面白かったです!」
(この場合は15文字=75円)
というように
サッカー以外の面でも支援できるようにしたら
面白い気がしました。
そうすることで
積極的にサッカー以外の面でも
価値を高めようとする選手やクラブが増えて、
よりJリーグ全体が周りの人に及ぼす
良い影響の幅が増えるのかなと。
そして、
その応援レターの文字数を可視化させて
ランキングみたいにして、
その年間上位3人の選手は
Jリーグアウォーズで
「今年1番ファンの心を動かしたで賞」
みたいな感じで表彰されたら
それはそれで面白そうじゃないですか?笑
今の時期はこれまで以上に
「一緒に頑張りましょう」
「一緒に乗り越えましょう」
という声援がTwitterのタイムラインなどに
流れていると思いますか、
せっかくなら
このようなサービスがあることで、
その声援の1文字1文字を
お金に換金することができれば、
その言葉で助けられる人やチームが
出てくるかもしれません。
そして
もっと踏み込んで話すと、
たぶんこの取り組みをすると
ファン数によって
選手やチームの支援額に
ばらつきが生まれると思いますが、
そこで
仮に豊かな選手・チームが
困っている選手・チームに支援したら
どうでしょうか?
例えば柏レイソルさんが
「これだけ多くの支援金が集まったけど
僕たちはまだ経営に余裕があるから、
ブラウブリッツ秋田さんに支援します!」
というように
Jクラブ同士で支え合うみたいな感じですね。
そんでもってこれをキッカケに
チーム同士の親交を深めて、
プレーシーズンマッチで
柏レイソルvsブラウブリッツ秋田を
やってみるとか。
それは選手であっても同じで
この時期にチームによっては
給料が払えなくなってしまい困る
という選手が出てくるかもしれません。
そこで
「おれめっちゃレター(支援)集まってるから
とりあえずこれで生活してね!」
というように
豊かな選手が困っている選手に支援したら
僕だったらその人に一生ついていきます。
そんな世界素敵じゃないですか?
まぁこんな話はさておき、
コロナさんが過ぎ去った後に
コロナ2世みたいな別のウイルスが来て、
「やばい!どうしよう...」
と慌ててしまうほど
無駄な時間はないと思うので、
「今できること」
と
「これからやらなきゃいけないこと」
を考えていく必要があると思いますが、
はっきり言って
この話が実現可能なのかどうかは
僕はDAZNの運営の人ではないので
全く分からないですが、
このギフティングは
「これからやらなきゃいけないこと」
の1例になる気もしています。
個人的には
今の世の中みたいに
「今日の感染者は〇〇人です」
「〇〇さんが不倫しました!」
というニュースや、
誰かの取り組みに対して
「偽善だ!」「そんな無理だろ!」
とか
「#検察庁法改正に抗議します」
という
マイナスな感じのものが蔓延る世界よりも、
「じゃあどうすれば
それを実現できるのかな?」
「もっと良くなるのかな?」
ということを
みんなで考えて協力し合う世界の方が
よっぽど素敵だし、楽しいし、面白い
と思ったのでこんなことを書いてみました。
おわり
ブラウブリッツ秋田 No.10 下澤悠太