【プラネタリウムを一度は見に来て欲しい理由】


プラネタリウムに行ったことってありますか?

星を見上げて癒される場所。
星座の見つけ方や神話、天文や宇宙の最新情報を知ることができる場所。

そんなイメージでしょうか?


僕もプラネタリウムは昔から大好きで、
その定義は上記も勿論入るのですが、
最も感じているのは『自分と向き合える場所』ということです。


ここからは自分語りになりますが、
僕は本当にネガティブ思考で、気になるとどんな小さなことでも突き詰めて考え納得できないと、いつまでも前を向けないで殻に閉じこもってしまう傾向があります。

今まで、学生時代や社会人時代も何度かなかなか浮上できない負のスパイラルに落ち行ったこともありますが、それを救ってくれたのがプラネタリウムでした。

前述したようにプラネタリウムでは季節の星空を見上げながら、それにまつわる星座の見つけ方やその神話、そして最新の天文や宇宙のニュースとその背景を穏やかに、でも熱く語ってくれます。

それだけでも癒されたり、新しい発見があり、それによって新たなエネルギーが注がれて、また頑張るチカラが湧いてきたりします。

何より星の光はとても綺麗で、
満天の星は、普段街の中で見られないことも相まり、その光景は目を奪い、一瞬我を忘れさせて、夢中にさせられてしまいます。

加えて星座の姿やそれらを結ぶ線は、実際の空には描かれないもので、
その普段見られない光景は心をさらにときめかせてくれます。


でも本当に素晴らしいのは、そんな中、ふと自分の正直な心の声が聞こえてくる瞬間です。

星空解説員の人たちは本当に工夫を凝らして様々な星の話をしてくれているのですが、そこからフッと心が離れて、いつの間にか自分と向き合い始めてしまうことがあります。

その時々の悩みには様々なものがあります。
仕事のこと、人間関係のこと、今後の人生のこと。

「この仕事を続けてていいんだろうか?」
「あの人とぶつかってしまうのはなぜなんだろう?」
「自分はどう生きていくべきなんだろう」

明確に正解のない疑問はずーっと自分の中にグルグルと巡ってこびりつき、それがまた目まぐるしい日々の生活の中ではゆっくり考える時間もとれず、答えが出なくて焦り、新たな問題が生まれてしまうこともあり。。
最終的には蓋をして、なるべく心の目の届かないところに仕舞い込んでしまうこともあります。

でもそうしている内に、自分の本心もいつの間にか見えないところに仕舞い込んだり、またはその積み上がったもので隠れて、見つけられなくなってしまうような気がします。


そんな時に大切なのは、苦しいけど自分と向き合うこと。
それを達成するには環境から整えることが大切で、なるべく邪魔の入らないシンプルな空間に自分を置くこと。

僕の場合はそれがプラネタリウムなんです。

星が無数に輝き、その光だけしか見えない真っ暗な空間。

何も物言わぬ星は、ただただ自分の悩みを黙って聞いてくれているようで、でも時に瞬きという相槌を打ってくれる。
そしてどんな悩みにも何か答えが、少なくとも解決の糸口があるはずだと、そのささやかな光という自身の姿を持って教えてくれるようで。

プラネタリウムは実際の星空や宇宙への架け橋だと思っています。
僕自身、その架け橋を渡り、世界中の星空を見て様々な経験を得てきました。
また行きたい星空やまだ見ぬ星空を見られる場所へも旅を続けていきたいです。


しかし、それでもプラネタリウムの星空は何度でも見上げたいし、大好きです。
もしかしたら世界のどんな場所の星空よりも愛着があるかもしれません。

それは実際の星空とは違い、
プラネタリウムの星は、それを作る人たちがそれを見たいと思う人たちのことを想って、作り上げた星空だからです。
つまりその光は、確実に、見上げたいと思い足を運んだその人たちの為に輝いている光だからです。

その光の中で、自然と自分と向き合い、そして目の前の問題や壁を乗り越えるヒントを与えてくれる特別な場所。
それが僕の好きなプラネタリウムという場所です。

幾度となくそうやって危機を救ってもらいました。
そして、最後にもう一度意識を自分から星に戻してちゃんと星を見ようと思った時、いつも思うのは「星の光って綺麗だなぁ」ということ。

そしてその時に気づくんです。
「どんなに辛い状況でも、まだ星の光を美しいなと思える自分がいるんだな。それならもう少しだけ頑張れるかもな。」って。


「星って癒されるよね」とよく言っていただきますが、癒しという言葉の英語訳である「ヒーリング」のもとである「Heal」という言葉には『解決』という意味があるそうです。


自分が負のスパイラルに陥るたびに、這い上がるための一縷の光を常に差し伸べてくれた星の光。
そしてそれを演出する星空解説員の言葉と声による語り。

幾度となく救われた僕は、
今度はその経験と想いを胸に、
自分が同じような人に少しでも寄り添えたらと思っています。

これを読んだ人にはぜひ、
一度プラネタリウムに足を運んでいただけたらと思います。

言葉にできること、そしてそれから受けとって頂けるものは微々たるものだとは思いますが、星の光はきっと見上げてくれた人の心を期待以上に照らし、寄り添ってくれるはずです。


そしてプラネタリウムの星に感動してもらえたら、改めて今度は本当の星空に目を向けて見て欲しいです。


2021年11月24日
世界で、いや宇宙で一番好きなプラネタリウムが開館して10+1周年の日に。