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「夢」の話。

少し前に、「夢」を見た。

とても鮮やかで、水の質感とか、光の加減まで、「本当にそこにいた」かのように、今でもはっきりと覚えている。

そんな「夢」の話。

・・・

確か、その「夢」のはじまりは、ロルフィングを学んでいた時にホームステイしていたボルダーの家か、よくボルダーでセッションを受けていた人の家。

あまりはっきりと覚えていないが、山の麓にある「見たことのある家」だった。

そして僕は、そこからハイキングに出かける。

そうすると、道の脇に、とてもきれいに澄んだ水が流れているのを見つけ、「もっときれいなものを見たい」と、山の奥に入っていく。

僕は旅をしていて、「きれいな水の流れ」を見つけると、「どうしようもなく惹きつけられて」しまう。「これがどこからやってきたのか」を知りたくなって、足が止まらなくなる。

それが「なぜか」は、よくわからない。

しばらく歩くと、信じられないほどに美しい「滝」が目の前に現れ、この世のものとは思えないその景色に圧倒される。

僕はバックパックからカメラを取り出し、夢中になって写真を撮る。

すると突然、空に真っ黒い雷雲が立ち込めてきて、雷が鳴り響き、雨が降りはじめた。それはそれで、「自然の神秘」を見ているようで、目を奪われた。

普段であれば、「雷」の音が怖くて、どこかに隠れて、耳を塞いでいてもおかしくないのに、なぜかその時の僕は、ただじっとその光景を見つめていた。「何か大事なもの」でも、見させられているかのように。

刻々と変わる景色を、夢中で写真に収めようとしていたら、どんどん滝の水量が増してきていることに気づいた。

慌てて崖を駆け上っていって、そこにあった建物の中に逃げ込んだ。

建物の中を探索していると、どうやら、日系の人が建てた「図書館」のような、「博物館」のようなものに思えた。

「肖像画」が壁に飾ってあって、その下に、生い立ちやルーツらしきものが書かれている「説明書き」を見ていた時に、僕は気を失ってしまった。

目を覚ますと、そこは暗い部屋の中で、きれいな白いシーツのふかふかのベッドに、僕は寝ていた。そして、隣には誰かが寝ていた。

その部屋から出てみると、どうやらそこは、「(山にある)宿泊所」のようなところで、たくさんの外国人が泊まっていて、僕はそこに「救助」されたようだった。

外に出てみると、僕を助けてくれたであろう救助隊のグループがいて、濡れたバックパックを肩から下ろしたり、ハーネスのようなものを外したり、着替えをしながら談笑をしていた。

救助という一仕事を無事に終えて、安堵の表情をしていた救助隊の中に、一人だけ日本人らしき人がいて、僕の知り合いによく似ていたが、暗かったのでよくわからなかった。

その近くには、救助者たちの持ち物が集められていて、僕のバックパックもその中にあった。

中から財布を取り出して、財布は水に濡れていないことに安心して、宿泊所のフロントのような場所に向かった。

「救助されたとはいえ、宿泊をしたのだから、宿泊代を払わなければいけない」と思い、そのことをフロントにいる人に伝え、カードを使えることも確認して、支払いを済ませた。

「この辺りの地図ももらえますか?」と、地図をもらって、「ここがどこなのか」を確認する。

宿泊所を後にする時、まだ外は薄暗かったが、多くの外国人登山客のような人たちは、日も出ないうちからどこかに出かけるようだった。

どうやら、「あの滝」のはじまりがある山の上の方を目指すようだった。

「僕はもう十分だ。そこには用事がない」と思って、僕は宿泊所の入り口の階段を降りると、その途中、薄暗かったのが嘘のように明るくなって、晴れ間が差したようになった。きれいだった、まるでそこが、「天国」かのように。

そこから少しずつ辺りが明るくなってきて、もらった地図を見ると、僕が歩きはじめた家は、ここからそんなに遠くはなく、歩いて帰れそうな距離だった。また安心した。

道の途中、どこかに寄った気もするが、ここからはあまり覚えていない。

・・・

少しも褪せることなく、「夢の感触」が残っている。

これは何だったんだろう。

そんな「夢」の話。

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