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地方で働く20代男性への10シリーズ_#1

Rolfing House festa(ロルフィングハウスフェスタ)」は、東北の山形にある一軒家のスタジオです。

家族でそこで暮らしながら、からだも、こころも分けることなく、統合的に整える「ボディワーク」を夫婦で提供しています。

奥さんは「ヨガ」の先生をしていて、この文章を書いている僕は、「ロルフィング」というボディワークをしていて、身体の「部分」だけに注目するのではなく、「全体の関係性」を大切にした施術をしています。

今回のこの記事から「10回連続」して、モニターの方の「ロルフィングを体験した感想」を紹介していこうと思います。

ロルフィングには、「10シリーズ」という、身体の土台を段階的に、無理なく整えていくユニークなアプローチ方法があります。

具体的には、「それぞれにテーマが違う10回のセッションを受ける」のですが、受ける方の状態(姿勢、運動習慣、痛みの有無、仕事、生活環境など)によって、その「変化(反応)」は、人それぞれで、実に「多様」です。

モニターの方は二人いらっしゃって、同じように「10シリーズ」を進めていきますが、その「道のり(プロセス)」は、「似ているところ」もあれば、「まるで違った」ように見えるかもしれません。

もう一人の方の「感想」は、こちらに載せておきますので、そちらも合わせてご覧になってみてください。

なお、記事の後半には、感想の中の「(ロルフィングを体験したことがない人にとっては)意味が伝わりにくい言葉」や「(同様の理由で)誤解を招く可能性がある表現」などに関して、「より理解を深めるための解説」が書かれてあります。

モニターの方の「感想」だけで十分な方は、最後の「解説」は飛ばしてもらって大丈夫です。

「感想の中に、ん?と気になる、引っかかる表現があった」「もっとロルフィングを全体的に、より深く理解してみたい」という方は、ぜひ「解説」も参考にしていただけたらと思います。

モニターの方の紹介

山形の上山市出身の22歳。
現在は同じ山形の大江町に移住して働いています。

長年、様々な悩みから心の不調があり、体や生活環境も、それにリンクしてバランスが崩れていました。しかし、いまいち、自分でもどこが悪いか分からず。体と心全体を治し、自分に向き合いたいと思い、今回10シリーズを受けました。

主な症状は、
 ・姿勢が悪い(猫背)
 ・生活習慣が安定しない(寝付きづらい、寝起きが悪いなど)
 ・心の悩みが多い(受け流せない性格)

以上が、モニターの方ご本人が書いてくださった「自己紹介」です。

初めて会った時には、20代前半ということもあり、「ハツラツとした青年」という印象でしたが、自己紹介でも書かれてありますが、「心の波に振り回される」ことが多いようで、ロルフィングに興味を持ってくれたそうです。

セッションの前に、身体の「可動域(各関節が、どの程度動くかをチェックする)」を調べてみたのですが、「特に問題なし」といった感じでした。

このように、「身体的には、大きな問題がなそうな人」も、ロルフィングを受けてくださることがあります。

そんな彼が、どんな「プロセス」を辿るのか、一緒に見ていってもらえたらと思います。

セッション1の感想

「(ウィルスの感染拡大によって)もうどこにも行けないし、じゃあ放ったらかしにしてた自分に向き合ってみようか」

外がダメなら内だなと。
2021年、ふとそんな心境になり、出会ったのがロルフィングです。

はじめの「おためしセッション」を受けた際、グッと強く押したりする一般的な整体のイメージと違い、ロルフィングは最小限の優しい刺激でのアプローチで驚きました。(1)

いままで自分の性格を「神経質」と考えていましたが、ここでは「繊細」とポジティブに表現してくれて、ものごとの考え方にも驚きました。(2)

とても心地よく、いままでに感じたことのないリフレッシュ体験でした。

ロルフィングを受ける前は、猫背で姿勢が悪い、お腹を壊しやすい、気圧の変化等での偏頭痛がある、などなど体のことでたくさん悩んでいました。

しかし、全ての症状がなんとな〜く痛いような感じで、なんとなく放っておいたり、我慢して生活を送っていました。

体と同時に心の状態も悩みがたくさんあり、浮き沈みがある波状な感じで、何事にもオープンになれない性格でした。

そんな時、知り合いから紹介してもらったのがロルフィングでした。

体と同時に心や考え方にも変化があったと言っていたため、なんとなく直感で自分に合いそうな気がしていました。(3)

「おためしセッション」に感動して、10シリーズをはじめました。

ちょうどその時、大きな心の落ち込みがあり、なんとなく息がしづらいような、呼吸が奥まで吸えていないような感覚がありました。

初回のセッションは「呼吸」がテーマで、まさに今悩んでいたことでびっくりしました。(4)

セッションをしていくなかで『呼吸は自分でコントロールできるものじゃない、「呼吸」という犬を飼っている気分』と話していました。(5)

それを聞いて、呼吸が浅かったり速くなっても、『今は元気にはしゃいでるな』とか、犬をなだめるように『慣れない環境で怖いね』といった感じで受け入れる。

緊張や焦ることも、無理して修正しようとせずその状況を受け入れる。

なんか簡単で可愛い出来事と考えられるようになりました。(6)

「ここでは体に正直になってください。セッション中は体の声を聞いて自由に動いていいですからね」と言ってくれます。(7)

なんかこの体勢違うな〜と感じたら素直に変えてみる、手を挙げてみたいなと思ったら挙げてみる。

普段生活をしているとその場の状況や相手のことを考えて、いろんなことを我慢していました。あくびとか、トイレとか、言いたいこととか。(8)

モヤモヤが多い生活のなかで、こんなに体や心に正直になれた場所ははじめてでした。

普段はいろんなことを無意識に我慢して、知らず知らずのうちに体と心に負担がかかっていたんだなと思います。

今回のセッションを終えて、胸のつっかえが取れて、足がしっかり地べたに付いている感覚がありました。

日にちが経過したら、寝起きが良くなった感じがあります。体も軽く感じ、歩き方が変わったような?スイスイ前に歩ける感覚に!

でもそれは、体の変化と同時に、考え方の学びがあって心も軽くなったからだと感じます。(9)

しかしそれでも生活しているとまた新たな痛みが出てきます。(10)でもまだ1回目、次回が楽しみです。

これからゆっくり自分に向き合っていきたいなと思います。

より理解を深めるための解説

(1)いわゆる「伝統的なロルフィング」のスタイルは、「身体全体に張り巡らされている筋膜ネットワークに対して、持続的な圧を加える」ものなので、「痛い」のが特徴です。創始者の「アイダ・ロルフ」さんの施術を受けた人は、「あんなに痛いのは人生でも経験したことがない」などと言う人もいます。もちろん、それに対して「効果」を感じたからこそ、アイダさんの施術スタイルは、海を渡った僕まで届いているのです。しかし、その後のロルフィングの指導者たちが、そのスタイルを「より洗練させていく過程」の中で、「痛みのないアプローチ」も登場してきて、あまり「強い圧」を使わない「ロルファー(ロルフィングの資格保有者)」も増えてきました。僕は、基本的には、そんなに「強い圧」を使いませんが、「狙っている組織によって」は、「痛気持ちいい範囲の圧」を使います。
(2)「微細な刺激を感じることができること」は、「持って生まれたギフト」だと思っています。世の中の「アーティスト」と呼ばれる人は、それを「芸術」にまで「昇華」させることができた人たちなのでしょう。そんな人たちは、「自分の感じたこと」を、自分の中に「(過度に)溜め込む」のが続くと、「便秘気味」になってしまいます。そんな時には、適度に「表現という排泄」をしなければいけません。別に「アーティスト」ではなくても、いわゆる「繊細な人」は、人と話したり、身体を動かしたり、何かを作ったりして、それを「外に出す」ことを心がけた方が「健全」でいられるコツだと思います。
(3)ロルフィングを受けてくださる方は、「直感で」とか、「なんとなく」という「きっかけ」がほとんどです。僕もそんな一人で、アメリカとブラジルに1年ほどいて、「ロルファー」にまでなりました。なぜかはわかりませんが、不思議とそうなのです。
(4)これも不思議ですが、そんな「シンクロ」がよく起こります。「10シリーズ」には、「各セッションのゴール」があるのですが、なぜか「足のセッション」の前になると、「足に違和感が出てくる」なんてことが起こったりします。
(5)古今東西、今も昔も、「呼吸法」というのはたくさん存在していますが、そのほとんどが「呼吸をコントロールする」のが「前提」になっています。個人的には、それだと「窮屈」に感じてしまうので、「呼吸は自由にさせてあげて、関心だけを向けるといいのでは」と思っています。
(6)5の背景には、神戸の知り合いのヨガの先生の、「自分の心を『ワンちゃん』として考えてみる」というコンセプトに触れたのがあります。「言葉」を話すことのない「ワンちゃん(心)」が、「行きたくない素振り」を見せたとしたら、無理はしない。「散歩に行きたそうにしっぽを振っている」としたら、外に出かける。「長い時間、関心を向ける」ことを通して、次第に「通じ合う」ようになると、「(支配を前提とするのではなく)ちょうどいい関係」が育んでいけるのではないのかなと。そしてそれは、「呼吸」でも同じではないかなと考えています。
(7)2でも書きましたが、「繊細な人」は、「溜め込むことなく、こまめに外に出す(表現する、排泄する)」のが大切です。「セッションの時間」は、「誰にも気を使うことなく、身体の好きなようにさせてあげることができる時間」にしてもらいたいです。「身体を伸ばしたい」と思ったら、ベッドの上で伸びをしてもらっても、「腰の位置がしっくりこない」と感じたら、腰をもぞもぞしてもらっても構いません。
(8)これを体現しているのが「子ども」です。僕たち誰もが、昔はそうしていたはずです。「身体の声(要求)」に対して、とても「素直」で、「その場で、即座に反応する」のが上手です。つまり、「後に繰り越さない」ということです。
(9)「身体」が変わると、おもしろいことに「考え方」まで変わってくる人が多いです。そうすると、「施術者に依存する」ことを避けることもできます。何か「新たな課題」が出てきたとしても、「自分の頭で考えられるようになるから」だと思います。
(10)「身体全体の関係性のバランス」が変わるので、そうすると「新たな関係性」が生まれてきます。その中には、「(今までなかった)痛み」であったり、「古傷がうずく」こともあったりします。それを「身体からのメッセージ」と受け取って、次回のセッションに生かしていくようにします。


お問い合わせ先

Rolfing House festa|ロルフィングハウスフェスタ
https://www.rolfing-festa.com/

電話:090−2954−8207(大友)
メール:info@rolfing-festa.com

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