[詩] 道順

立札を見つけ その樹木の名前を初めて知った
薄いみどり色の花をつけていた
御衣黄ぎよいこうという、これも桜の一種だと そう書き記されていた
二人、一緒に知った
けれどもどこか
この樹木を介した廻り道
わたしのいくところ あなたのいくところ
何もわからない
ふさがれた 両腕はしかし幹を包みこみ
その日限りの道順を抱く

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