[詩] 集い

靴のさきにあたり転がりだした
梅の実といっしょに下っていく坂道の
十字路も過ぎて
星々よりも小さく
なるまでと高く放り上げる
そこ、そこ といって見失う
落書きのよわさ眼に映る
梅の実また落ちてくる
拾うこの手 梅の実つぶれている
兄のわたし 兄のような実
潰れて アスファルトに黒く染みだしている
わたしの声で明日はなく
今にもこの場所に集うようにと
遅れてやってくる者が呼びかけている



*個人詩誌「翌翌」(一号)より
発行日:2019年11月1日

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