【米国株】 Royalty Pharma社の紹介

こんにちは。米国株を中心に資産増を目指しています。
今回は製薬のロイヤルティを売買するバイオに特化したファンドに近い企業であるRoyalty Pharma社(ティッカーシンボル:RPRX)について、2021/01/12に開催されたJ.P. Morgan Healthcare Conferenceの資料から情報をまとめました。これからバリュー株に投資予定の方におすすめの銘柄と思っています。

【Royalty Pharma社について】
この企業は製薬のロイヤルティを売買、またそこから得られる収益にてビジネス展開しているファンドであり、1996年創業、2020年6月にIPOしています。特に新薬におけるロイヤルティに投資するわけですが、投資先は大学、バイオベンチャー、大手製薬企業と多岐にわたります。このような創薬分野は、認証されれば大きな収益を手に入れることができますが、認証に向けて長い時間、費用が必要になり、かつ必ずしも成功するとは限られません(また、マーケットが見込まれるものほど競合も多いです)。そのような企業に対して、認証後にそのロイヤルティから得られるリターンを期待し、研究費などをシーズの段階から投資するということを行なっています。ご想像されているかとおもいますが、このような業界における経験値や知識が非常に高いレベルで求められるビジネスです。

【ビジネス概況について】
下記のように投資先はポートフォリオとして紹介されていますが、45以上のプロダクト、10億ドル超えのブロックバスター(新薬で莫大な収益をもたらす大型プロダクトのこと)は22。収益面においては、18億ドルの現金収益、14億ドルのキャッシュフロー(利益率約80%)と、ほんの1年前にIPO(通常資金集めにために上場しますが、この企業はすでに大きな黒字)された銘柄と思えないほどのスケール感です。

ギリアド社のHIV関連、Pfizer, Merckなどの大手のプロダクト含め、臨床中のものもあります。

この企業がすごいところは、やはりその収益を生み出すロイヤルティの選球眼であり、ブロックバスターが22所有している事実にて、如実に現れています(通常の3倍多くのプロダクト所有)。

【創薬における市況感について】
いくら良い投資先を選ぶ力があっても、そもそもそれに取り組む企業がなければ投資先がなく、収益も上がらないですが、昨今このようなバイオテック業界の市況は非常に良いです。長寿命化、生活レベルの向上に伴いヘルスケアへの興味関心が非常に強く、IPOされる銘柄も昨今非常に多く、その投資規模も大きいことから認識できます。

また、大学や製薬企業と戦略的パートナーシップを結んでおり、業界の最新情報を駆使して良質なプロダクトへの投資成功確率を高めているともいえます(こうした中立的な立ち位置はファンドの強みですね)。

【競合について】
市場が大きいと競合がおおくなることがつきものですが、RPRXはほぼ独占しているといっていいくらい、圧倒的な業界シェアを誇っています。ほかの近しい業態の企業と比べ、金額が大きいもの(2.5億ドル以上)のほとんどを占めています。

【投資方針について】
3つの大方針を掲げて投資ストラテジーを策定しており、
1. 最先端の承認治療薬への投資
2. フェーズが進んでいる臨床中治療薬への投資
3. M&Aにてロイヤルティを獲得すること
1、2を半々で投資を進めており、その2のうち、91%(69億ドル中、63億ドル)が結果的に承認され収益化されています。この成功確率の高さに、企業としての選球眼の強さを感じます。

難病指定にものを中心に、HIV、免疫関連、神経関連、ガン、など様々な分野に多角化した投資をしており、その中でこの収益化の高い成功率のため、広い分野に専門家がいると言えるのではと思います。また、投資先の中でその企業が他の企業に買収されるとなったとき、そこから得られる特別利益も見込まれるケースもあるとのことで、買収が非常に多い製薬業回特有な現象ではないかと思います。また、そのような買収される企業も毛並みが良いことであり、そこにもまた選球眼が生きていることと思います。

【総括】
少し長くなってしまいましたが、RPRX社は製薬の特に難病指定の比較的収益が大きいですが、臨床が非常に難しいプロダクトを中心にしたポートフォリオを持つバイオファンド会社です。今後も投資活動をより推進して行っていくと思われます。ただ、その専門家が長く在籍するのかどうか、は少しリスクか、と思われました。この企業を支えているのはこの選球眼の強さといえるためです。今後も投資先情報を整理しつつ、紹介していければと思っています。