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「働ける時間はあんまりないんだから」って…。

一緒になってから三十年近く夫は仕事人間で
ひどい時には朝6時~深夜25時くらいまで仕事をしていた。


同居していた亡くなった義母から「あなたは、仕事と結婚したようなものだ」と夫の仕事人間ぶりを、なかば諦めて私にそう言っていた。

さすがに50代に入ってからはペースダウンしているが、
それでも有給休暇など冠婚葬祭以外には、なかなか取ろうとしない。

私が仕事を辞め時間ができたので少しくらい
遠くに旅行してみたいと思い切り出してみても望みは薄い。

理由はこうだ。
「自分が休めば仕事が回らないし、代わりがいない!」
何度も説き伏せようとしたが、だんだん切れ気味になるので
諦める…。 ¯\(°_o)/¯


考え方が全くもって昭和。(24時間働けますか!の世界)
代わりはいるし、状況を変えて行かないと何時までも自分一人が
キツイ思いをする。

もう少し力を抜いてゆっくりしてほしい。

でも似たもの夫婦。

私が嫁いだ当初義母が夫のことを
「あの人は『こぶし』みたいな人間だから、人の言うことは聞かない。」と言っていた。
その言葉が今でも何かと頭に浮かぶ。


実は、私は義母の言った言葉を『拳』だと思っていた。
固く握りしめた握り拳みたいな頑固な人。

最近、休みを取ろうとしない夫に、それを初めて話したら
一笑され呆れられた。

「おふくろが言ったのは『古武士』の意味だと思う」(爆笑)

あーそうだったのか。

すぐに古武士の意味を調べた。
ちょっとカッコよすぎる気もしたが、ま、いいか。


後日、また諦めずに旅行の計画を伝えたが
「働ける時間はあんまりないんだから、やれる分やってみたい」と言う。

一生懸命はいいけど、時間は際限なく残されているわけではない。
少しだけギアダウンしてほしい。

でも、そんな人だから白髪が増えた今でも信頼しているのだと思う。



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