人生で1番Anotherみたいだった日

皆さんはアニメ「Another」を見たことがあるだろうか。

「Another」をざっくり説明すると、夜見山中学校という学校の3年3組には「関係者が毎月死んでしまう怪現象」が数年に一度起こっており、この学校に転校してきた主人公が怪現象立ち向かうという感じの話である。

原作は小説で、アニメだけではなく実写化もされている人気作である。

僕は高校生くらいの時にとにかく衝撃的な出来事が頻繁に起こるこのアニメにどハマりしてしまってAnotherを3周してしまった。なんかそんな何周もする作品ではない。暗いし。悲しいし。今見ると本当に悲しい。いっぱいキャラが死んじゃうから。当時ニコニコ動画では「女の子たちの変わらない日常」何度も何度も繰り返し見るアニメのことを「難民アニメ」と読んでいたのだが、「Another」が僕にとってのそれだった。

「Another」では突然キャラクターに怪現象が襲いかかり、「偶然」キャラクターが命を落としてしまう。

「偶然」乗っていたエレベーターが故障したり、

「偶然」街から出ようとしたら車が落石にあったり、

「偶然」ガラスが割れて降りかかってきたり、

「偶然」船のスクリューに巻き込まれたり、

「偶然」ストッパーがかかってなかったクレーン車が1人でに坂を下っていってクレーンの部分が家の2階に激突したり、

とにかくインパクトがすごい。

この強烈なキャラクターの散り際が多感な時期の高校生だった頃の僕にぶっ刺さってしまい、3周もしてしまったのである。通しで3回も見たアニメは他にない。

この「偶然」の不運で人がスペランカーのごとく命を落としてしまう作品の特徴になぞらえて、ニコニコ動画では「Anotherなら死んでいた」っていう用語が存在していた。なんかちょっと道で躓いた時とか、なんか上から物が降ってきたりとかに「Anotherなら死んでいた」ってコメントが流れてきていた。ドジっ子とか出てくるアニメだとよく流れてきてた気がする。

この前提を元にちょっと聞いてほしい。

うちのアパートの階段は結構急で、手すりがついている。階段なんて「Another」では格好の的である。しかも結構急だなんてなんだか怪現象が襲いかかりやすそうだなあって引っ越し初日から思っていた。

ある日、割と緩めの服を着て出掛ける時に結構準備に手間取ってしまい、走って電車に間に合うかどうかという時間になってしまった。ましてや最寄り駅徒歩15分のところに2年住んでいたから、駅近に慣れていないが故に「走ったら間に合う」を過信しすぎる癖が全然抜けない。最寄り駅徒歩15分なら走って5分縮められるけど、駅徒歩1分とかだと縮められるものが無いからより正確な時間管理が必要になる。けどそんな上手くいかずに走って電車に向かうことが多い。

その日も玄関から飛び出して急いで電車に向かっていたんだけど、ここであの怪現象が一瞬僕に降りかかった。

手すりに服の袖が引っかかったのである。

「偶然」緩めの服を着ていたが故に「偶然」手すりに引っかかった左腕の袖が進行方向とは逆に引っ張られる。このまま階段を駆け降りたら袖が引っかかって転んでしまう。「Another」では階段がきっかけで2人死んでいる。

咄嗟に手すりから袖を外す。

階段を降りる。

特に何も起こらなかった。

急いで電車に向かう最中、
「今のすごいAnotherみたいだったなあ」
って思った。

「Another」じゃなくて良かった。

身の回りに「Another」の仕組みを理解してくれる人がいないので、皆さんに「Another」の仕組みを植え付けて階段でちょっと躓きかけた話を聞いてもらいました。


階段でいうと、うちのアパートの階段を下から見上げると「ストロベリーナイト」の2話を思い出します。皆さんご存知でしょうか「ストロベリーナイト」。

火曜日の夜やっていたドラマで、いちごの形した赤い塊にいちごの種みたいに人の目がぱちくりしているポスターがキモ過ぎる刑事ドラマです。

ドラマなのでアニメよりもより生々しくて、劇中出てくる事件も猟奇的なものが多くてすっごい怖かった記憶があるんですが、これの2話でとある警察官が「あの建物が怪しい!犯人がいるかもしれない!ちょっと見てきます!」って言って武田鉄矢の制止を振り切って階段を駆け上がっていきます。すると、2、3発の銃声と共にその駆け上がっていった警察官が転げ落ちてきます。何があったかわからないけど殉職してしまった警察官。準レギュラーくらいの立ち位置だと思ったのに。

この「ストロベリーナイト」の2話を見て以来、「階段が急で天井が低いから建物の前から階段しか見えない建物」を見ると、「この階段を駆け上がっていったら銃を2、3発撃ち込まれて転げ落ちてしまうのではないか」と思ってしまうようになりました。

今のうちのアパートがそんな感じになっているのです。どういう建物か僕には上手く説明が出来なかったので「ストロベリーナイト」を見てみてください。

家を出る時は「Another」の心配をして、

家に帰る時は「ストロベリーナイト」の心配をしながら家に住んでいます。

こんなことを言っていますが今の家を相当気に入っています。

ついに本棚を買いました。あとは引っ越しの荷解きをするだけです。

皆さんも是非「Another」と「ストロベリーナイト」見てみてくださいね。

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