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見えているそのまんま。

月とか星とか、空とか、目の前で生きているものとか。
うわあって思わず声がでたり、涙が頬をつたっていたりするような言葉にしたくないような景色を見た時に思わず写真に収めたくなるのだけれど、これがどうも上手く行かない。

見せたかったのに!と思うような一面が上手に写せない。そのことにもどかしさを感じていたのだけれど、最近、それだからこそ良いんだよなあ、と思うようになった。それだからこそ一生懸命に目に焼き付けようと思って存分に味わえる瞬間があるんだよねと。

インスタとか、ティックトックとかSNSが普及しだしてからはどの瞬間にカメラを向けるかみたいなとこあるよね、わたしもあった。大学2,3年生の時はよくあった。でもその頃のことが全然思い出せないの。写真に残っているものを見て、あー。と思い出すけれど、中身の記憶が全然なくて写真越しの思い出ばかりになってるの。

それよりも前、インスタも何もしてなかったことの記憶はたくさんあるんだよ。どんな話をしたか、どんなものを食べてどんな味をしていたのか、見た景色もたくさん。

カメラを向けることばかりに一生懸命になっていると、自分の目の前にどんな景色が広がっているのか、どんなに美しい世界があるのかに全然気が付かないし、思い出せない。

空とか星とか、すっごく綺麗だと思わず収めたくなるんだけど、解像度が悪くて思うように撮れなくてよかったなと思う。綺麗にとれていたらきっと私はそれに満足して立ち止まって自分の目に焼き付けてなんてことしなかったと思うんだ。

自分が見た素敵な世界を言葉で伝えられるような力が欲しい。誰かと一緒にいたときは、その人と一緒に思い出して語れるように目に焼き付けていたい。

便利なものが増えて溢れているけれど、いつだって自分の目で見つけて感じたものを一番大事にできるようになりたいな。

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