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モチベーションが上がらないときは


講師をやっていると、「勉強のモチベーションが上がらない」というご相談をよく頂きます。これは大事なことなので、この際noteにまとめておこうかなと思います。

モチベーションに頼る勉強は、実はNG

まず、最も大事なことは「モチベーションに頼らない勉強法を確立して欲しい」ということです。

やる気がある日はやるけど、やる気がない日はやらない、といったように、気分次第で行動が変わらないようにしてください。気持ちと行動は切り離すべきなのです。やる気がなくても、「習慣だからやる」という状態にして欲しいのです。

どんなに落ち込んでる日でも歯磨きしないで寝る日はないように、「やらないと気持ち悪い」状態にしてもらいたいのです。

いや、そんな状態にできたら苦労しない

と言われそうなんですけど、習慣化というのは、最初は低いハードルから始めるものなんです。よくありがちなのは

毎日、択一1年度と記述1問!

みたいな目標を掲げて、1日で挫折するパターンですね。いきなり高いハードルを課しているので、毎日クリアし続けることが難しいのです。

大事なのは「どれだけやるか」よりも「続けられるか」の方

これは例えば、ダイエットの目標設定などでもよくある間違いです。「食べたものを全てカロリー計算して、1日〇カロリーに押さえる!」とか「1日にリンゴ1個しか食べない」とか。

前者は面倒くさくて続けられず、後者はそもそも無理があります。こういう目標設定はだいたい失敗して続かないのです。つまり、習慣にならない。習慣にならないから成果も得られないわけです。

目標設定で大事なのは、まずは「続けられること」なんです。「どれだけやるか」は二の次。先に習慣を作って、それから徐々にやることを増やしていくのが王道なんです。

つまり、習慣化するには「ハードルが低くて毎日続けられること」を設定する必要があるんです。

ハードルの高さはどの程度にすべきか

このハードルは、「えっそんなのでいいの?」と思うぐらい低くて構いません。例えば「択一の肢1つだけ解く」でもいいんです。全くやらなければ「0」ですが、少しでもやれば「1」になりますから。

まずはそれを毎日繰り返します。できたら自分を褒める。目標を達成していますから、その日は本当にそれ以上やらなくてもいいのです。やったぜ!

ただ、それと同様に「目標は達成したから、もう少しやってもいい」わけです。「もう1肢やってみようかな」なんて思えたら、「ついでに」やっちゃえばいいのです。

人というのは不思議なもので、ほんの少しでも行動に移すと、そこからやる気が湧いてきたりします。

例えば、最初は掃除なんて全然やる気がしなかったのに、ちょっと片付け始めたら、アレもコレも気になり始めて、結局部屋中掃除してしまった、なんて経験はないでしょうか。

人は、やる気があるから行動するんじゃなくて、行動するからやる気が出るんです。

だから、最初の1歩を踏み出す習慣さえ身につけば、実はその後は結構スムーズにいきます。最初の1歩こそが最も難しい。だからこそ、1歩はめちゃくちゃ小さくしましょう。

踏み出してしまえば、あとは自然に勉強時間は長くなるんです。

20秒以内に取り組めるようにしてみよう

さて、ではその1肢解く、という習慣作りのために、もう一工夫してみましょう。それは、「勉強しようと思ってから20秒以内にできるようにする」ということです。

ハーバード大のショーン・エイカー博士によると、人は、取りかかるまでに20秒以上かかることを先延ばしにする傾向があるそうです。

つまり、せっかく勉強しようと思っても、その態勢が整うまでに20秒以上かかると、とたんに心理的抵抗が強くなってやる気を失いやすくなるのです。

そのため

  • テキストや過去問をすぐに手の届くところに置いておく

  • ノートは開きっぱなしにしておく

  • スマホアプリで勉強できるようにしておく

  • ブラウザを起動したら勉強用のページが開くように設定しておく

といった工夫をして、1秒でも早く学習態勢が整うようにしておきましょう。そうすれば、あっという間に目標達成できますからね。

それでも抵抗を感じる人は

「でも、1肢だけじゃ意味がない気がする。結局は長時間勉強しないと合格できないのだから、それができてないと気が重くなる」

という方もいるかもしれません。いえいえ、本当に「1肢やったら終わり」で構わないのですよ。それ以上はあくまで「ついで」です。「これっぽっちじゃ全然ダメだ」なんて自分を責めないでくださいね。

傾向として、モチベーションが続かない人は、自分を責めがちな人が多いです。できない自分を責めるから、さらにできなくなるのです。自己肯定感が下がるので。

自分に厳しくなりすぎないようにしましょう。目標を立ててそれを達成したんだから、大いに自分を褒めていいんですよ。それが成功体験になって「よし、明日も1肢やってみるか」という気になります。

自己肯定感が少しずつ上がり始めたら、しめたものですよ。この時点で、やる気が少し出ていることに気がつきませんか?そう、自己肯定感が高くなると、それだけ行動しやすくなるんです。

だからまずは、「どんな仕組みで、どんな勉強なら毎日続けられそうか?」を考えてみてください。

もし達成できたら、自分をねぎらって美味しいものでも食べましょう。成功したときにはご褒美も必要ですからね。

やる気が出てきたら、それをブースターにするのはOK

冒頭に、「モチベーションに頼る勉強はNG」と書きました。しかし、一方で、モチベーションに火がついたのなら、それをブースターにして一気に行動するのは構いません。

せっかく行動できるようになったのなら、それを止める必要はありませんからね。

だから、「モチベーションと行動を切り離す」のは、やる気がないときの話です。やる気があるなら大いに結構。

何人たりとも俺の前は走らせねぇ!

くらいの勢いで駆け抜けてください。

グッドラック!!

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