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誹謗中傷問題を名誉毀損で訴訟しようとしてどうなったかという話【完結】

note読者のみなさま、こんにちは。ゆたかさんです。今回は誹謗中傷問題への対応が結局のところ、どういった結末を迎えたのかというお話をさせていただきます。

ことのきっかけ

詳細は下記の記事で紹介していることが発端となります。

誹謗中傷問題への対応はどうすべきか

今回の問題に関して、たくさんの方から同じような被害に遭ったとの報告をいただきました。一般人が一般人に誹謗中傷して相手を困らせるという行為が日常化しているようです。日本人は暇な人が多いのでしょうか。面白いのか、悲しいのかよく分かりませんね。

こうした誹謗中傷問題にどう対応するのがよいかについては、下記記事を書きましたので、参考にしていただければ幸いです。

結論からいうと

結論からいうと、誹謗中傷を行った方(以下、中傷者)と示談(じだん)して和解という形になりました。

自分としては弁護士さんをつけて裁判する方向で粛々と準備を進めていたので、ちょっと肩透かしでした。中傷者が争う意志を示すなら、裁判で戦うつもりでいました。大人の喧嘩は裁判所で行うものですから。

中傷者との示談

示談は直接会って話し合いをしました。中傷者とはまったく面識がなく、全然見たこともない方でした。男性で年齢不詳、サラリーマン。在住地域は筆者の住まいとはかなり遠いところです。

筆者はもうそんなに若くないのですが、その分人生経験は豊富で、嬉しいことなのか悲しいことなのか人間関係のトラブルの経験値も多いので、こういったことには慣れているほうです。しかし、中傷者の方は少し緊張されている感じを受けました。初めて会うから、というのもあったかもしれません。

しかしながら、自分の人生において誹謗中傷を行った人間と直接話をする機会も早々にないので、いろいろと聞いてみました。示談の段階において、筆者の中には中傷者に対する怒りなどなく、ただただ興味があったのです。

なぜ誹謗中傷をしたのか

筆者には、誹謗中傷すなわち他人の悪口を言う人の心理が理解できませんでした。そもそも他人にあまり興味ないので、相手を好きとか嫌いとか、そういった感情が沸いてこないのです。もちろん、自分にとって苦手な人(特に悪口を言う人)はいますが、そういう人に対して陰口をたたくという発想はありませんし、そういった方々からは徐々に距離を置くようにして関わらないようにしています。

さて、中傷者の方に誹謗中傷した理由を聞いてみましたが、結論としては論理的な飛躍があって腹落ちしませんでした。論理ではなく感情で動いていたからなのだろうと思われます。暇だからやっていたわけでもなく、ストレス発散をしたいからというわけでもなさそうでした。もし、ストレス発散になっていたとするなら、長期間に渡ってヘイトスピーチを繰り返すことにはならないからです。

誹謗中傷は犯罪行為であり、インターネット上で大々的に行うと相手から訴えられる可能性があります。訴訟されて裁判になることで、メディアで話題になりますから、「ネット上で有名人になりたかった」というのも理由として挙げられますが、今回はそうではなかったようです。

しかしながら、中傷者は独身の方でしたので、なんとなく理由は推測できました。

トータルでかかったお金

具体的な金額は公開しませんが、今回の対応に関してかかったお金はトータルで赤字となりました。元々、お金を得ることが目的ではなかったのですが、うまくやり方を進めれば黒字にできたかもしれません。これについては今後の課題です。

また、今回の件で予定していた執筆案件がいくつかお蔵入りとなってしまったので、筆者の企業の事業としての損失がでています。金額的にはたいしたことないので(筆者の本はそもそも売れないから)、損害賠償を請求するほどのことでもないかなと考えています。

和解という決着について

今回は裁判するまで行きませんでしたが、そのほうがよかったのかなと思っています。

筆者は裁判をしてもたいした影響はありませんが、中傷者は会社員ですから、実際に裁判をするとなると会社を休むことになるでしょうし、勤務先の企業名がネット上に露見しようものなら会社から処罰(最悪は懲戒処分)を受けることもあるでしょう。

筆者のような小物と争うために、職を失ってまで争いたいという奇特な人もそうそういないと思います。アイドルや芸能人を誹謗中傷するのは無職が多いですが、筆者のような人間に対して誹謗中傷するのは一般人であり、ITエンジニアがほとんどです。昔からそうなのですが、本を出しているというだけで、全然知らない人から妬まれ、悪口を言われることもあるのです。そういった話はすぐに筆者の耳に入ってきます。

それにしても、もし裁判まで行っていたら、ちょっとすごいことになっていたと思いますね。「ITエンジニアが名誉毀損で訴えてみた」という本が一冊書けそうです。

知見やノウハウが増えた

今回の件で精神的苦痛を受けましたし、失ったものもありますが、反対に誹謗中傷問題に関する知識が増えて、人生の経験値が上がりました。それまで全然知らなかったのですが、インターネット上の誹謗中傷問題を真面目に研究している方がいるんですね。

ここでは、今回筆者が読んだ誹謗中傷に関する本を紹介しておきます。

インターネットにおける誹謗中傷法的対策マニュアル(第3版)
2019年8月に第3版が出版されていて、最新の情報が盛り込まれています。著者は中澤佑一さんで弁護士の方です。Twitterや5chなどのサイトごと、プロバイダごとの対応が解説されており、法的にどう処理を進めていけばいいかが分かります。まさにバイブルです。

ネット炎上の研究
2016年4月発売で、著者は田中辰雄さんと山口真一さん。お二人とも大学の先生で研究者です。実際にネット上で起こった炎上騒ぎを真面目に研究した内容が書かれています。自分の知らない事件もたくさんあったので、興味深く読めました。

「炎上」と「拡散」の考現学
2015年6月発売で、著者は小峯隆生さん、 筑波大学ネットコミュニティ研究グループです。炎上がどのようにして起こるのかを数式を使って表現してあり、炎上がどう収束するのかまでを、事例を使って解説されています。事例では伏せ字はしてありますが、実際のログが載っているので面白いです。

その「つぶやき」は犯罪です―知らないとマズいネットの法律知識―
2014年5月発売で、著者は神田芳明さん、前田恵美さん、深澤諭史さん、その他です。ネット上でどういった発言をしたら、どの法律違反になるかについて、弁護士さんが実例を挙げながら解説されています。これは義務教育や社員教育でもやったほうがよいですね。

人生を棒に振る スマホ・ネットトラブル
2014年7月発売で、著者は久保田裕さん、小梶さとみさん。実際に起こったネット上でのトラブルに対して、トラブルを起こした側はどうなったのか、起こされた側はどう対処したのかについて紹介されています。こちらも義務教育や社員教育でもやったほうがよいですね。

おわりに

それにしても、人生長く生きているといろいろなことが起こります。いつかこういったことが起こるのだろうなと思ってはいました。それでも、やっぱり精神的ショックは大きかったですけどね。

インターネット上ではたくさんの人が嫌がらせをされて、精神的苦痛を受けています。けれど、何も泣き寝入りする必要はないのです。度が過ぎた誹謗中傷は、法に裁いてもらえばよいのです。そのために弁護士や警察官という職業の方が存在しているのですから。

今後、また今回のような問題は起こることはあるかもしれませんが、今回で最初で最後にしたいですね。筆者の企業が企業として大きくなっていけば、企業の代表者として表に出ていく機会も増えていくことでしょう。将来、筆者の元気な姿をみなさまにお見せできる機会も増えてくると思います。

だから、その時まで……ごきげんよう。


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