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韓国語を学ぼうとしたきっかけ

こんにちは、平田豊です。今回は韓国語(ハングル)のお話です。あることがきっかけで、つい最近になってから韓国語を学んでいます。韓国語を学び始めたのは、筆者が43歳の時。年を取ってから新しい言語を覚えるのは骨が折れるのですが、反面新しいことへのチャレンジに対するワクワク感もあって楽しいです。

第2外国語

英語を義務教育で学び始めたのは中学の時ですが、公文式で小学校の高学年で英語を学んでいました。英語は高校でも当然やりましたし、大学でもやりました。

実は筆者は英語というより語学が苦手科目で、極度の英語嫌いなのです。どうも丸暗記が苦手で、暗記力が要求される科目がことごとく赤点だったのでトラウマになっています。耳が悪いのか、ヒアリングも全然できないですね。

大学に入ってから第2外国語を履修する必要がありました。選択肢は4つで、ドイツ語・フランス語・中国語・ロシア語から選べました。なんとなくドイツ語にしてしまったので、覚えることが英語よりも多く、履修が大変でした。こうして大学卒業後はドイツ語を使う場面もなく、完全に記憶から消去されました。

韓国語はさっぱり分かりませんが、大学の研究室に韓国から夫婦で来られていた方々がおりまして、韓国語と日本語を交互に流暢に話されていたのが、いまでも印象に残っています。

学びのきっかけ

これまでの人生において韓国語を学ぶきっかけがなかったのですが、2019年になって、あることがきっかけで学ぶようになりました。それは仕事で使う場面が出てきたからです。具体的にいうと、テスト項目に韓国語に関するものが含まれていたのです。

韓国語がまったく読めず、書けもしなかったので、人生の敗北を味わいました。韓国語が聞き取れるようになり、話せるようにならなくても、まずは読み書きができるようになりたいと強く思ったのでした。

韓国語?朝鮮語?

「한글」と表記すると「ハングル」という発音になります。ハングルというのは朝鮮語を表記するための文字のことです。ハングルのことを韓国語と言うのか、朝鮮語と言うのかは微妙な問題で争いが起こることがあります。テレビやラジオの講座で、韓国語講座とするのか、朝鮮語講座とするのか過去に揉めたことがあり、最終的に「ハングル講座」になったと言われています。本記事では韓国語という呼び方をしています。

韓国語には仕様書がある

日本語は遠い昔から以心伝心で語り継がれたものですが、韓国語はそうではなく、意図的に考えて作られた言葉です。元々、朝鮮には漢字の文化はありましたが、漢字を習得できない民が多かったことから、簡単な記号を組み合わせた言葉として韓国語が誕生しました。世宗(セジョン)という朝鮮王が1443年に作り、1446年に訓民正音(くんみんせいおん)という書物で公布されました。つまり、韓国語には訓民正音という仕様書があるのです。仕様書の意味を理解すれば、韓国語を読むことは難しくはありません。

ちなみに、訓民正音を作った世宗さんは韓国のお札になっています。韓国のお札では1万(単位はウォン)がもっとも高いお札で、そこに世宗さん(想像図)が掲載されています。1ウォンはおよそ0.1円なので、1万ウォンは日本円で1000円です。日本の1万円札を両替すると、10枚の1万ウォン札になります。

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基本は3つの組み合わせ

韓国語の文字を見ると、何やらよく分からない記号で書かれていますが、そこには意外にシンプルな規則があります。例えば、巷で売っている韓国のりのパッケージには以下のような文字(돌김)が書いてあります。 

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돌김の発音はあえて片仮名で書くと「トールキム」。日本語訳では岩のりです。単に「のり」と訳すこともあります。のりと言った場合、該当する文字は「김」になります。この文字を分析してみることにしましょう。

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「김」という文字は3つのパーツから構成されており、「子音+母音+子音」の組み合わせになります。文字によっては「子音+母音」になったり、他の組み合わせになるものもありますが、基本は3つの組み合わせです。

ひとつひとつのパーツは反切表(はんせつひょう)を参照することで「読み」が分かります。反切は「はんきり」ではなく、「はんせつ」と読みます。

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反切表は日本語の50音表に似たもので、韓国語を構成するパーツの組み合わせを表します。「김」の左上の「ㄱ」は、反切表で子音字の一番最初の文字です。右上の「ㅣ」は反切表の母音字の一番右の文字です。つまり、このふたつで「기」となり「キ」と発音することになるのです。次に「ㅁ」は反切表の子音字の「m」になります。先ほどの、「기」と合わせて「キム」と発音することになります。

このようにひとつの文字を反切表を見ながら解読すれば、読み方が分かります。また、パソコンのキーボードから入力する場合においても、パーツをひとつずつ打ち込むことで、韓国語の文字を入力することができます。韓国語を理解するには、最初に反切表の読み方を知ることが大切です。

反切表は、韓国語の入門書に付録として付いています。インターネットでも検索すると、反切表が見つかります。韓国語をすらすらと読めるようになるためには、反切表を丸暗記する必要がありますが、ひとまず読むだけであれば、反切表を見ながらで十分です。

韓国語というと象形文字のようで、習得はかなり難しいのではないかと思っていた方々も多いでしょうが、案外シンプルな仕様になっていることにびっくりでしたね。

パッケージ例

ここでいくつかパッケージの文字を見てみることにしましょう。

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赤字の部分に注目すると、手書き文字風で少し読みづらいですが、「돌김」と印字しています。岩のり、もしくはのりのことです。

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「궁중김」と3文字ありますが、宮中のりという意味です。

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こちらも「전통김」と3文字あって、伝統のりという意味です。

韓国のりを見かけたら、ぜひパッケージの文字に注目してみてください。ちなみに、筆者は韓国のりは好物です。あの独特の塩味がクセになります。

韓国語のことば

ここで、いくつか韓国語の言葉を紹介します。聞いたことがあるものもあるのではないでしょうか?

안녕하세요?
アンニョンハセヨ

こんにちは。疑問形になっているのがポイントです。

막걸리
マッコリ

どぶろく。韓国のお酒。

떡볶이
トッポッキ

お餅みたいなやつで鍋に入れます。

김치
キムチ

キムチ。昔は写真を撮る時のかけ声として「チャーキムチ!(はいキムチ!)」が使われていました。日本では「はいチーズ!」ですね。

찌개
チゲ

鍋料理。

블고기
プルコギ

焼き肉。

고추장
コチュジャン

唐辛子みそ。

パソコンで韓国語を扱うには

テキストエディタを使って韓国語を扱えるようにするためにはどうすればよいのでしょうか?

まずはテキストエディタで扱う文字コードをUnicode(UTF-8)にする必要があります。WindowsではデフォルトでシフトJISになることがありますが、シフトJISでは韓国語を表現できません。韓国語を表示するだけであれば、文字コードの設定にだけ注意していれば、特に何もしなくてもよいです。しかし、韓国語をキーボードから入力するためにはIME(Input Method Editor)の設定が必要となります。

Windows10では、「すべての設定」から「時刻と言語」で「言語」を選び、「優先する言語を追加する」をクリックします。インストールする言語として韓国語を選択します。

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ここで注意する点として、「言語機能のインストール」で「表示言語として設定する」にチェックを入れないということです。表示言語に設定してしまうと、Windowsの表示言語が韓国語になってしまいます。元の日本語に戻そうとしても、韓国語が読めないと設定場所がよく分からず苦労します。

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ここまでの設定が完了すると、韓国語版IMEを使えるようになります。

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このようにWindows10では多言語対応が容易に行えるので、例えば韓国語版のマニュアルを作成するために、Windowsを韓国語表記に変えることも簡単にできます。

キーボードの配置

韓国語をキーボードから入力するには、韓国語のキーボードが必要です。しかし、Windowsにはスクリーンキーボードという便利なツールがあるので、日本語キーボードでも入力が可能です。

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韓国語キーボードでは、左側に子音、右側に母音が配置されています。左手で子音、右手で母音を打ち込むので、文字入力がやりやすいです。これを2ボル式といいます。

ひだり、みぎ、ひだりと入力していきます。文字の確定はEnterキーではなく、無変換キーです。ただし、IMEから入力していく歳、一文字ずつ確定しなくても続けて入力すれば、いい感じに処理してくれるようになっています。例えば、キムチの「김치」であれば、김を入力して確定することなく、치をそのまま打ち込めばよいのです。

韓国語のキーボード配置を覚えるには、タイピングゲームで練習するのがいちばんです。筆者は下記サイトで夜な夜な(?)練習しています。

参考図書

韓国語を学ぶ上で読んだ本を紹介します。

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おわりに

反切表とスクリーンキーボードを見ながらですが、なんとか韓国語が読み書きできるようになりました。日々、訓練を重なれば、そらで読み書きできる日も近いような気がします。年を取ったら、新しいことが覚えられなくなるとはよく言いますが、結局のところはやる気次第なのかなと思います。

韓国語はまったく興味ありませんでしたが、ちょっとしたきっかけで学ぶ機会を得ることができました。なかなかよい人生経験ができて、よかったです。


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