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節目

人生の節目はちょっとしたきっかけで、図らずも突然やってくる。

という風に書き出すと、かなり意味深になってしまうけど、今回はそんな節目のお話。

冒頭に「ちょっとしたきっかけで、」と書いたけれども、実際はずーっと前から自分の中に散り積もるように、些細だけど釈然としない小さいことが堆積していって、ある瞬間それが堰を切ったように流れ出ていくのだと思う。

そのきっかけは、決して大げさなものではなくて、小さな小さなことであることが多い。誰かがぼそっとつぶやいたことだったり、突然明日までに決断をせまられたり。ぱんぱんに膨らんだ風船に、針をぷすっと刺す感じ。
振り返ってみると、少なくとも自分の場合はそういう瞬間が人生の節目となっている気がする。

高校の時に1年休学して留学したときも 1996
音楽か就活で悩んで就活したときも 2002
社会人3年目でアメリカの本社へ片道切符で転籍したときも 2005
5年前にシリコンバレーで起業したときも。 2015


節目となるきっかけが来る前、すなわち釈然としない小さなことが自分の中に堆積しているとき、知らず識らず周りのひとへもその違和感のシグナルは出していて、徐々に大きな流れが自分の内外で作られていくのだと思う。
ひとによっては、その異音のシグナルの出し方が、明確な相談とかではなく、なんとなく酒の席でぼそっとつぶやいていたり、仕事に集中できてなかったり、読む本が変わったりだったり。
自分の場合は、心から笑えなくなっている、というのがそれに該当していることが多いらしい。


大切なことはその大きな流れができている時、その大きな流れに逆らって泳いだらダメということ。これは得てしてそういう流れを意識していない人に多い。大きな流れに気づいていない、もしくは認めようとしないから、なにか得体のしれないものに飲み込まれて自分を失ってしまいそうな感覚に陥り、必死にそれに抗ってその場に踏みとどまろうとする。

本当はその流れを味方につけて、自分の身を任せてみることが大切なのに。

もし流れに身を任せて失ってしまうようなものであれば、最初から固執することも執着することも無いもの。大切なものはどんな形であれ必ず着いてくるし、その大きな流れを味方につけて身を委ねたほうが、人の何倍も早く前へ進める。

1つ誤解して欲しくないのは、これは易きに流れろ、という話では決してない。

当然ながら歯を食いしばって、気合を入れて乗り越えなくてはならないことは山程ある。でもそれは節目ではなく、何をやるにしても訪れるその時その時の挑戦で、大きな流れとは違う。そこは逃げずにぶち当たって行く必要がある。
その見極めを自分ですることが肝心だと思う。

例えていうならば、目の前に滝があって、その滝をどう乗り越えていくか?節目を形成する大きな流れは、傍から見ていると気が付かないけど、とても力強く早い大河の流れのようなもので、逆らえないもの、というイメージだろうか。


そして大切なことは、一度流れに身を任せてみると決めたら、過去にとらわれずに前だけをみて流れること。ここで中途半端に振り返ったりすると溺れて、過去にした決断を後悔することになってしまう。

とはいうものの、完全に腹落ちした上で流れに身を任せ新たなステップへ行く、なんてことはそうそうない。むしろここまで全身全霊本気でやってきたからこそ、100%納得して流れに身を任せるというのは難しい。
でもだからこそ一度乗ると決めたら、振り返ってはダメだと思う。今までの努力を味方につけるためにも。


自分は大きな流れを感じたときは、迷わず信じて身を委ねるようにしています。変化はチャンス。


Have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary.
-Steve Jobs

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