ハルゼミとエゾハルゼミ

息子と二人でソロ登山
駅に降り立った息子は
そそくさと登山口へ向かう

コンビニで
食料と水を調達しているとLINE

「先に登ってるよ」

息子との登山は
だいたいこんな感じ

駅から登山口までの道も
楽しいのだが
息子は
あくまで登山が目的のようだ

食料をリュックに入れて
登山口まで歩く

標高の高い駅なので
麓の田んぼは
田植えが終わったばかり


登山口につづく林の中は

ギーギー

と、にぎやか

聞いたことのない鳥の鳴き声だな?

と思ったが
どうも様子が違う
これは鳥の鳴き声じゃないな
セミの鳴き声だ

6月に鳴くセミといえば

ハルゼミ

名前は聞いたことがあるけど
鳴き声を聞いたのは初めて

気づくと
林はセミの大合唱

山笑う

という季語があるが
これではまるで

山歌う

だな

セミの鳴き声に押されるように
登山口までの道を登ってゆく

道を登るうちに
もう一種類のセミの鳴き声が加わる

カナカナカナ

ん?
ヒグラシ?

ヒグラシより声が高い

ネットで検索すると
エゾハルゼミ
と出てきた
コチラも早い時期に鳴くセミ

抜け殼でもあれば
持って帰るんだけどな

心の中の小学生が
ムクムクと起き上がる

蝉時雨に押され
前を歩いているであろう
息子の後を追う

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