あなたの指が私を覚えているなら、私はドコであなたを覚えているだろう


あなたが私に入ってくる

私の手が
あなたを探す
あなたの手が
私を受け止める

待って

動こうとする
あなたを
私は言葉で
止める

肌と肌が
触れる

その感覚を
確かめる

肌の表面の
細胞ひとつひとつが
あなたを求め
あなたを感じている

腕をあなたの
背中に回し
もっともっと
あなたをもっと
感じたがっている
私がいる

唇があなたを求め
あなたはそれに応える

私の舌が
あなたを求める

あなたの形に
私が馴染む
頃合いを見計らって

私が動く

あなたも応える

二人の夜

二人だけの夜

打ち寄せる波

暗い夜の向こうから
次々と
寄せる波

その波に
身を委ねる
二人

やがて
波頭が
白く砕ける

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