正義とは何か

長谷川博己さん主演の『アンチヒーロー』、石原さとみさん主演の『Destiny』、木村拓哉さん主演の『Believe-君にかける橋-』これら3作を視聴して正義とは何かを考えさせられた。

まず、『アンチヒーロー』
有罪の人でも無罪にする明墨弁護士(演:長谷川博己)。
彼は殺人の罪を犯した者までも無罪にしてしまう。
しかし、その裏では15年前、検事時代に自らの過ちで死刑判決に導いてしまったとある死刑囚の冤罪を晴らすために奔走していた。
物語が進むにつれて、黒幕である伊達原検事正(演:野村萬斎)へと近づいていく。
そして、最終回。
緑川検事(演:木村佳乃)、瀬古判事(演:神野三鈴)、明墨事務所の白木(演:大島優子)らの尽力により、伊達原のこれまでの悪事が明らかになり、15年前の事件も冤罪だと判明する。
以上のことから、明墨の行為は、全ては15年前の冤罪事件を晴らす為だと理解でき、そのためには罪を犯した者でも疑惑晴らすためなら無罪にしてしまう『アンチな』弁護士とタイトル通りとなった。
また、狂言師である野村萬斎さんのオーバーなリアクションで悪役伊達原の怪演が見事であったと言ってよい。

次に『Destiny』
物語は20年前から始まる。
信濃大学法学部(おそらく信州大学経法学部がモデル)に在学している西村奏(演:石原さとみ)は野木正樹(演:亀梨和也)と出会う。それをきっかけに森知美(演:宮澤エマ)、及川カオリ(演:田中みな実)、梅田祐希(演:矢本悠馬)と知り合い、青春を送る。
奏と正樹が恋仲になり、幸せな時がずっと続くと思われたが、カオリの事故死と関連し、正樹は突然、奏たちの前から姿を消す。
20年後、奏は検事となり、横浜地検で中央支部長の大畑節子(演:高畑淳子)の下で働いていた。
正樹失踪後に知り合い、恋仲となった奥田貴志(演:安藤政信)とは婚約中で結婚目前だ。
ある日、カオリの13回忌で久しぶりに母校を訪れた奏は正樹と再会し、運命の歯車は大きく動き出す。
正樹の父・野木浩一郎(演:仲村トオル)と奏の父・辻英介(演:佐々木蔵之介)の関わり、更には東忠男元内閣総理大臣(演:伊武雅刀)の登場など政官法曹の世界を交えた因縁が明らかとなる。
最終回では、奏が正樹との出会いを『最初から出会ってはいけない運命』だったと悟るが、2人が道路の向かい側で微笑みながら幕を閉じるといったシーンとなった。
ドラマの中で『運命』という言葉が繰り返し使われていたが、それぞれ異なる意味を持つ『運命』だと気がついた。
また、野木弁護士には野木弁護士なりの正義、奏には奏なりの正義、正樹には正樹なりの正義…と登場人物によって『正義』の定義が異なるように感じた。

最後に『Believe-君にかける橋-』
大手ゼネコン「帝和建設」の土木設計部・技術部長である狩山陸(演:木村拓哉)は龍神大橋崩落事故の全責任を負い、懲役1年6ヶ月の判決が下り、国立刑務所に収監される。
しかし、面会に来た妻の玲子(演:天海祐希)が病魔に侵されていると知ると、脱獄を決意。
同房者の野口ヒロト(演:濱田龍臣)、刑務官の林一夫(演:上川隆也)の助けで脱獄すると自らの冤罪を晴らすために奔走する。
物語が進むにつれ、龍神大橋の崩落の真相が明らかになり、東京都知事榛名文江(演:賀来千香子)の暗躍も明らかとなった。
ここでも陸の橋屋としての正義、帝和建設代表取締役社長磯田典孝(演:小日向文世)の正義、榛名都知事の正義が明確化していた。
そして、ウルトラマンジードで主人公の朝倉リク/ウルトラマンジードを演じた濱田龍臣さんが今度は囚人として登場するなど、その演技力には感動した。

この3作を通して、「正義とは何か」と考えさせられた。
そして、これは自民党の裏金事件に端を発した政界の混乱にも当てはまる。
正直で真っ当な政治を取り戻し、失われた30年を取り戻し、豊かな日本という国家を再建しようではないか。
その為にも、『政界の正義』を我々国民の手で作り出そうではないか。


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