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大阪府医療支援③

新大阪駅に到着

美味しそうな食べ物が並ぶ

数年前、横浜でお世話になった大好きな先輩に再会するために

大阪旅行をした時

551の肉まんを買い与えてもらって

「新大阪に着いたらとりあえずこれ食っとけ。」

そう言われたのを思い出して

買ってみようかと思った矢先

僕の住む田舎とは桁違いの人混み

そもそも人混みを避けて生活して数年

免疫の衰えを痛感して逃げるようにタクシーへ乗り込む

目的地を伝える前に窓を開けた自分に

少しだけまた怖くなって

大阪府に準備して頂いたホテルへ向かう

「荷物も大きいし旅行かい?何処から?」

そうタクシーの運転手の方に声をかけられた

別に嘘をつくこともないかと

「仕事です。群馬県から来ました。」

「こんなご時世に仕事で大阪なんて大変だなー。」

何気ない会話

「大阪府も今は大変ですもんね。」

そう告げると何かを察した運転手さん

「もしかして全国からの医療スタッフかい?」

「はい。お手伝いに来ました。」

ニュースになっていた様で全国から医療支援が来ることを知っていた様子

その後は会話が途切れてしまい、目的地のホテルのロータリーに到着

タクシー代を確認するとメーターが点いていなかったことを知る

運転手の方が

「俺は治療も点滴も出来ないから、これくらいやらせてくれ。」

結局僕はタクシー代を払うことなく目的地に辿り着いた

「いやいや、タクシー業界も大変でしょうよ。」

ただ、人の温かさを感じた一時だった

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