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私とたい焼きと小説と

私は趣味で小説を書いています。

中学生くらいから書いてますけど今は主に原作がある作品の設定を借りて書くいわゆるファンアートがメインです。主なジャンルは大事にされて来た今は美術品のアレが年を経てイケメン化したという設定のアレです。英訳するとSwordDanceがタイトルになるやつ。

タイトルがたい焼きの記事でヲタの活動ジャンルの説明必要?って感じですが一応関係あります。私は元々自分のサイトで作品公開していたんですが、当時のメインジャンルの原作(ゲーム)が発売されてからかなり経過していたので同じ趣味の人と交流する機会がすごく少なかったんですよね。

それでまあ、軍艦が美女や美少女の姿で戦うゲームのブームを受けてブラウザでプレイするゲームを始めた事がきっかけで刃物がダンスする所に来たわけなんですけれど、レンタルしていたサーバーの契約どうするかなっていう所でpixivを利用してみた所、めちゃくちゃ人がいてびっくりしました。

どういう事っていう感じですが、サイトの場合、私のレンタルスペース知ってる人が一日に一回くるかどうか状態になっていたのに対して(私がマメに小説書いて更新していた最盛期は毎日数十人くらい来てくれていた時期もあった)投稿サイトでゲームのサービス開始直後という事もあって自分が書いた話が一日で500pvとか普通に行くわけです。これが旬ジャンル…ってなりました。

大体、なんらかの作品作って世に公開する人って多かれ少なかれ自己顕示欲があるわけですよ。私もそれはもちろんめっちゃある。そこで「読んでくれる人がいる」「反応がある」「ランキングとかもある」とかなるとテンション上がりますよね。どれくらい私がのぼせていたかというと、pixivに初めて作品投稿したのが2015年3月5日なんですが、その後一ヶ月で短編+中編小説合わせて4作投稿していて文字数が10万字超えてました。単純に400字で割っても原稿用紙250枚で、スペースとか改行の事計算に入れたら300枚超えてるかも。具体的に言うとそれなりな厚さの文庫本が作れる文字数です。

「ママー見て見て~」のノリを名前も顔も知らない通信越しの不特定多数の方にやらかした結果、それが御縁で親しくさせていただく人ができるきっかけになったのでビバヲタ趣味という感じなんですが、一つだけデメリットが発生しました。それが体重の増加です。

これは小説書くのに没頭して部屋に籠もりきりになったからとかではなく、たい焼きの過剰摂取が原因です。

どういう事だっていう感じなんですが、私に対して色んな人が「あの話を書いた人」みたいなアイコンとなり得る話がいくつかありまして、たまたまその話を書いていた当時、私はたい焼きにハマっていたんですね。

私の居住地、絵に書いたような少子高齢過疎みたいな感じでして、たい焼きとか回転焼きのお店を営んでいた店主さんが次々に高齢を理由に閉店されてしまい、たい焼き店の空白地帯になってしまっておりました。(刀が踊るずっと前からです)

たい焼きに関しては車で一時間ほどのちょっと大きい町に出て、おいしい専門店から買って帰るスタイルに慣れていたのにも関わらず、フランチャイズだったそのお店も撤退してしまい、たい焼き日照りにあえいでいた記憶が残っています。

そこに現れたのがとあるチェーンの看板を背負った移動販売スタイルのたい焼き屋さん。そこのお店のたい焼きがめちゃくちゃおいしかったのです。

あずきあんは言うに及ばず、クリームが粉で硬めに仕上げたクリームパンスタイルではなく、とろりと柔らかいタイプで、チョコたい焼きはクリームたい焼きの中に板チョコを仕込むというそのお店で初めて遭遇したスタイル。

このお店、お祭りの屋台と同じテントを使って、スーパーマーケットに週に一回現れる営業形式だったため、お店の人に来る曜日を確認して通い詰めておりました。そして体重が爆発的な増加を迎えるわけです。

それがなにゆえヲタク趣味に関わるかといいますと、「たい焼きを食べるといい話が書ける」という経験則が生まれたからです。いや、ほんとの話。

「おいしいたい焼き屋さんが現れる」→「毎週食べる」→「時に冷凍しておき、ご褒美に食べる」という展開になっていた所、スランプを迎えてしまった私はストレス発散のためにたい焼きを食べました。そしたらサクサクと手が進むわけです。そこで「読者さんの反応が良かった長編を書いていたときにはたい焼きを食べていた」という事に気づいた私。せっせとたい焼きを食べてキーボードを叩きまくりました。一日2~3枚食べていた時もあったかな…そりゃ太るよみたいな話なんですけど、自分の中で「たい焼きを食べたらいい話が書ける」みたいなジンクスが爆誕しちゃったわけですね。

冷静に考えるとたまたま調子が良かった時にハマっていたお菓子がたい焼きで、砂糖の摂取によって脳がリラックスする成分のトリプトファンの合成に必要なぶどう糖がガンガン供給されるわけですから「たーのーしー」みたいな感じで作業ができるわけですよね。(なお、ぶどう糖はお米でも摂取できるし血糖値の急激な上昇がない分おにぎり食ってた方が体にも家計にも優しいという事実)

たい焼き効果の現実的な部分はさておき、私の中でできたジンクスは「太るからたい焼きを控えなければならない」という抑制された状態によって信仰のような物に変化します。「いい話を書きたいならたい焼きを食え」と。自分で勝手に思ってるだけでなくフォロワーさんにも勧めていました。(ちなみたい焼きの販促については現在進行形で行っています)

そして私は引き返せない道に足を踏み入れました。アイコンをたい焼きの画像にしたのです。

なんでそれが引き返せない道かといいますと、アイコンをたい焼きにして「たい焼き食べるといい作品作れる」と連呼し続けたがために、私のTwitterアカウントを知る人の認識が完全に「たい焼き=ゆすらという名前のアカウント」で固定されちゃったわけです。

そして定着してしまうとどういう事になるかと言うと、私がアイコン変えると相互どころか相互さんのフォロワーさんまでザワつくようになりました。こんな感じで。(焼鮭が食べたいのに鮭がなかったので焼鮭の画像にアイコンを変更した直後の私のTLの様子です)


この影響力すごくないですか? 企業がロゴとかテーマ曲の定着させるために莫大な広告費を使っているという現実の横でアイコンたい焼きにして謎の信仰をつぶやき続けると小さなたい焼きの画像が見えなくなるだけでこんな騒ぎが起きるんですよ。ちょっとすごくないですか?

アイコン画像とアカウントの紐付けが強固になるとどういう現象が起きるかといいますと、そのうちフォロワーさんが調教されはじめ、変わったたい焼きをwebで発見するとその情報をシェアしてくれるようになります。また、でかけた時に変わったたい焼きを発見すると「こういうゆすらさんを発見した」とツイートし、終いには「たい焼きに妙な親近感を覚えて購入する機会が増えた」という報告までいただきました。

こうなってくると私その物が「小説を書くたい焼き」みたいな扱いになってしまい一種のミーム汚染が広がった状態といえます。多分うっかりこの記事を読んでしまった方のうち、3%くらいはたい焼きが食べたくなって来ているはずです。食べて下さい、さあ、早く。

ここで暴露しますと、たい焼きは私の唯一無二の好物というわけではなく、全く食べない時期もありますし、夏場は生どら焼を食べている方が多いです。しかしネットでのペルソナがたい焼きであるがために今度は自己暗示にかかってしまい、しばらくたい焼きを食べていないと何かまずい気がして来ます。(卵が先か鶏が先かのたい焼き版みたいな現象)そして思う事がアレとなるわけです。「いい話が書きたいならたい焼きを食え」と

イワシの頭も信心からっていいますが、私にとってたい焼きが大体そんな感じです。たい焼き食べていればまあなんとかなるよね、みたいな。こういうって多分理屈ではなくて心の持って行き方の一つみたいな物で、人によってはゴディバのチョコだったり森伊蔵だったりイクラだったりするのかもしれない。ある意味では心の安全ベルトになる食べ物があると人生はちょっと楽に楽しくなると思います。

そんなわけで、多分私がこの名前でwebで活動する上ではたい焼きの皮を脱ぐ事はなく、たい焼きでなくなるのは「ゆすら」という名前のweb上の人物が消える時かな、みたいな気持ちでいます。

ここまで長々読んで下さった方、ありがとうございます。ではとりあえずお財布かそれに該当をする物をお手元にご用意下さい。そしてコンビニかスーパーで結構ですのでたい焼きを購入して下さい。たい焼きはあなたを裏切りません。たい焼きを食べて。さあ、早く。



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