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ナーチャリングを成功させるための秘訣

前提
以前の職場では、1人でアポも取得から契約締結、その後のフォローまで行っていました。
その中で、自然とナーチャリングも行っていましたので、本記事では、当時の成功/失敗事例についてまとめました。

私は実践していませんでしたが、MAツールを導入している場合は、種別やアクションなどにポイントを策定し、スコアリング付けられると尚良いです。

ナーチャリングの概念

ナーチャリングとは、プッシュ型、プル型含め、何かしらアクションが無かった顧客が対象となります。
言い換えると、一度は持っていた興味関心を失っている状態です。
料理で例えると、冷凍された食材と同じです。その食材をレンジや常温で解凍することがナーチャリングに当たります。

簡潔に言うと、
興味関心を再燃させ、温度感を高め、次ステップに進めることです。

当たり前のことですが、一度興味関心を失った状態を改善するのはとても大変な作業です。
まずは、温度感を高める前に、興味関心を再度持ってもらうことを意識しましょう。

自身に置き換えて考えよう

一度興味があって問合せたが、色々聞いてみたら必要ないと判断したものに対して、色々な形で接触されるわけです。
正直ネガティブな心象を持たれることも多々あります。
自身が興味のない電話やメールを受けても、時間の無駄と感じるはずです。

意識すべきことは、同じことの繰り返しになりますが、
ナーチャリングとは、興味関心を持ってもらうことが第一歩
ということです。

興味関心を持ってもらう事に集中する

ナーチャリングするうえで、営業担当自身のモチベーションコントロールが大事です。
勿論、メールやメルマガを活用したりすることもありますが、電話アプローチが多くなります。
時には上手くいかないことが続くと、モチベーションも下がります。

そんな時は、トスアップ等の目標となる数字よりも、如何に興味関心を持ってもらえるか?という点を重視すべきです。
確かに、成果という数字には表れないかもしれないが、色々なアイディアを創出し、お客様の反応を伺い、質問が来たり、興味を持ってくれたなら、喜びましょう!

心の中でガッツポーズして、仮にトスアップに繋がらずとも、その積み重ねが大きな一歩になるんだ!と自分を褒めてください。

商品知識と顧客解像度を高められる

ナーチャリングを続けていると、商品に関する活用例などを提示したり他社事例を具体的に紹介することになります。さらに、質問なども受けることもあります。
必然的に、商品知識に詳しくなります。
質問の中には、自社の運用にマッチしているのか?という内容もあります。具体的な運用フローなどをヒアリングすることで顧客解像度も高められます

スクリプトが重要

戦略的なアプローチや、成功失敗事例を蓄積し、最適解を導き出すことが重要です。
型を作り、PDCAを回しやすい仕組みを構築すると、拡張しやすくなります。こちらについては、別記事に記載します。

優先度策定

まずは優先度を定めましょう。これを間違えてしまうと、無駄な作業に時間を割くことにもなり兼ねません。
スクリプトの磨きこみに注力する順番にも関わります。

ナーチャリング対象の種別

大きく2つ+2つに分類できます。
・興味関心が移った
・興味関心を失った

・状況不明
・他社契約

種別のブレイクダウン

種別を細分化していくと、アプローチ優先度が見えてきます。

  1. 興味関心が移った

    • 忙しく検討できない

    • 検討自体が見送り(ペンディング)になった

  2. 興味関心を失った

    • コストが見合わない

    • 実績が少なく不安

    • 機能が足りない

    • 自社で活用できるイメージが湧かなかった

  3. 状況が不明

    • 連絡はついたが、見送り要因明言無し

    • 一定回数返信あったが、途中で連絡が途絶えた

    • 初回返信すらなかった

  4. 他社契約

    • コスト部分がネック

    • 機能部分がネック

    • 実績がネック

    • セキュリティがネック

    • 提供形態(クラウド利用不可)がネック

実行に関わるブレイクダウン

関心が移った場合

その内容を確認することで打ち手が見えます。
・社内で別業務が優先になった
・予算が取れなかった
・担当者が変更になった
・要件再精査を命じられた
それぞれの対応方法を分解します。

  • 社内で別業務が優先

    • 例「社内で他に優先して検討しないといけない状況になりました」

      • 会計システム検討していたが、契約管理の整備が必要になった等

        • 心情:会計システム検討は後回し

          • 対応策:後になるが検討は再開見込みあり

  • 予算が取れなかった

    • 例「事業予算が取れませんでした。いったん仕切り直しになります」

      • 心情:導入したかったけど予算が無いから動けない

        • 対応策:予算が取れれば動ける。予算取りサポート

  • 担当が変更になった

    • 例「担当変更になったので、状況把握含めて一旦社内で検討します」

      • 心情:今までの経緯分からない。

        • 対応策:過去経緯含め資料化して担当者へ共有

      • 心情:自身が苦手なシステム関連はやりたくない

        • 対応策:社内の温度感を確認し、来るべき時に備えましょう

  • 要件再整理が必要

    • 例「会社から、検討が甘いと指摘があり、社内で検討の必要性からまとめなおさないと動けなくなりました」

      • 心情:会社に必要性を再提示しないといけない

        • 対応策:再整理からお手伝い

関心を失った場合

一度失ったものを回復させるのはとても難しいタスクです。
※信用信頼の回復と同義
とは言え、更に細分化していくことで攻めるべきポイントが見えてきます。

何かしら興味関心を失った要因が必ずあるはずです。
その要因が見えているか否かは重要です。
これがアプローチする優先度にも関わります。

  • 機能足りない

    • 機能アップデート情報をフック

    • 機能活用例、インタビュー記事をフック

    • 機能要望ヒアリングをフック

  • 実績不安

    • 導入実績アップデートフック

    • 大手導入実績フック

    • 公共導入実績フック

  • 活用イメージが出来ない

    • 社内事情をヒアリングしイメージ案作成フック

    • 業務フローの整理サポートフック

  • コスト

    • キャンペーンフック

    • 新プランフック

状況が不明

状況が分からないことには、正しいアクションが難しくなります。
とは言え、要因を分解することで、一部活用できます。
それが、やり取りが一定数あったものです。
やり取りは一定数あったが、離脱した要因が分からない場合にはナーチャリングの余地があります。
可能であれば、状況をはっきりさせることがベストです。
そうすれば、「状況が不明」というレベルから、関心移った、失ったのレベルに引き上げることが出来るからです。

やり取りが少しはあったが途中で連絡付かなくなった場合も、優先度は低いものの、僅かながら可能性が残ります。

それ以外については、限りなく可能性が低いため、人的コストを掛けないことが望ましいです。

  • やり取りあったが要因非開示

    • メジャートピック(導入実績やウェビナー等)

  • やり取りあったが、音信不通

    • 新規コンテンツ配信(インタビュー/プレスリリース等)

      • 何かしらのアクションが発生するまでは自動化で工数掛けない

  • 初回からレスなし

    • 一斉資料請求サービス利用

    • 資料収集のみ

    • 競合からの調査

    • 担当趣味

      • 新規コンテンツ配信(インタビュー/プレスリリース等)

他社で契約

競合他社で決まった場合には、余程のことが無い限り挽回は難しいです。
※余程とは、実運用できなかった、思っていたものと違った等
とは言え、長期的視点(3年~5年)で見た場合には、リサイクルが出来る場合もあります。
※単価が安ければ期間は短く、高額になればなるほど期間は長くなる

離脱要因をデータと照らし合わせて、マッチしたコンテンツや情報提供が望ましいですが、ネタにも限りがあるので、アプローチスパンを6カ月程度伸ばしながら、工数を掛けずに他の施策に組み込んでアプローチを継続しましょう。

いつかは、再検討の時期が来るかもしれません。可能性は低いですが、サービスによっては、5年スパンでリプレースを検討するものもあります。

まとめ

最近は、インサイドセールスという部門が立ち上がり、専門的にナーチャリングを実行する会社が増えています。
とは言え、電話をしたりすることが多いので、精神的負荷が高いのも事実です。
モチベーションをコントロールしつつ、戦略的に、そして継続して獲得したリードを効率よく活用しましょう。

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