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『光と陰』



先日35歳になりました。
30代も半分経過して30代をここまで振り返るとあっという間に過ぎたなというのが正直な感想です。
30代残り半分も日々自分と向き合って成長していきたいなと思っているので今後も田中裕介の応援を
よろしくお願いします。
35歳のスタートは怪我と向き合う事からになったので、ここでサッカー選手の光と影の部分について少し話したいと思います。

ー右膝内側側副靱帯損傷全治3ヶ月ー

10日前のトレーニング中の接触プレーで負傷し
病院で全治約3ヶ月の診断を受けました。
プロサッカーの試合シーズンは約9ヶ月間なので
約3分の1を棒に振る事になり
選手心理としてはかなりきついものがあります。
2月末の開幕前に負った別箇所の軽度の怪我も癒えてコンディションも上がってきて、日々慎重に準備をしてきた中でのアクシデント的な怪我だったので
悔しさややり切れなさも非常に強く感じています。
昨日まで太陽の下を走り回っていた自分が今は膝に装具をつけて室内から仲間の練習を見る。
辛い事です。
ただ一歩間違えればシーズン全てを棒に振るか
選手生命存続の危機を感じる怪我につながる
可能性もあったのでポジティブに捉えてリハビリに励んでいます。


僕はここからタイトル名のいわゆる陰の部分にあたる期間に入っていく訳なんですが、サッカー選手に限らず全ての人の人生に光と陰の期間があると思います。中にはずっと光の中を進んできたスーパースターみたいな人もいると思いますし、ずっと光の当たらない陰の中を進んでいる人もいると思いますが
基本的に2つの期間を経験しながら人生が進んでいるのではないでしょうか。
 
『人生山あり谷あり』

こういう言葉もたまに耳にします。
意味はおそらく同じ意味だと思います。
苦しい事悲しい事があって、楽しい事嬉しい事がある。
その繰り返しが人生なのかなと思います。
サッカー選手の光。
それは試合に出場して活躍してチームを勝利に導く。
試合に出場し続けて怪我なくシーズンを通して
主力としてプレーする。
チームを上位に押し上げてタイトル争いをする。
国やチームやカテゴリーは違ってもこんなところになると思います。
僕自身も経験してきました。
数万人のお客さんの前で痺れるようなプレッシャーの中で躍動して勝利に貢献する。
光の中を走って最高の気分でプレーする。
本当に気持ちの良い瞬間です。 

「人生うまくいってるな。」

こんな感覚になることすらありました。
そういう期間は特に物事を深く考えたり、自分はどういう人間でどういうサッカー選手
なのかをうまく客観視できない期間があります。
中には常に課題と向き合って自身の成長のために
突き進める優れた選手もいます。
ただそれはほんのひと握りの選手であり、尊敬に値する選手です。
僕の場合そうやって考えて過ごしてきた期間はあるものの今振り返ってみると、その期間よりも自分自身がより人間的に成長できたなと思える期間があります。
それは陰の期間です。
陰の入り口はどんな時も苦しいです。
どんな人であれ苦しいはずです。
サッカー選手の陰。
試合に出られない、怪我をしてしばらくプレーができない、足が痛くてどうしようもない、監督と合わずに干される、チームが連敗して抜け出せない、契約が終わりプレーするチームがなくなる。
僕が経験してきた陰の期間になります。
ざっと出すとこんな感じです。
始まりは小さいものでもどんどん大きくなる陰もありました。
一度陰に入ると簡単に抜け出すことは難しいです。
1ヶ月、3ヶ月、半年、1年、3年、もっと長い陰もあるかもしれません。
そんな時皆それぞれ違う解決法を持っているかと思います。
僕の場合そんな時こそ周りではなくまず自分自身に目を向けることに力を入れてきました。
練習中には自分はどういう選手で
何が得意で何が不得意なのか。
今何が足りてて何が足りてないのか。
なぜ今、陰の中に入ったのか。
監督コーチに聞きに行くこともありましたが、
まずは自分で考えてそれに取り組むという意識を持ってきました。
自分より優れている選手や自分にないものを持っている選手の事が羨ましくなる時もありましたが
まずは自分自身を理解できなければ勝負以前の問題なんではないかと思い、自分に目を向けることに注力してきました。
その中でなかなかトンネルから抜け出せなかったり、どうしても今回のような怪我に悩まされる時もあります。そんな時は自分にこう問いかけてきました。


「自分はどういう人間で何をしている時が幸せなのか。
今なんで苦しんでいるのか。
自分の悩みは果たして自分の人生の中でどのくらいの大きさのものなのか。
今自分が取り組んでいる事は誰のためのものなのか。」


今までサッカーに関わることで自分がしてきた事が努力や苦労と呼ぶとしたら、それは正しくないように思っています。
幼い頃から大好きで続けてきた事で決して誰かに
強制されて続けていることではない。サッカーをしていれば熾烈な争いや厳しい練習、走れなくなるくらいの怪我は当たり前。それが嫌なら今すぐ辞めればいい。そうやって自分を奮い立たせてきました。
この苦しい期間は自分の成長のためには必要な事で当たり前な事なんだと年齢を重ねるごとに思えるようになりました。
本当に苦しい時は一休みすることも大事な事です。一旦投げ出してもいいと思います。
僕の場合何もしたくない時や先が見えなくなった時は一度進む事をやめて思い切り休んでいっぱい寝ます。
次に光の中を走るイメージを持ちながら体力を
蓄える感覚でじっとします。
そこで先程あげた事を自分に問いかけることが大事です。
逃げ出す事や辞める事は決して恥ずかしい事ではないです。
ただそれは自分が全力を出し切っていればの話です。
自分自身が自分の最大の理解者になり自分を信じきる事が陰の中を突き進む秘訣だと思っています。
あくまで僕個人の考えですので、もし誰かの人生に少しでも参考になればと思って話しました。
トンネルから出るときの光は眩しくてワクワクします。
いつも車を運転する時もあの瞬間は大好きです。
今は怪我を早く治してパワーアップした姿で
スタジアムで躍動する。
それだけを考えて前向きにリハビリに取り組んでいます。
最後に僕が尊敬するアスリートの方の言葉で
この回を終わります。




結果が出ない時、どういう自分でいられるか。
決してあきらめない姿勢が何かを生み出すきっかけを作る。      

- イチロー - 




読んで頂きありがとうございました。











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