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大人がゼロから高校数学を学ぶには

今年の4月くらいから毎朝1hくらい、数学を勉強するのが日課になってます。数学1の式の展開から始めて、今は数学2の前半まで進んでます。夜寝る前にも微分やベクトルの解説動画を見ながら寝るのがローテーションになってます。

始めた頃はめちゃくちゃ効率の悪い学習をしてたのですが、試行錯誤を繰り返し、今は安定して勉強ができているなあ、と思えるようになってきたので、ここにnoteをしたためようと思います。

数学を学びはじめたきっかけ

自分は工業高校だったので、きちんとした数学を学んでいませんでした。他の工業高校はわかりませんが、自分が通っていた高校ではほんといい加減で因数分解のたすき掛けを習った記憶もありませんし、平方完成を習うこともありませんでした…。(実は習っていたけど自分が覚えてないという可能性も十分あります…)

そのために大人になってから、自分が一般的な高校生が身につけるべき基礎的な教養をまったく持ってないことにずっとコンプレックスをもっていました。いつか時間ができたらちゃんと勉強しよう、と思いつつ、卒業して20年も経っていました…。

そんなある日、こちらのnoteを見つけました。

自分はそれまで、数学をちゃんとやろうやろうと思いつつ、具体的に何から始めればよいのかわからなくて躊躇していました。それが、このnoteを見たときに「そうか、まずは参考書買ってやればいいんだ」と思うことができました。いやそんなの当たり前でしょ、と思われるかもしれませんが、このnoteを見たことで最初の一歩をようやく踏み出すことができました。いつかこのnote書いてくれた方に感謝を伝えられたら、と思います。

まずこの記事で言いたいことのまとめ

『数学を学ぶには動画コンテンツが適している』
『効率よく高校数学を動画で学ぶには「数学のトリセツ」が最強』

MY BESTの参考書を買ってみたものの…

自分もくだんのnoteと同じように始めてみよう!と思い、学研のMY BESTシリーズの数学1Aを買いました。(正確に言うと最初は別の本を買ったけど割愛)

そしてすべての高校生が高校数学へと入門する「式と数」から始めたんですが…、調子よく進みませんでした。

まず、あまりにも式の計算をすることが久しぶりだった、というのがあります。簡単な式の展開や因数分解をするのに脳が追いつかない(笑)しばらくは数学を学ぶ以前に式の計算ができる脳の動かし方を思い出しながら演習問題と向き合っていました。

そして、2つ目が深刻な問題だったのですが、書籍の文章だけではわかりづらいうえに誤植が多い、というものでした。

書籍は紙面の都合上、どうしても丁寧に説明するところと、割愛する場面がでてきます。なので、割愛されたところがわからなかったら自分で頑張って努力するしかありません。

まあ、そちらは時間かけて努力すればなんとかなるんですが、誤植だけはどうにもなりません。学研のサイトで該当書籍のページは見つかりましたが正誤表がどこにもない。

独学でやってる以上、信用できる正誤表のない書籍ほど不安なものはありません。あきらかに書籍に書いてあることが間違っているように見えるけど、本当に間違っているのか自信が持てない…。結局あまりにも学習の効率が悪く、1章だけやってそれ以降MY BESTの本はそっと閉じることにしました。

YouTubeで動画コンテンツの強さを知る

書籍でわからないことをググって調べる、ということをしていると、結構な頻度でYouTubeの動画がヒットしました。そしてYouTubeで動画の説明を観ると書籍よりも圧倒的にわかりやすい。

色んな動画を見ながら、動画コンテンツは書籍と違ってステップ・バイ・ステップの説明にとても強いという印象を持ちました。数学を勉強するときは定義・定理・公式への理解と、解くためのプロセスがどう習得するか、が大事だと思うんですが、そのプロセスを学ぶには文章よりも動画の方が圧倒的に強いと思いました。

動画コンテンツの強さ

・数学は単純な暗記ではなく、基礎の仕組みを理解することが肝心なのでステップ・バイ・ステップで解説してくれた方が学習者にとってはありがたい
・書籍はまず書いてあることを読者が読み解くところから始まるので思考の負担が大きくて時間もかかる(動画だと順番に解説してくれるのを観るだけでいい)
・やる気が低いときでも動画だと垂れ流して観れる

という感じで動画っていいなあ、と思ってたときに、とある動画に出会います。

数学のトリセツに出会う

複2次式についての解説を探していてこちらのチャンネルにたどり着きました。それまで色んな動画を見ていたんですが、こちらの迫田先生の教え方がめっちゃくちゃわかりやすくてハマりました。これがきっかけで、数学のトリセツを購入するに至ります。

数学のトリセツは大学受験する高校生向けの数学コンテンツで、一部動画がYouTubeに上がっていて、すべての動画を観るためにはアクティベーションコード付きの書籍を購入してね、という方法でコンテンツを販売されています。

著者の迫田先生は河合塾の講師をされているみたいです。
https://twitter.com/koki_sakoda

数学のトリセツのすごいところ

すごいところを順番にあげていきます。

1. 正誤表が公開されている

動画ページの冒頭にドカーンと見れるようになってます。(なぜか動画になってる)
独学者にとってはとてもとても重要です。

2. 板書が圧倒的にきれい

他の教育系YouTuberはホワイトボード + マーカーを使ったりiPad + Apple Pencilをつかったりして何を書いているのかわかりにくいことがあるのですが、数学のトリセツは大きめの黒板とチョークを使っていてカメラの画角もしっかり設定しているので文字の視認性が高いです。スマホでも見やすいサイズ感です。

グラフや円を書くのもきれいで、フリーハンドで円や二次曲線をとてもきれいに書いている動画を見てると軽くうっとりします。

3. 説明のテンポが良い

ハキハキして聴き取りやすい声。そしてテンポが安定してるので安心して聴いていられます。これが意外と重要で、説明のテンポが悪い人だと聴くのが苦痛になってきます。

ただし喋りながら書いてる都合からなのか、書き間違いが頻繁にあります(けど黒板だからすぐに消せるので解説のテンポに影響しない)。

4. 数学を学ぶことにたいしての考え方が良い

数学を学ぶことの意味をしっかり考えられているなあ、というのも好感度が高いです。迫田先生の数学学習への考え方はこちらから見れます。17:00過ぎたあたりから、数学を学ぶときの姿勢を熱く語ってます。

数学のトリセツでは「暗記すべき定義や公式、定理」と「暗記ではなく仕組みを理解すべき解法」を分けて解説してくれます。
https://youtu.be/_aYlzgTf7XM

たとえば三角関数の加法定理は絶対に暗記する!だけど加法定理から導かれる2倍角公式や積和公式、和積公式は暗記してはいけない、と解説してます。

他にも場合の数や確率の解法でも、公式の暗記よりも、仕組みを理解することを優先して解説してます。数学を学習するうえでのメリハリを示してくれるのが独習者にとってはとてもありがたいです。

5. 数学的に正しいことを大事にしている

すべての公式、定理の証明を解説しているわけではないですが、数学的に証明して理解することを大事にしていると感じます。

6. 複雑な計算の工夫も勉強になる

大きい数やちょっと複雑な式の計算が必要になるときに、式をちょっと工夫して計算を簡単にする手法も随所で勉強になります。子供向けですが、こちらの記事でもエッセンスを語られてます。

7. 動画コンテンツとしては圧倒的に安い!!

これが一番「数学のトリセツ」を推せるポイントだと思うんですが、動画コンテンツとしては圧倒的な安さ!

・数学1A: 3080円 https://amzn.to/449N3J4
・数学2BC: 4950円 https://amzn.to/40JgHC0
・数学3: 3300円 https://amzn.to/30dW5Wk
※ 動画解説はアクティベーションしてから2年間だけ閲覧可能です

自分がちょっと見た限りでは、数学の動画コンテンツを教材として売ってる事例を2つほど見たのですが、両者とも軽く1単元で数万円を超えてました。それと比較すると、数学のトリセツの3冊すべて揃えて1万円弱、という値段は圧倒的なコスパです。
(逆に安すぎて心配になるレベルですが…)

数学のトリセツのちょっと残念(?)なところ

・Webサイト( https://torisetu.me/ )が残念
・動画ページへのアクセスも使い勝手が良いとは言えない
・スマホアプリは存在するけど機能してない(自分はiPhoneユーザーなのでiOSアプリしか見てないですがまったく動く気配がないです)
・高校数学のすべてを網羅しているわけではない
 - 発展応用的な問題は適宜省かれている
 - これは残念なポイントというより、対象読者のスコープの問題
 - 数学のトリセツがカバーしてる領域についてはこちらの動画を参考にどうぞ https://youtu.be/2_kggiHyC-U

とデメリットもあるにはありますが、それを差し引いても圧倒的なコスパとコンテンツの質が勝っています。これから高校数学をちゃんと学ぼうと思う人にとってはデメリットにくらべて余りあるメリットの方が大きいです。

Webはちょっと手を入れるだけでだいぶ使い勝手がよくなるんじゃないかと自分がWeb関係の仕事をしているせいもあり、気になってしまうので改善を期待してしまいます。(何かボランティアで手伝えることがあればよいのですが)

その他の参考書籍

自分は数学のトリセツをベースにしつつ、数学の公式・定理を説明した本だったり、数学ガールの秘密ノートで補足しながら勉強を楽しんでます。

特に数学ガールはテキストで学べる数学の本としては抜群に説明が丁寧なので重宝してます。あとはトピック絞ってYouTubeを見たりするのも理解が深まってよいです。

数学の勉強は楽しい

今までの人生で数学は難しくて自分には理解できないものだ、と思ってましたが、数学のトリセツのおかげもありちょっとずつ数学の理解が進んできました。

勉強してきて思ったのですが、数学はサイエンスに関する人類の叡智がギュッと濃縮されたもので、それを学んで理解することはめちゃくちゃ楽しいことだなぁ、と思いました。もっと早く知っていればよかった。

まとめ

数学のトリセツに出会ってから数学の学習スピードが安定しました。おかげでこの半年、毎日コツコツ勉強するモチベーションも変わらず維持できてます。

今の目標はとりあえず数学3まで一通りの演習問題をやり切ることです。今のペースを維持できたら遅くとも一年以内にはできるかな…と別に大学受験するわけでもないのでゆっくり考えてます。

20年前にこのコンテンツがあったら自分の人生はもっと変わったものになっていたかもしれない。今の高校生は恵まれてるなあ、と思いました。

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