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スプラサイドオーダーのカラーチップ先反映の秀逸さ

スプラトゥーンのDLC、サイドオーダーがリリースされました。
ティザー映像から分かっていた内容ですが、なんと死んだら最初に戻されて再チャレンジという、いわゆるローグライクというジャルンの内容で、風来のシレン大好きな自分からしたらとても楽しみな内容でした。

実際にプレイした後も、期待以上のコンテンツで、未プレイの人はぜひプレイして欲しいです。(現在、僕は最後の武器で苦戦中)

何度も繰り返しプレイしていると色んな気付いがあって、考えられてるな。。と感心しっぱなしだったのですが、タイトルのカラーチップの先反映が特に感動したので忘れる前に書き残しておきたくて書いてます。

カラーチップ先反映というのは、自分が勝手に呼んでいるもので、説明するにはゲームの流れの全貌を知る必要があるので、もしプレイしてない人は一度この動画を見てほしいです。


この紹介内容であるように、フロアを選択→カラーチップで強化→試練(ステージ)に挑戦の流れを繰り返し、どんどん塔のエレベーターを上がっていく内容になっています。

また、カラーチップでの強化だけではなく、プレイヤーの基礎能力を塔に挑戦する前に強化する事でき、プレイするほど塔の攻略を楽にすることができます。


カラーチップは、ステージをクリアするとGetできる強化アイテムです。下のような画面がステージをクリアしたら表示されて、今回のステージのクリア報酬としてもらったカラーチップが何なのかを見る事ができます。(下の例では爆発吹き飛ばしというチップです。)

塔を上るループ

プレイ体験としては、上のループを何度も行なっていきます。具体的な画面としては画面としては。

1.次のステージの難易度とカラーチップの選択

2.カラーチップでの強化

3.試練へ移動、攻略

4.カラーチップとその他報酬の獲得

の4つの画面がメインで繰り返されます。

何度も繰り返すと感じる報酬の違和感

このループを何回も繰り返していると。自分の中で4.の画面で違和感が出てきました。それが今回の記事の発端でもあって
『あれ?今この試練で手に入れたカラーチップ。クリア報酬として出てるけど、もうすでに手に入れて反映されてるよな。。?』という違和感です。

これがカラーチップ先反映による違和感で、具体的にはステージ選択時にクリア報酬として表示されるカラーチップは、クリアしたステージをプレイしている時には、反映された状態でプレイされていることからくるものでした。

カラーチップを中心にサイドオーダーのループを考えると。
1. 試練で得られるカラーチップの選択
2. カラーチップの反映
3. カラーチップを反映した状態でのプレイ
4. 報酬としてカラーチップの確認
の流れになっています。

報酬はステージクリア時に得られるものがゲームの普通のフローだと思います。上の違和感もそこからくるものでした。報酬なのに先に反映されている。でも、クリア画面では報酬として表示される。
これを感じて、何かしら違和感を生んでもいままでの『普通のフロー』が歪めるべき理由があるはず!と思い、プレイしながら考えているとこのシステムがとても体験をよくしてるなーと気付きました。

なぜ、カラーチップの反映がステージ挑戦前に来るべきなのか?

これは、1ループ(試練選択からクリア報酬)単位のメリットとゲーム全体のメリットの二つあると思います。

ステージクリアの1ループ単位でのメリット

1ループ単位でのメリットとしては、選んだカラーチップの効果が、次のカラーチップ選択までに認識できることです。

もし、ステージ選択の画面で選んだカラーチップがステージクリア後に取得、反映される場合を考えると。選んだカラーチップの効果を知るのは次のステージでのプレイになります。

こうなると、次のステージのカラーチップの選択で、何が必要な能力なのかを、前の試練で選んだカラーチップの効果を知らないまま選ぶ事になります。
これは、塔を攻略する上でのカラーチップの構成作るという面白さの障害になります。

また、カラーチップの反映が後になると、選んだカラーチップとその効果を紐づけるまでに、選んだカラーチップが反映される前の状態でのステージのプレイを挟む必要があります。
カラーチップの効果が反映された頃には、何を前回選んだのか忘れてしまってたりして、カラーチップと効果の紐付けがわからなくなってしまう恐れもあります。


サイドオーダーは、自分オリジナルのカラーチップ構成、最強の武器を作れる事が遊びの肝としてあると思います。今の自分の状態が分かっている状態でステージとカラーチップを選べることはこのゲームの肝を体験してもらうには必須だったのだと思います。

サイドオーダーというゲーム全体でのメリット

もう一つ、ゲーム全体のメリットですが。このゲームでのカラーチップは、60種以上あります。カラーチップがステージの報酬として出現するかはランダムなので、ある程度プレイしないとチップを全て見ることはできません。

カラーチップの反映がステージクリア後だったとした場合、初見のカラーチップを選択したステージがクリアできなかったらカラーチップとその効果を紐づけることはできないことなります。

例えば、あまり使ったことのない尖った少し挑戦的なカラーチップを選んだとしてもステージに失敗したらその効果を知ることはないし、次の挑戦に活かすこともできないです。

もし、このカラーチップが何の効果もないただコレクションとしてのものならこのような形でもいいかもしれないですが、自分で好きな最強の構成を作りたい!というゲームの肝を考えるとカラーチップはある程度プレイしたら自分の頭の中で理想を描けるようにしたい。そのためには、カラーチップの全体像は早めに分かった方がいいでしょう。

この事を考えると、ステージに失敗してもカラーチップの情報がプレイヤーに最大限残るようなこのカラーチップの先反映が理想的な形なのだと思います。

感動してるけど、そんなに凄い事なの?

僕はこの反映を先にする形にしたことは、今後のゲームの報酬の形に影響を与えるんじゃないかなーと思っています。報酬はクリアしたら受け取るという通常の流れは、ゲームをプレイする人に根付いているのにも関わらず。
この通常の感覚と違う形が最適な場合があるというのは、プレイしてても驚きでした。例えば、『Slay the Spire』のようなゲームにこの報酬システムを入れるだけで、違う体験のゲームを作れてしまいそうです。(もし、他にサイドオーダーのような先に報酬を与えているゲームがあったなら、教えて欲しいです。)

今までのゲームジャンルを踏襲しつつ、ブラッシュアップした末に通常の感覚と反するゲームフローになり、それによる違和感が出てるのにも関わらずに、体験の質を上げている。こんな例が、まだまだ見つかってなくてたくさんあるのだとしたらかなりワクワクしてきますよね。

今後もまた、面白いものがあったら書き残していきたいと思います。

では、また。

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