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日本におけるインフラファンドについて

1、インフラファンドの現状(キャピタルゲインの観点から)

現在上場しているインフラファンドは、7つあります。すべて太陽光発電の運用会社になります。2020年3月から東証インフラファンド指数が設定されております。

日経平均株価の推移とインフラファンドの比較を見てみましょう。一つ目のグラフは、最初にインフラファンドが上場した2016からどのように推移してきたか。日経平均株価との推移と比較すると株価の上下はあるものの、コロナ期においても比較的に安定した推移を示しております。現在私が保有しているのは、タカラレーベン・インフラ投資法人(9281)とカナディアン・ソーラー・インフラ投資法人(9284)です。9281は、上場当初の株価と比して、大きく変化はありません。一方で、9284は、上場当初より株価は2万円程度上がっております。ただ、全体的には、9281のように株価は概ね一定程度で推移していることが分かります。日経平均株価よりは、変動しておりますが。。。

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それでは、上場した時の株価を1として、その後の変化を見てみましょう(2つ目のグラフ)。日経平均株価は、2016年から現在まで1.8倍になっておりますが、他のインフラファンドはそれ以下になっております。つまり、キャピタルゲインについていえば、インフラファンドへの投資は有効的な手段では無いように思えます。

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コロナパンデミックの株価が下落する中で、インフラファンドは安定していたといった話をよく散見しますが、どうなのでしょうか。3つ目のグラフは上記グラフと同じ考え方で、スタート地点を日本においてコロナ感染者が出始めたタイミングの2020年年初からの変動を表しています。日経平均株価よりは全体的に下がり幅は大きくありませんが、大きく異なるって感じでもないですね。

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2、インカムゲインの観点からはどうか?

インフラファンドを投資するにあたってよく言われるのは、株価が安定しており、配当利回りが高いといった話が良くあります。それでは、配当率はどのような状況でしょうか。4つ目のグラフは、インフラファンドの配当利回り(左軸)と年配当金を示しております(株価は当該年の平均値を採用)。9287(ジャパン・インフラファンド投資法人)を除き、6~7%を推移しております。日銀は物価上昇率を2%を目標とし、直近5年で1%以下となっております(ちなみにアメリカは2019年で1.8%(IMF調査))ので、6~7%は悪くない数字だと考えられます。

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3、まとめ

今回は、今までと大きく違う、日本のインフラファンドについて、個別観点というよりかは、全体的にどうかという内容をまとめました。というのも私も一部のインフラファンドに投資していることもあり、見直しという意味でまとめた次第です。日本のインフラファンドは、現在太陽光発電の投資法人のみで、昨年からファンド指数が設定されており、政府の大きな政策の方針としてもカーボンニュートラルを打ち出しておりますので、ホットな分野だと思います。また、その安定性と高い配当利回りから、ポートフォーリオの一翼を担うことができる投資先と思います。ただ、数年前にFIT制度(固定価格買取制度)が終了したため、今後売電価格が変動するような政策変更となっており、今後の長期的な投資先としての見定めも必要です。次回はその点についての考察をまとめていきたいと思います。




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