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創作会議#1 過去作りたかったものと今作りたいもの

今月から創作会議をスタートしました。

今年から本格的に作家活動の方にシフトしていこうと思って、どういう風に攻め込もうかなぁと考えてました。

これまで5年間ほどフリーで映像を作らせてもらってたわけですが、やっぱり仕事というのは、誰かのためのものであって、自分のための作品作りとは大きく異なります。

そういう部類のものが嫌だ、というわけではないんですが、最近、自分が作りたいものをおろそかにした結果、「一体何が作りたかったんだろうか」という妙な問いが出て来てしまっていました。

もともと2020年という年から、創作に復帰する予定ではいたので、精神面も含めて、いよいよ僕の中で創作活動自体を先送りするリミットみたいなものが来たような感じです。


幸いなことに2017年くらいから始まった新しいサイクルにはきちんと乗れていたようで、結果的に昨年から僕は想定通りに今年を迎えられました。

さて、そんな状況で僕がこれからどんな風に動いていくか、を考えていたんですが、やっぱり1人で悶々と考えるのは少し違いますね。


"これまで"はそれで良かったのかもしれないんですが、"これから"は1人で何かをやり続けるというのは少し違う感じもするので、僕と僕と同じ世代の人と、僕よりも一回り以上上の先輩にお願いして、「創作会議」なるものを始めました。今、この瞬間は、この3人が僕にとってベストだと思って、わざわざ声をかけさせていただきました。
少しずつ状況に応じて、広がっていくかもしれません。


「創作会議」とは書いてますが、実際には名前が何かあるわけではありません。


便宜上、こういう風に書いた方がわかりやすいかな、と思って書いています。


そんな創作会議的なものを2週間に1度くらいのペースで、やりつつ、僕がこれから作っていくものをよりはっきりさせていく会を先週の日曜日から始めました。


お互い顔も知っていて、それなりに交流もあるメンバーなので、僕自身は完全に安心しきった状態で、僕が今、どうしてこんなことをやり始めたのか、これからどういうことをやろうとしているのか、今気になっていること、などを話をしました。


やはり素晴らしいメンバーだけあって、全面的にとても丁寧に話を聞いてくれて、とても良いスタートが切れました。


創作会議の話題は僕の中で、都度噛み砕きつつ、どう自分の活動に落とし込んでいくか?を日々考えていきますが、noteではちょっとした議事録的に残しておこうかと思っています。


さて、会議で出たもので興味深かったのは、

・過去作りたかったものと今作りたいものは違う

・なぜ作りたいものが変わったのか?

・より自分本位であるべき

・自分の深堀

・はやりからずれても、恐るな

の5つでしょうか。

今回はこの5つのうち、1つを取り上げて記録しておきます。


・過去作りたかったものと今作りたいものは違う

僕は過去2010年の段階で、作ろうとした作品がありました。

30分くらいのアニメで、少しずつ作っていて、絵コンテは終わっていて、動画コンテもできていて、レイアウトも8割くらい終わっていて、というまさに進行中の作品がありました。

友人にもアドバイスをいただいたりして、それなりに進行していたんですが、TVアニメで少し近い設定の作品が放映されたのを見て、作るのをやめてしまいました。

やめた理由は、作ったとしても二番煎じになることがわかりきっていたから。


作品というものは設定やアイデアが似てたとしても、はっきりとした物語やキャラクター、世界観が出来上がっていれば、二番煎じになることもなく、成立するものですが、当時の僕では間違いなくそんなものを作れるだけの力もないことはよくわかっていました。

だからそれなりに時間をかけたものを、諦めざる得なかったのは、当時の僕としては苦渋の選択でした。


別に、誰かに「出直してこい」と言われたわけではないんですが、それでも当時の僕はそういう感覚に陥った記憶があります。

そこから僕はビジネス方面に突っ走ることになるわけですが。。。


そんな過去諦めた作品は今でもパソコンのフォルダに大事に残っていて、創作会議が始まる数日前に、ちょっと動画コンテを見てました。

自主制作の作品なので、動画コンテのセリフには僕の声が入ってたりするんですが、そういう感じは、泥臭さがにじみ出てきますね。



当時、僕が作りたいと思っていた熱量は一体どこに行ってしまったのか、未だにわからないんですが、今の僕が過去の作品の形になる前のものを見ると、どうしてもコレジャナイ感じだけははっきりと伝わってきます。

もう10年も前の話だからかもしれません。

当時の僕はまだ25歳くらいの、会社に入ってまだ間もない頃の僕で、今の僕とは明らかに何かが違います。

この10年間、僕は社会人になって会社でエンジニアとして過ごし、残り5年は会社から外に出て、フリーランスで映像を作ってる人間として過ごしました。


僕がこの10年で得たものと失ったものは、数えればたくさんあると思います。その蓄積が、過去僕が作りたかったものと、今僕が作りたいものの違いを生んでいるのかもしれません。


過去、作ろうとした作品は、どうしても暗い感じが漂っています。

もともと原作がある作品ですが、それよりももっと暗い感じです。


そんなに僕は暗い感じの作品が作りたかったんだろうか、と思ってしまうくらい、どこか薄暗く、不安定なものでした。


それでも、今この作品をもう1度、リメイクとして作り直すか、それとも全く違う方向で作り出すのか、を悩んでたりするのは、何故なのか。

その辺りも含めて、メンバーには共有しました。


ただはっきりと僕の中であるのは、暗い作品ではなく、もっと明るい、はっきりと熱量のある"なにか"をつくりたい、という意識です。


消費活動ではなく、創造活動に切り替わる、何か。

忘れてる感情を思い出すような、何か。


そんなキーワードをメンバーに共有したマインドマップには入れてました。

あと、僕が単に「よりもい」が好きだから、「よりもい」というキーワードも入ってましたが:笑

多分、今の僕は「よりもい」的な何かが作りたいんだと思います。



僕はもともと新海監督の「ほしのこえ」を見てから、アニメを作り始めた人間なので、おそらく過去作りたかった作品は、何かしら「ほしのこえ」の影響を受けているはずです。

そして、今作りたい作品は「よりもい」の影響は受けているはずで。



じゃぁ一体なぜ、その違いが出てきたんだろうか。


先にも書いたようにこの10年で、僕が得たもの、失ったものの蓄積の違いからなのか。

僕は単にそれだけではないような気がしています。



2020年という年と2010年という年にはきっと僕の中では大きな違いがあるんじゃないかと思っています。

僕1人だけの話ではなく。


2020年という年は1つの分岐点です。

それはバイオリズムからしても、ヒットした漫画から見ても、世界で起きている事象から見ても、大きく物事が動いていくタイミングのように僕は見てます。

陰陽で言えば、2010年ごろは、まだまだ陽の時代だなぁと思うんです。

外に何かを求めて、動き出していく時代の真っ只中。
いくらか変化点は存在していても、社会全体としては、外に答えを求めている感覚があるような気がします。

この辺りはヒットしている漫画でワンピースが君臨してるのが、その証拠のようにも思えたりします。

2020年という年は、コロナから始まった年のように思えますが、今年からとても内向きに動き始めた印象があります。

三密の設定により、家族に向き合った人も多いでしょうし、時間ができたことによって自分が今やるべきこと、本当はどう生きたいか?などを内省した人も多い気がします。(感覚値レベルですが)あるいは断捨離をした人も多かったかもしれません。

この辺りはもう連載が終わってしまった鬼滅の刃の作風(精神面が強調されている点)からもそういう感覚が感じ取られます。


陽から陰へ

外から内へ

身体から精神へ


いろんな表現がある中で、10年前の僕と今の僕で、描きたいものが違う理由に僕の単なる経験からの蓄積以外のものもあるような感覚すらあります。


そこはよくわかりません。


ただ、創作会議で共有したマインドマップには

・現象界(陰)と潜象界(陽)を表現する、繋げる話

・陰陽(光と影)

と、記載してたのも、何か関係があるのかもしれません。


作品作りで、僕が一体何を描きたいのか?は正直、作品が出来上がるまでわからない、ということもあるかもしれません。

むしろ、それが知りたいから、自分は何かを作る、そんな気さえしています。


過去、作りたかったもの、今作りたいものが、どうして違うのか。

それを知るには、もっと自分のことをよく知る必要があるかもしれません。


メンバーにはとても良い方を紹介していただいたので、その方にアポを取ろうかなと考えてたりします。

その方は、自分自身の深堀をメインでやっているような人らしいです。

実は面識はあるので、そこまで距離の遠い人ではないんですが・・・。


なんとなく自然と時流に乗っている感じがするので、純粋に今描きたいものを描くのがもっとも良い感じになるのかもしれません。


ということで、今回はこの辺りで記録的な何か、は終えようと思います。

次回の創作会議は2週間後ではなく、メンバーの都合上3週間後なので、それまでにやれることはやりつつ、日々技術面のレベルアップです。

また先日の創作会議の記録的な何かは、別途書くかもしれません。



僕はきっとこれから死ぬまで何かを作っていくだろうから、あまり焦らず、丁寧に向き合っていこうと思います。




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