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AIで農業に革新を

AI(Artificial Intelligence=人工知能)は現在の政府が提唱する未来社会のコンセプトsociety5.0や第四次産業化革命の中核を担っている最新先端の技術です。AIが人間の脳を凌駕する知能を兼ね揃えるsingulairty(技術的特異点)も今世紀前半には起こると予想される中、人間としての価値が問われる時代に突入すること間違いありません。

AlphaGoによるAI時代の幕開け

かつて1960年代に米国とソ連の間で繰り広げられた宇宙開発戦争はソ連が1957年にスプートニク衛星を打ち上げに成功したことが発端で始まりました。そのように、国や社会がある技術開発のための積極投資の開始に至る
出来事を英語で ”Sputnik Moment” と言います。AIでも2016年にAlphaGoと
いうプログラムが世界トップクラスの棋士に勝利したことがSputnik Momentとする専門家が多く存在します。コンピューターが人間に打ち勝つことが
最も難しいと考えられてきた分野である囲碁において、人工知能が勝利を
収めたことは世界に衝撃をもたらしたのです。また、Alpha Goの基礎と
なっているディーブラーニングはゲームだけでなく、幅広い分野での活用が期待できます。

AlphaGoの勝利というAIにおけるSputnik Momentから4年が経ったいま、中国と米国による開発戦争が激化しています。そして、従来のように石油などの天然資源ではなく、個人情報などのデータが燃料になるAI時代がもう
始まっているのです。

AIがもたらす社会的変化

AIによって、〇〇%の仕事が失われるというキャッチーな見出しを
ニュース等で見かけたことは一度はあるかと思います。その際に、対象
となっているのはレジを操作する店員やトラック運転手などのblue collarな
比較的単純、かつ、肉体労働が関わる仕事です。しかし、今までも蒸気機関の開発、電気の発明、コンピューターの実用化などの革新を通して、
job displacement (仕事の置き換え)は過去にもに起こっています。
とはいえ、これらは人間の技能の一部を補完したり、増強したりする技術に過ぎませんでした。AIは人間そのものを代替することも可能なため、
今までに前例のない社会構造の変化の真っ只中にいるのかもしれません。
具体的には、データを解析するアナリストなどのwhite collarの仕事もAIの
方が効率良くこなす時代も遠くはないはずです。

仕事を「奪われる」かもしれないとはいえ、今までは技術の進歩は人間の
生活をより豊かにするツールという捉え方が多かったかと思います。
ところが、様々な自動化/機械化による生産効率化による生活水準の向上は1970年代より実は鈍化しているのです。

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この低成長により、世界各国で急激に貧富の差が拡大しています。製造工場や倉庫では、人間の手で行われたいた仕事は24時間稼働できるロボットに
よって乗っ取られ、職を失っているのです。つまり、AIによって生産効率が向上しても、人間の生活水準はさほど変わらず、むしろ仕事を失い、困る
人が増えるというマイナスな影響も与えるかもしれないのです。

このような問題を是正するためにロボット税やuniversal basic incomeなどのアイディアも存在するが、AIが人間の仕事を代替していく中、世界人口が増えることを考えるとAI開発に対する法規制を含めて、今から対策はを議し、検証していくべきだ。

AI時代に求められる能力

そんな混沌とするAI時代に企業は従業員にどのような能力求めるのかを
総務省がまとめています。

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論理的思考、企画発想力、語学力はAIに負ける日は近いかもしれませんが、人間的資質や対人関係能力はスカイネット(映画ターミネーターで人類を
滅亡させたAI)が誕生して人類が滅亡し、人と人のコミュニケーションが
なくならい限り、必要な能力ではないかと思います。いわば、人間の「感情的側面」です。

しかしながら、今後AIがどれほどのスピードで普及するのか、また、具体的にどのような影響をもたらすのかは、正直その時にならないと本当には
わかりません。結果、この図表では記載されていませんが、新しい情報に
対してアンテナを張って、様々な状況や環境に臨機応変に適応するような
能力が必要ないのではないかと思います。言い換えれば、時代の変化と
共に、「自分は何ができるのか、何をすべきなのか」と自問自答し続ける
ことだと思います。

人手が足りなくなる農業界にAIを

上述の通り、AIは人間の仕事を奪い、貧富の差の拡大や失業率の上昇などの様々な社会問題の引き金になるかもしれません。しかしながら、人口減少が確約された日本においては、減少する生産年齢人口を補填し、経済成長を
維持するためには、むしろ良すぎる話でないでしょうか。しかしながら、
その際に必ず起こる課題は既存の仕組み/慣習からAIに乗り換える際の
障壁です。この障壁は多岐に渡り、AI技術を導入する際の金銭的ハードルはもちろん、そもそもAIなど最先端技術に対してアレルギー反応を示す人も
必ずいるでしょう。

特に、今までも技術の導入が他産業と比べて遅く、職人気質がまだ依然と
して存在し、肉体労働のイメージが強い農業界では、就業人口の減少で
今後更なる窮地に陥ると思います。そこで、AIと農家の橋渡し役として
AI時代でも活躍できればと思っております。いわば、AIを導入することの
効能や費用対効果などを説明する農家向けのAIコンシェルジュのような
イメージです。

現在、「スマート農業」などと唱ってAIをはじめとする様々な最新技術が
開発されて行っています。しかしながら、今までも既存のやり方に慣れ
親しんでいる農家は日々変わりゆく最新技術に追いつけず、PDCAの周期
(種まきから収穫までの期間)が長く、気象や土壌の条件のより環境を
コントロールすることが極めて困難な農業においては、新しい技術を検証
することさえ難しいです。(植物工場などは除く)その他にも、高価な
技術を導入して採算が合うだけの経営規模でやっている農家もそう
多くはなく、AIなどを用いた最新技術を農業現場に導入するのは一筋縄では
行かないでしょう。

とはいえ、AIは謳い文句の通り、 いずれは電気のように人間の生活に必要
不可欠になる技術になるでしょう。その際に、IT化も遅れた農業界にAIの
恩恵をもたらすことのできるような人でありたいです。

singularityを迎える頃には人間が仕事をすることは好きな人だけがする娯楽的なものになっていても決しておかしくないと思います。そんな世の中でも、AIを農家(農地の地主)に紹介/導入する仕事はしたいと思っています。

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