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(3)頭を振る仕組み

『ルアーが頭を振る仕組み』


フローティングミノーに限った
頭を振る仕組みの説明です。

なぜルアーは頭を振るのか?
それは潜る力を発揮するからです。
潜る力を発揮するから頭を振る。

ルアーはリトリーブされることに抵抗するリップが、ルアーを水中へと引き込みます。

まずは潜る力を発揮するリップの効果の説明から

リップの長さと幅の効果

リップはロールさせる力の入力です。
ただリップの長さは、ルアーの頭を水中へ引き込む力の強さを象徴します。
そして、幅はルアーをロールさせる力を象徴します。

※ 長くても幅が狭いと、長さ分の効果を発揮しにくくなります。

リップの長さが頭を水中へ引き込む深さに対して、ロールさせる力
(幅分の力)が伴わないと、ルアーを水中へ引き込む力を発揮できなくなります。

リップの幅が狭くなるとロールさせる力が弱くなるので、反動を抑えられやすくなります。
すると潜る力を発揮しやすくなります(※余力がある限り)

※※ 長さと幅が同じ大きさの
リップだと、長さ分ルアーを水中へ引き込む力に対して、幅分の力がロールさせる力も発揮しやすくなり、バランスよく潜る力を発揮します。

※※※ 長さよりも幅が広いリップだと、ロールさせる力が強くなりすぎてしまい、リップの長さ分の
ルアーを水中へ引き込む力はなくなります(潜りにくくなります)

リップの長さに対して幅の広さがロールアクションや、潜る力を変えます。
1行程でルアーを水中へ引き込む深さまでルアーをロールさせる力があるのか・ないのか?

ルアーを潜らせる力は、リップの力も重要ですが、リップの力の反動を抑えるテールの浮力形状とのバランスが何よりも大事になります。

水中へ引き込むことを目的とするのか?
ロールさせる力を優先するのか?
ルアーの構造とリップの力の
バランス次第になります。

そして、ルアーには様々な特徴があり。
各々に重心の位置は異なります。

リップから重心までの距離。
そして
重心からテールエンドまでの距離によって、入力された力の反動の伝わり方は違ってきます。

『頭を振る仕組み』

潜る力を発揮するから頭を振る
1行程

反動を抑えられ、潜る力を発揮し始めたルアーは、ロールしながら頭を振り始めます。

※反動を抑えられるから、潜る力を発揮しますが、潜る力を発揮するから頭を振ります。
頭を振るポイントは、リトリーブ速度分の引力と水圧、そして重心を中心に転回するルアーの動く仕組みにあります。

潜る力を発揮するにはリップと、テールの浮力や形状とのバランスが大事です。
※リップという部分がある
フローティングミノーであれば、どんなタイプのルアーでも潜る力を発揮しますが、頭を振りやすい
ルアーと、頭を振りにくいルアーがあります。



1行程で振り始めた頭を
『次のロール運動を始める位置』まで引き戻す2行程では、振り始めた頭を更にロールさせることで
(傾けることで)
次のロール運動を始める位置まで引き戻しやすくなります。
※1度ロールを始めたルアーは、傾かないと引き戻しにくくなります(浮力の抵抗です)
少し例外もあります。


頭を振る仕組み

1行程で反動を抑えられると潜る力を発揮しますが、反動を抑えられるということは、ロールを抑えられるということです。
ロールを抑えられるから潜る力を発揮しますが、その分だけ頭を振ることになります。


ロールを始めたルアーは、リトリーブ速度分の引力と水圧の影響を受けながら潜る力を発揮します。

反動を抑えられる分だけ、潜る力を発揮するルアーの『傾き次第で』頭を振りやすくなります。

反動を抑えられにくい
ルアーの場合

リップの力の反動が強くテールへ伝わる
『反動を抑えられにくい』ルアーの場合。

1行程で『大きく傾く(ロールする)』ほど、
潜る力を発揮しにくくなりますが
頭も振りにくくなります。

※ロールさせる力が強いということは
ルアー内部の浮力が関係します。
浮力が少ないほど傾きやすい=ロールしやすい
ということになります。


ロールさせる力の反動が強く伝わるほど頭を振りにくなる。
しかし
ロールさせる力の反動を抑えられるほど頭を振りやすくなる。

その理由は、ロールを抑えられたルアーに及ぶ リトリーブ速度分の引力と水圧が影響するから。

※ リトリーブ速度分の水圧によって反動を抑えられるから、 潜る力を発揮するけど、ロールは抑えられることになる。
(ルアーの傾きは小さくなる)
すると
ロールを抑えられるから、
ロールを抑えられた頭を『引き戻している』リトリーブの引力の抵抗は強くなり・リトリーブ速度分の水圧の影響も受けやすくなります。
《《ロールしてる間もリトリーブの引力は、ルアーを(頭を)引き戻しています》》

まとめると
傾きを小さく抑えられたルアーの頭は、リトリーブの引力の抵抗になり、リトリーブ速度分の水圧の影響を受けるから、重心を中心に頭が転回し始めます。

1行程でロールを始めたルアーが頭を振り始めるという仕組みです。


頭を振る2行程

2行程は『次のロール運動を始める位置まで頭を引き戻す行程

この2行程では、1行程でロールしながら振り始めた頭を
次のロールを始める位置まで引き戻し始めます。
ですが
1度ロールしながら振り始めた頭を引き戻すには、ルアーを
『ある程度の角度』まで傾けないと、次のロール運動を始める位置まで引き戻しにくくなります。

※※※一概に全てのフローティングミノーが、ある程度の角度に傾くとは言いきれません※※※

ラインアイを高い位置に設定するほど、半強制的に垂直バランスを立て直す効果が強くなるので、
ある程度の角度に傾くこともなく、次のロール運動を始める位置
まで引き戻しやすいタイプのルアーもあります。


2行程で頭の振り幅が大きくなる仕組み。

垂直バランス

2行程では、ある程度の角度まで傾けることで、次のロール運動を始める位置まで引き戻しやすくなります。

『空気』と『ウエイト』の関係がルアーの垂直姿勢を保っていますが、ルアーは内部の空気が多くなるほど傾きにくくなり、引き戻しにくくもなります。

反対に、水面にギリギリで浮かぶほど浮力の少ないルアーであれば傾きやすく、引き戻しやすくもなります。

ある程度の角度


2行程では、頭を引き戻しやすくなる『ある程度の角度』まで傾けることで、次のロール運動を始める位置まで頭を引き戻しやすくなりますが、
浮力があるルアーほど傾きにくくなるので、ある程度の角度に傾くまでの間隔は長くなります。
その間
リトリーブ速度分の引力に引き戻される抵抗は強くなり、リトリーブ速度分の水圧の影響を受けやすくなるので大きく頭を振ります。

※ある程度の角度まで傾きやすいルアーほど、引き戻す抵抗は少なくなるので頭を振りにくいということです。

ある程度の角度までルアーが傾くと、次のロール運動を始める位置まで頭が引き戻される頃、ルアーは垂直バランスを立て直し次のロール運動へ移行し始めます。

ある程度の角度と表現していますが、リトリーブの引力が頭を引き戻しやすくなる角度は、ルアーによって様々で、リトリーブ速度によって変化するある程度の角度だからです。
※様々というのは『浮力』『形状』『重心の位置』『リップ』『ラインアイの高さ』によって、アクションはいくらでも変わるからです。

『頭を振る仕組み』の説明はこれで終わります。
次回は『浮力・形状』について説明します。

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