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(4)浮力の抵抗


『頭を振る仕組み』
浮力が抵抗になることで、頭を振る仕組み。

フローティングミノーである
以上、水面に浮かなければ意味が無い。

水に浮かぶ為の浮力(空気・形状)は、ルアーの動きを『鈍らせる』
抵抗になります。
(形状も浮力に関係します)

これまでもそうでしたが、ルアーの構造を『頭・重心・尾』の3つのパーツにわけてルアーの動きを説明しています。



簡単で適当な図を用意しました。
汚くてごめんなさい。

浮力の説明も同じです。
重心を挟んで
頭部の形状に含まれる空気
テールの形状に含まれる空気
そして空気(浮力)を調整する為のウエイト。
『形状』は、浮力にもなり得ますが、リトリーブ速度分の水圧の影響を受ける抵抗になります。

ルアーは、リトリーブされることで水中に潜り、ロール運動を繰り返しながら竿先へ進みますが、
浮力体を水中に潜らせることや
水中に潜った浮力体を引き戻すことは、リトリーブの引力の抵抗を強くします。

ルアーは、竿先へ引き戻す抵抗体になるということです。

浮力・形状は、リップの力の抵抗になり、ロールさせる力を抑えます。
(空気が少くても、形状がロールする抵抗にもなり得えます)

頭部の浮力が多い・形状が大きいと、ルアーをロールさせるリップの力は抑えられてしまいます。

また、テールも浮力が多い・形状が大きいと反動を抑える抵抗を強くします。

ルアー内部の空気が多いほど、水面上へ向かう力は強くなるので、ロールさせること・竿先方向へ『引き戻される』ことに対して、鈍い反応をします。

例えば、餌釣りをする時に使用する棒ウキの反応。
竿先まで回収される『棒ウキ(釣具)』の動きをイメージしてみて下さい。

浮力の多いウキを竿先へ引き戻すと、引かれることでウキは傾きますが、浮力の少ないウキに比べて傾かない(引かれること・傾けられることに対して反応が鈍い)

浮力の少ないウキを竿先へ引き戻すと、浮力の多いウキよりも大きく傾く(傾けられること・引かれることに対して反応が良い)

ルアーも同じです。
水面方向へ向かう力(上向きの力)の強さが、リトリーブされることの抵抗になりますが、傾くことでリトリーブされることに対しての抵抗が少なくなる。

リトリーブされることで、ロール運動を繰り返すルアーの『傾きやすい・傾きにくい』ということがルアーの動きを左右します。

空気が少ないほど、水面へ向かう浮力は弱くなりますが、傾きやすくなるので、引き戻しやすくなります。


なんとなく当たり前のことのように感じますが。
当たり前のことでも見落としやすいことがあります。
水中のルアーは『だるまさん』と同じく、傾いても勝手に垂直な姿勢を保つ自立タイプですが、
ルアーはリトリーブされることで『リトリーブ速度分の引力と水圧の影響を受ける』ということを忘れないで下さい。

ルアーは『リトリーブされる分の水圧』を受けながらロール運動を繰り返しています。
リップの力によって、ロールしながら水中へ引き込まれる『頭部』その反動が伝わる『テール』も
ロール運動を繰り返す限り
リトリーブ速度分の引力と水圧の影響を受けています。

ロール運動の1サイクル

頭を振り始める1行程

頭にもテールにも浮力の抵抗があるルアーの場合

1行程では
リップの力の反動が、テールへ伝わり、その反動を抑えられることで潜る力を発揮します。
※テールに反動を抑えられるから潜る力を発揮しますが、ロールは抑えられます。

ルアーの動く仕組みです。
重心を中心に頭が転回すると、連動してテールも転回します。

重心を中心に転回する1行程の
イメージ図
簡単で適当な図で申し訳ないです


この1行程では
反動を抑えられるほど、潜る力を発揮しますが、ロールは抑えられます(リップの余力分のロールさせる力です)

ロールを抑えられる(傾くことを抑えられる)ほど、リトリーブ速度分の水圧の影響を受けやすくなるルアーは、頭を振り始めます。
(頭が転回し始めます)

※傾きにくいから引き戻す抵抗が強くなる。
抵抗が強くなるから、重心を中心に頭が転回し始めるので、頭を振る。

浮力が少ないルアーの場合

浮力が少なくなるほど
『傾きやすい=ロールしやすい』

リトリーブされることに対して
傾きやすくなるから、引き戻しやすくなる。

リップの力によって、ロールさせられることに対しても、傾きやすいからリトリーブ速度分の水圧の影響を受けにくくなる。

ですが
ロールさせる力が強くテールへ伝達されるほど、リップの力の反動は抑えられにくくなるので、潜る力を発揮しにくくなります。
しかし
ロールを抑えられない(傾きやすい)ということは、リトリーブ速度分の引力の抵抗も弱く、
またリトリーブ速度分の水圧の影響も受けにくくなるので、頭を振りにくくもなります。

※※ロールさせる力が強くても、
僅かに反動は抑えられるので潜る力は発揮します。
また、僅かにロールを抑えられるので、全く頭を振らないということはないです※※

傾きにくい浮力があるから、頭を振りやすくなります。

2行程

1行程でロールしながら振り始めた頭を、次のロール運動を始める位置まで引き戻す2行程では
『ある程度の角度』にルアーが傾くまで、次のロール運動を始める位置へ引き戻しにくくなります。

1行程でロールを抑えられるほど
2行程では『ある程度の角度』にルアーが傾くまでの間隔は長くなり、その間隔が長くなるほど頭を大きく振ります。

2行程では、引き戻す抵抗が少なくなるまで(ルアーが傾くまで)、次のロール運動を始める位置まで引き戻しにくくなります。

ある程度の角度に傾くと
次のロール運動を始める位置まで引き戻され始めるルアーは、徐々に垂直バランスを取り戻し、次のロール運動へ移行します。

傾かせにくい
傾かせやすい
ルアーに含まれる空気分の浮力
浮力を調整するウエイト。

そして、重心の位置

ルアーの形状によっても
傾かせやすい・傾きにくい形状があります。

潜行深度を左右する浮力


浮力の『多い・少ない』によって、潜行深度をキープする能力が微妙に違ってきます。

浮力があるということは、潜る力を発揮しやすいという目安にもなります。
そして逆に水面へ飛び出しにくいというメリットもあります。
※多い浮力は『引かれること』『傾くこと』に対して反応が鈍くなります。

2行程で
ある程度の角度に傾いた後
次のロール運動を始める位置へ
引き戻されるルアーの浮力や形状の抵抗が、潜行深度をキープしやすくします。

浮力が多くなるほど傾きにくくなるので『引き戻されること』や
『ロールすること』に対しての
抵抗は強くなります。

ルアーの動作的には、浮力が多くなるほど、引き戻されることに対して鈍い反応をするということになります。
鈍い反応をするということは
2行程でリトリーブの引力によって水面方向へ引き戻されるルアーが『水中に留まりやすい』ということになります(※リトリーブの引力や、流れに逆らう限り)

当然浮力が多くなるほど、ある程度の角度に傾くまで頭の振り幅は大きくなりますが、
その後の
次のロール運動を始める位置へ
引き戻されるルアーの反応は
『浮力の少ないルアー』よりは、
『浮力のあるルアー』の方が、
水面方向へ引き上げられることに対しての反応が鈍くなります。
(傾きやすい・傾きにくいといった差です)

※浮力があるから引き上げられることに対して傾きにくくなります。
しかし
ラインアイの位置も大きく関係してきます。

※※リトリーブの引力は、水面方向からルアーを引き上げるように
作用しています※※
(リップの力でルアーは水中へ潜っているので)

リトリーブ速度を速くすると、反動を抑えるリトリーブ速度分の水圧は強くなるので、リップの余力は少なくなります。
すると、潜る力は徐々に弱くなり始めます。
すると
ルアーは徐々に水面へ浮上しやすくなりますが、引き戻されるルアーに浮力があると、傾きにくくなるので水面方向へ引き戻されることの抵抗は強くなります。

浮力や形状の抵抗が、水面に飛び出すまでの粘り強さに違いが現れます。


これで浮力の説明を終わりにします。

次回は、『ルアーの特徴』の説明です。

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