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2024年 Mt.富士ヒルクライム レース編

レース前日編は別記事で


結果から言うと1時間04分53秒でゴールドを獲得する事が出来ました。

試走無し、初参加でのゴールドリングといった無謀な挑戦。
事前の私のパワーや状況考えるとほぼ取る事は不可能だと考えていましたが奇跡的に獲ることができました。
いまだにゴールドを獲得できたことが実感として湧いていません。

当日の天候や状況、先頭でローテを回してくれた方々や足が合うメンバー、展開など運に恵まれた結果だと思っているので実力でとれたとは思っていません。本当に出来すぎだと思います。
特に、ローテを続けてくれた先頭のメンバーには感謝してもしきれません。

ただ、運をつかむための準備や行動は疎かにはしたつもりはありません。
富士ヒルだけにピークを合わせ、時間や金を掛け、頭をかなり使いました。

当日の動きやレース展開などは以下に。


◎機材と本人のスペック

身長163cm、体重49.5kg(体感)

  • 機材
    総重量   :約6.7kg
           (500mlボトル込で約7.2kg)
    フレーム  :merida scultura limited 
           (リムブレーキ)
    コンポ   :R8000 紐引き
    ホイール  :のむラボ5号
           (kinlin XR200 TNI six60)
    チューブ  :マキシス フライウェイト
    タイヤ   :ミシュラン パワーTT23㎜
    ハンドル  :3T ergonova 400mm
    ステム   :3T ARX TEAM 90mm
    シートポスト:スペシャ アルピニスト
    シート   :スペシャ Romin Evo Pro
    バーテープ :OGKカブト BT-06
    ボトルケージ:エリート T-RACE
    ボトル   :エリート FLY TEX 550ml
    サイコン  :ワフー elment bolt v2
    パワーメータ:4iiii 片足計測
    BB     :wishbone
    チェーン  :デュラエース
    ギア比   :50-34 11-28
    空気圧   :F6.4 R6.4

ギアはアウターのみでインナーは使用しなかったはず。終始アウターローでたすき掛けのためゴリゴリいっていましたが、インナーを使用すると集団から離されていたと思います。

パワー
ズイフト上の20分のFTP測定だと約225~230w程度。
実走のFTPだと1時間で約215w程度(NPはもう少し高い)。
当日の体重が体感ですが大体49.5㎏といった感じだったので、平均4.3倍~4.5倍であればなんとか限界心拍まで上げ切らず垂れずに走り切れるかなといった状況。

◎当日のスタートまでの行動

第3ウェーブの6時40分スタートなので21時には寝て2時半に起床。
あまり眠れず実質2時間ぐらいの睡眠。
ただ、集中力は高いらしくアラームの10分前に目が覚める。
が、外はあいにくの雨。
そんな中、3時にはホテルを出発して3時半頃には駐車場に一番乗りで到着。

到着後、前日購入した吉田うどんとおにぎり2つをすぐに食べる。食べるタイミングはレースの3時間前ぐらいがいいらしい。ただレース終盤エネルギーが足りてなかった感覚だったので、もし次出ることがあったらもっと食べる方がいいかもしれない。

そうこうしていると、4時頃には徐々に雨がやんでいく。このまま雨がやんでくれと思う。

ローラを準備してアップをはじめ徐々に心拍を上げていく。
10分ほど軽く回し、160w 180w 200w 220w 250wとパワーと心拍を160程度まで上げてアップを30分程度で切り上げ。やはり前日のアップの体感と同様に、大体4.5倍程度までなら限界心拍を上がりきる前に休めば長く踏めるそうだとわかる。

アップ完了後は汗を拭き、寒くなる事と雨を想定してイナーメのアップオイルとレインジェルを塗布して着替える。イナーメのオイルは冬場もだけど、富士山や乗鞍のような寒い場所でのレースには重宝する。

ローラを片付けながら、ホイールを本番用に変えたりしているとすでにみんな会場に向かっている。

それを見て、ベロトーゼ履く時間ないなと思って履くのをあきらめる。ヘルメットのシールドの準備とレインホッパーの施工もあきらめる。
「グダグダやな・・・」と一人でツッコミながら霧の中会場に向かう。
(最終的に必要なかったのであきらめてよかった)

会場に到着するとすでに半分以上は並び終わっている。これはゴールドトレインの集団に入れないかも・・・とこの時点で少しあきらめムード。
とりあえず、ウェーブのパック分けの前の方に並びゼッケン記載の想定タイムをチラ見しながら早そうなメンバーを見つけこのあたりかな・・と並ぶ。

ここでマグオンでカフェイン注入と思ったら、「Ahhhh・・・ノンカフェインのアップル味じゃねーかYO!!やってもた!!」と思いながら注入しする。

スタートまではほとんど緊張なし。
やってきた事をやるだけと思いながらスタートを待っていました。

◎レース前に決めていた事

レース前に以下のことを自分のルールとして決める。
①ペースメークを出来そうなローテ集団を早く見つける。

②見つけた集団のトレインから千切られないようにする。
⇒千切られるとその瞬間レースが終わるので位置取りとスペースを埋める事だけはおさえる。

③2合目付近までトレインの中で出来るだけ動かない。
⇒半分超えれば余裕なんて無くなってると思うので出来る限りドラフティングを利用して足を休める。

④先頭でトレインを回さず、ツキイチか中盤のローテに徹する。
⇒ここが一番重要。
理由は初出場で試走を一度もしていない人間が先頭ローテ入ってもペースを
潰しかねないのであえて回さない事を自分の中で決めました。
もし、レース中に先頭でローテ回してと言われても「初出場で試走もしていないからペースを作れない」とはっきり宣言して集団の中で自分の立ち位置を明確にすることでトレインを潰さない事を意識しようと考えていました。
相手の気持ちや自分のプライドなどは無視して目標のためにドライに。
ただ、もちろん集団が崩壊しそうなら先頭引くつもりでしたし、計測位置に入る寸前で先頭はローテを仲間で回したいから後ろついてと言ってたので、言質はとったつもり。

①スタート〜料金所

料金所通過Time 1:49
第3ウェーブの3ウェーブ目でのレーススタート
スタートと同時にできる限り前に出て10人ぐらいの集団の後ろにつく。
タイム的にスロースタートなのでペースは抑え気味だと判断。
この集団に付いて行く事を決める。

②料金所〜1合目

1合目通過Time 16:57
作成していたギリギリゴールドのタイム表より少し遅れ。
逆風だったはずだけど、先頭が頑張って引いてくれたおかげで心拍は上がりだしているが余裕があったはず。
斜度が緩む場所が出てきたので、千切られないように勾配が緩む区間は下ハンを持ちながらエアロを意識して、集団が緩まった瞬間に一息入れる。

③1合目〜2合目

2合目通過Time 26:18
変わらずタイムもギリギリ65分になるぐらいのペース配分でペーシングが絶妙な感じ。
走りながら意識していたのはトレインの真ん中あたりでも終始中切れさせないように動いていた(つもり)。自分が入らせてもらったときは「ありがとう」、並走している人が入りたさそうな時は「入る?」といった感じで声をかけたりしていた。
4月に出たちくさでトレインの重要性が理解できたので、位置取りを明確にする事とスペースが開いたら埋めて集団を出来るだけ利用し、途中勾配が緩んだりした際に休めるよう集団の中で泳ぐようにしていた。

④2合目〜3合目

3合目通過Time  36:16
このあたりからはサイコンを見る余裕もあまりなく先の展開を考えることも少なくなってきたと思う。酸素が薄く若干頭が重くなっていたせいかもしれない。脚は残っているが余裕は徐々になくなっては来ていたと思う。
ここでタイム表をチラ見すると時間がギリギリすぎるのと先頭のローテと若干スペースが空き始めて集団のつながりが怪しくなってきたので、スペースを埋める形で少しずつ前に出る動きをする。その動きが後々の走りに影響をあたえたかもしれないが、それは後程。

⑤3合目〜4合目

4合目通過Time  50:00
この辺は記憶があいまい。多分きつかったんだと思う。 ただ、ここまできているなら出来るだけついていこうと頑張る。

⑥大沢駐車場~5合目

大沢駐車場を過ぎて斜度がきつくなった場所あたりで先頭が加速。
加速後は自分含めて8人ぐらいの集団に絞られる。
自分は体重が軽すぎるので勾配緩む区間はここで離されたらレースが終わると死ぬ気でついて行く。
が、大沢駐車場を超えたあたりから両手が攣るといった状況(足は問題無し)になって、ブラケットを握りにくい状態になり約20~21km地点でパックから千切れてしまう。3合目付近で集団の中で動いたことがあだになったのかもしれない。
(六甲山でも同じような事が起こるので寝不足やエネルギー不足かも)
ここまでか・・・と一瞬あきらめたが斜度が緩み、もう一度何とか踏んで別のトレインの一番最後に付けたのでそこで一気に加速。そのあとしばらくして単独で後ろから抜け出す。抜け出した後も一人で走っている人を追い抜く際にも一瞬後ろにつき空気抵抗を少なくして加速をしていき橋の区間にかかる。
そのまま踏み続けて最後のトンネル出口で1時間4分強だったので死ぬ気で踏めば間に合うと思いパワーが出ないながらももがき続け、小さく右腕を上げながらゴール。
サイコン上では1時間4分56秒ぐらいだったと思う。
ゴール後はゴールドを獲れているかどうかより何とか出し切れてタイムも想定より出ていたことに満足をしていました。

◎運命の時間

下山後タイム表をもらったときは小さくガッツポーズ 

ゴールタイムは「1時間04分53秒」念願のゴールド!!

すべてから解放される感じでした。

◎総括

この1年週末は毎週1500~2000m登り、特に半年はトレーニングに出来る限り時間を多く割き仕事後にローラーも回してきました。
最終的に約5倍に設定したワークアウトのSSTやVO2を達成しきれるかどうかに毎週怯えながら、毎回気合を入れトレーニングをやっていたと思います。

GW以降、体調も崩して心拍が上がりにくかったり、心拍が上がっても息がしにくくて困ったり、パワーと心肺機能の維持が精いっぱいでメンタルボロボロで焦燥感も正直ありました。ただ、出来る限りの最善を尽くして準備してきちんと臨めましたし、この1年取り組んでみて本当に良かったと思います。

またある意味、富士ヒルだけにターゲットを合わせたことが良かったのかもしれません。他にいろいろ手を出したりしていると焦って結果が伴わなかったかもしれません。

思うことがたくさんあり、まとまってないですがゴールドを獲れてすごく嬉しいです。

◎レース中のパワーについて

最終的な1hの平均パワーは約220w。
大体想定していた通りの回しきれる平均パワーになりました。
ちなみにいままでの実走で一番の1時間のFTPの記録になりました。
(バイクのレースの時もそうだけど自分は割と本番に強いタイプらしい。)

データから言える事は、体重49.5kg程度だったので1時間の平均出力が4.5倍ほどあればゴールドが取れる計算となります。(機材は7kg程度として)
確か、有名な「脳内サイクリング」の計算でもそれぐらいでギリギリ獲れるか獲れないかのタイムだったと思います。
ただ、あくまでトレインを利用したり、頂上付近の平坦が追い風で出たタイムなので確実に獲りたい場合はやはり4.8~5倍は必要だと思います。
来年富士ヒルでゴールドを狙う人の参考になればと思います。

◎来年の出場は?

来年は出る予定はありません。
今回やってみて、体の調整やトレーニングの時間を割いたり準備が大変だとわかりましたし、他にやる事・やりたい事もあるためです。
それに来年挑戦してまたゴールド獲れるかといわれると、日々のトレーニング含めて同じ事をやりきれる自信はないです。
年齢や時間の制約などを考えると正直難しいと思います。
それぐらい全部が揃っていないとゴールド以上を取るのは難しいと思います。

また、実際やってみて思ったことは富士ヒルの選抜やゴールド・プラチナ勢のメンバーはこういった練習を長期間取り組んでいるわけで継続ができている人は本当にすごいなと思います。 

ただ、いつかまた出てみたいです。
で、次回の出場は記録を気にせず登りたい(笑)

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