見出し画像

11年経つと「資質」は変わるか?<ストレングス・ファインダー>

人の資質を34種に分類し強みを可視化すると言われているテストStrengthFinder 2.0を11年ぶりに受けてみた。

前回受けたのは2010年なので、当然ながら質問や結果の内容は完全に忘却。Gallup公式サイトによれば、時間経過はテスト結果にあまり影響を及ぼさないため、一貫性は保たれるとのこと。

そこで、自分のケースでも一貫性が保たれているのか、調査した。

結果

順位リスト(2021年 vs. 2010年)

画像5

順位散布図(2010年 vs. 2021年)

画像1

順位差棒グラフ(2010年 vs. 2021年)

画像2

第一印象

え...?かなりバラけてない?

10位以上の順位差が発生している「資質」が14/34(≒41%)。

「資質」Top5で共通しているのは「戦略性」と「自己革新」の2つのみ(2/5=40%)。

「資質」Top10で共通しているのは、上記に「指令性」と「個別化」を加えた4つのみ(4/10=40%)。

2010年にTop5入りしていた「着想」、「最上志向」、「学習欲」はそれぞれ1位→15位、3位→13位、5位→20位に落ちた。逆に「指令性」、「達成欲」、「未来志向」は6位→1位、14位→3位、16位→5位でTop5入り。

「領域」別に見ると、「実行力」・「影響力」の順位が大きくあがり、「人間関係構築力」・「戦略的思考」の順位が大きく下がっている。結果として以下のように、Top10に注目すると、戦略思考&影響力メインの思想家的な在り方から、実行力&影響力メインの実務家的在り方に、全体的印象がかなり変わっている。

2010年:

画像3

2021年:

画像4

...一貫性、保たれてなくない?

結果再考

ただGallup公式サイトも「順位変動は全く発生しない」と言っているわけではなく、順位相関0.7程度と言っている。

そこで順位係数を計算してみた。

順位相関係数:0.607

...うーん。まぁ、Gallupの主張が正しい場合において、ありえない数字では全くない。

ただ、ということは、順位相関0.7というのは、(少なくとも私の)主観においては「かなりバラけた結果」の範疇に含まれるということだ。

結論

・11年経っても一貫性は保たれていたか?
Gallup公式サイトが主張する順位相関0.7程度、という結果と矛盾しない範囲の結果ではあった。ただ相関係数0.7は、テストを活用する者が期待するほどの一貫性が保たれた状態とは言い難い(少なくとも私の感覚では)。

これはStrengthsFinderがテストとして無意味なことを示しているかというと、必ずしもそうではない。ここで謳われているような、

ストレングスファインダー®の結果は時間が経過しても、上位の資質が多少順番が入れ替わる程度で、本質的にはほとんど変わりません

なんてことは全くないが、現状理解としては使える可能性がある。

実際、サラリーマン2年目(2010年)と起業家5年目(2021年)では、在り方が違って当然と考えるべきだろう。研究者志望だった学生時代の気質が抜けきらない時期に高かった「戦略思考」が、起業家になって「実行力」に取って代わったのは、至って自然。

ただ、そうなると、StrengthsFinderが測っているのは日本語版の書籍で謳われているような「資質」でも「才能」でもなく、「現時点における気質の偏り」とでも言うべきものになる(特に「偏り」という部分は重要。テスト問題はトレードオフのうち一方を選ぶ形式になっているので、測っているのはスキルの絶対水準ではなく、相対的に何を重視しているか)。

今後StrengthFinderについて語るときは、「資質」ではなく「気質」と書くことにする。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?