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横浜駅の構内を風のように抜ける。ホームに停車した東海道本線に僕は駆け込んだ。戸棚の上にうっすらと溜まった埃のような疲労。それを一掃したかった。視界に映る景色を変え、体内に新鮮な風を吹き込みたかった。宇都宮が僕を呼んでいた。 その地で過ごした二十時間。僕の身体は多様な餃子といくばくかのビールで満たされた。人が個性を持つように、口にしたすべての餃子はそこにしかない味を秘めていた。香ばしく焼き上がった皮。マヨネーズと一味唐辛子による、味覚と視覚のコントラスト。翡翠色をした水餃