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”夢を撃ち抜く”という事 -Bang Dream!3rd Season感想-

 18年夏頃にガルパを始め、2nd Seasonがリアルタイムで迎える初めてのアニメだった。しかし当時の自分には物足りなさが強く、ゲームとリアルライブより劣るものをアニメに合わせたキャンペーンのためにやってるように思えてならなかった。その後のFILM LIVEもプリティーシリーズでライブ纏め映画を見てきたからこそ、ストーリーの欠如したライブの羅列に失望しアニメへの熱を下げることになった。そんな2作を超えて迎えたのが3rd Seasonだった。

 木曜夜「まだ土日まで後一日あるのか…」と思いつつましゅましゅから見る流れが気づけば出来上がっていた。肩肘はらずに見ていたのが3期の空気にも合っていて胸にすっと入ってくるようで好きだった。次回予告のBGMが印象的で高校生活とバンド活動を近くで見守っているような感覚で、後半のRAS周りのドラマを除いてバンドリ(作品内のイベント)で武道館に立つことを目指していると言う目標も焦燥感無く、でも確かにあるゴールとして見えていたことも良かった。

 この武道館のライブが最終回で全バンドが揃い踏みになるのかと思っていたら、リアルバンドが活動している3グループ特にRASにドラマを絞っていたのも散漫にならず良かった。EDテーマの「夢を撃ち抜く瞬間に!」が丸で作品開始当初からあるような存在感で、キャラ同士が楽しそうに過ごしているイラストと相まってとても好きだった。六花の踏み出す一歩を応援する「Step x Step」で自分も転職に向けた背中を押された気がして物事への考え方が変わった。(結果この状況でまだ転職していないが)

・2層展開式

 3期ではRASの結成と、昨年行われた7th LIVEが根底にありそこに肉付けをしていったようなストーリーになっている。視聴者が夢を叶えようと思わせる話であると同時に、出演者達が夢を叶えた足跡を辿るように思えた。
 7th LIVEのRAS公演では紡木吏佐さんの「オーディションに落ち続けて、どうなるか分からない状態だった所でチュチュ役になって武道館に立つことが出来た」と語っていたことが印象に残っている。最終話を演者陣が実況する中で7th LIVE時の事をしきりに語っていた。視聴者の体験と演者の体験が折り重なって、現実と作品世界により没入していくような境界線が曖昧になる感覚に陥った。
 2層展開式はスタァライトで使われた言葉だが、今のブシロード作品はビジネススタイルも合わせてこの形式に寄っているように思える。最終回で3バンドが「夢を撃ち抜く瞬間に!」を歌った時、自分の抱いていた印象は正しかったと思えたし「キャラクター達も演者も夢を撃ち抜いた、次は君の番だ!」と手を引かれるようだった。

・宣伝面


毎話アニメに登場したグッズを販売するの良かったけど宣伝大人しめだったような?

 放送(配信日)だった木曜夜を「#バンドリの時間」とし、生配信の番組-最速配信-MX地上波と流れを作っていた。配信も各媒体を跨って「1000万ネットワーク」と題していたがトレンド入りやらこの辺の効果はどうだったんだろう。


・劇場版とその先へ


 全ての総括になるはずだったメットライフドームのライブが延期になってしまったのが何より残念、ゲームのリアル連動等力を入れていたものだけにダメージは計り知れない。イベントのグッズ収益が激減し、イベントを基点にした作品展開を行ってきたブシロードにとって現状は先々の予定も全て狂い1ファンとして心配だ。
 そんな中出演者の仕事を維持するため配信を継続しているのは好印象(機材も手配しているのかな?)
 最終話では2つの劇場版作品、22年までの展開が提示された。その頃どうなっているかそもそも制作すら出来るか分からないが、3rd seasonが自分の糧になったのは間違いない。正直始まった頃は改めて見返す作品になると思っていなかった。サンジゲンのCGモデルもシリーズ重ねるごとに進化しており、手書きアニメのような演出も多く今後さらに進化するだろう。素晴らしい劇場版を見られる日を待ち望んでいます。

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