40年の勤めを終えた

※2024/4/27 21:33 いくつかの文を削除し、いくつかの文を少し修正しました

40年の勤めを終えて退職した。退職のあいさつでは2つのお願いをした。
他にもアドバイス、お願いしたいことはたくさんあったけれども長くなるので2つに絞った。上手くは話せなかった。
伝えたかったことは次の通りだ。

一つは身体に異常を感じたら先延ばしせずに病院に行って欲しい、色んな病院に行って雰囲気に慣れておいて欲しい、普段病院に行かない人がいきなり行くと病院の独特の雰囲気に呑まれてしまうから。

これは二十歳からの大事な友人の教えだ。

30代の初めに入社年次が数年下で能力も人格もこの上もない同僚が急死した。その後も直接、間接の上司、子会社の部長、後輩が現役のまま病気で亡くなった。なんでお前が死んじゃうんだよ、誰がそんなことを許したんだよ、勝手に死なないでくれ。葬儀の場で声に出さずに何度叫んだことか。

変だと思ったら病院に行こう。忙しいからと先延ばしにしないように。身体を大事にしよう。色んな病院に行ってここは自分に合う。ここなら安心だと言う病院を見つけておくとよいよ。

もう一つのお願いは、顔を上げて街を歩こう。

辛いことがあるとつい俯いてしまう。でも顔を上げて回りを見渡すと世界はこんなに美しいのかと驚く。発見がある。オフィスのある丸の内には銀座、有楽町、日比谷か近い。ギャラリーや日比谷公園があって頑張れば昼休みに行って帰ってくることができる。忙しいとは思うがたまには顔を上げて街に出て欲しい。世界が違って思えるから。

あいさつでは話せなかったが就職して2年目に取引先の営業部の次長の方に言われた。「角谷君、会社員は辛いことが多い。でもね、過ぎてしまえば全て笑い話になるんだ。過ぎてしまえば全ては笑い話。僕はそう思って毎日を生きているんだ」。

40年は過ぎてしまえばあっという間だった。全ては笑い話。過去から自分を解放して顔を上げて今と明日を生きよう。

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